氷川きよし、堺正章&Rockon Social Clubと『紅白』の深い縁 2025年は「特別企画」にも注目
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堺は1960年代より日本のグループサウンズの代表格であるザ・スパイダースのフロントマンで、また数々のバラエティ番組などの司会者としても日本の芸能史を語る上で欠かせないタレントでもある。ただ実は、スパイダース時代は『紅白』への出場はゼロ。加藤充(Ba)は「髪の長いのは不良だ」と言われ『紅白』への出場が叶わなかったと後の取材で明かしている(※2)。
一方で堺はソロ歌手としては6回出場し、1991年から1993年までは白組司会を3回担当した。「長髪で出場NG」という時代性との因縁や、その後、国民的タレントになって『紅白』の司会を務めるまでの長い歴史を振り返る上でも象徴的な存在の一人になったことなどは、まさに堺自身が日本の“放送”の流れを体現していると言える。
そして、今回の堺のステージに参加するのがRockon Social Clubである。今年3月には堺とコラボ曲「プンスカピン!」をリリース。10月21日放送の音楽番組『うたコン』(NHK総合)でも堺と共演して、同曲を披露した。
そんなRockon Social Clubは、JUN SKY WALKER(S)の一員としてはもちろんのこと、多くのアーティストのプロデュースや楽曲提供、共作でも知られるヒットメーカーの寺岡呼人がメンバーとプロデューサーを務め、さらに1980年代より不良性とアイドル性を共存させた斬新な活動スタイルと確かな演奏技術でロックバンドとしての地位を固めていった男闘呼組の成田昭次(Vo/Gt)、岡本健一(Vo/Gt)、高橋和也(Vo/Ba)、前田耕陽(Vo/Key)、そしてスタジオドラマーやサポートドラマーとしてさまざまなアーティストを長年支え続ける青山英樹(Dr)という“名うて”のメンバーがずらりと揃う。
中でも男闘呼組は1988年、1989年に『紅白』へ出場。結成初期の男闘呼組は、成田、岡本、高橋は不動だったものの、ほかのメンバーの脱退/加入が相次ぐ状況が続いていた。そんななか、前田が最後のワンピースを埋めた。そこで完全に勢いがつき、デビュー作品『DAYBREAK』(1988年)が大ヒット。また、メンバーが主演した同年公開の映画『ロックよ、静かに流れよ』は、長崎俊一監督がメガホンをとり、高い評価を集めていた。1980年代のカルチャーシーンの中心として、当時の『紅白』出場も注目を集めた。
そして翌年は、ヒットチャートを賑わせた「TIME ZONE」を携え、出場を勝ち取った。筆者も当時のステージを記憶しているが、司会・武田鉄矢の紹介コールを受けてワイルドなリフが鳴らされた瞬間のシビれる高揚感や、岡本のギター演奏のかっこよさに惚れぼれした記憶がある。
Rockon Social Clubとしては2023年、MISIAのステージで『紅白』初出場を実現させた。紅組トリのMISIAとともに、NHKラグビーテーマソングにもなったコラボ曲「傷だらけの王者」を力強く演奏。今回はそれ以来、2度目の『紅白』ステージとなる。Rockon Social Clubの姿を見ていると、いつまでも音楽を好きでい続けること、常に向上心を持って活動し続けることの大切さを実感させられる。そうした姿勢が“信頼”へと繋がり、今回再び『紅白』の舞台に立つこととなったのではないか。
氷川きよし、堺正章、そしてRockon Social Clubはいずれも『紅白』の歴史に名を刻むミュージシャンたちだ。12月31日は、それぞれの軌跡がひしひしと伝わるエネルギッシュなパフォーマンスを見ることができるのではないだろうか。
※1:https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202001070000049.html
※2:https://www.news-postseven.com/archives/20190621_1394047.html

























