RADWIMPS、マルシィ、ねぐせ。、セカンドバッカー……リスナーの共感を集めるバンド発ラブソング

　早いもので、2025年も終盤。今年も、様々なアーティストによる多様な楽曲がチャートを賑わしているが、その中でも特に大きな存在感を誇っているのがラブソング。本稿では、今年話題を集めたバンド発のラブソングを振り返っていく。

RADWIMPS「ワールドエンドガールフレンド」

　10月にリリースされた4年ぶりのアルバム『あにゅー』収録曲。まず目を引くのが、ワールドエンドという壮大なワードと、ガールフレンドという等身大なワードを、まさに〈惑星直列〉の如くダイレクトに結び付けたタイトル。曲調は一貫してたおやかで、野田洋次郎（Vo/Gt/Pf）の歌は、私たちの日々の生活に優しく沁み込むような親密な響きを放っているが、この曲が描き出すスケールは極めて大きい。特に象徴的なのが、〈恋と星と歌はいつか滅ぶらしい だからなに？ そんなことちっぽけに思える君の唇〉というライン。惑星の存亡と2人の恋を並列させ、しかも、それらを等価として並べるのではなく、後者のほうにこそ大きな価値や意味があると謳う。果てしないほどにドラマチックで、狂おしいほどに過激な愛を歌う同曲は、まさに、RADWIMPSのラブソングの真骨頂だと思う。〈夢なんかひとつもなくとも僕らは 確実に 夢に人と書いて読んだ 「儚」きバガボンドさ〉という漢字の成り立ちを描いた歌詞を聴いて、彼らの初期の楽曲の歌詞を想起した人も多いはず。

ねぐせ。「織姫とbaby feat. 汐れいら」

　YouTubeでのMVの再生回数は1,300万回（11月10日現在）を超え、TikTokでのユーザー作成動画は2億回再生を突破。サビの頭でリフレインされる〈織姫とBABY〉〈彦星とばいびーして〉というラインが、文字通りとびっきり〈チャーミング〉で、この楽曲が多くの人に何度も繰り返し親しまれているのも納得。 R&B／ソウルのテイストを打ち出した温かなサウンドも耳心地がよい。歌詞のベースになっているのは、誰もがよく知る織姫と彦星の物語。お互い愛し合いながらも離れ離れになっている2人の物語はもちろんフィクションではあるが、〈ふたりのように寂しさに強い僕らじゃないからさ〉という歌詞を介することによって、途端に現代を生きる私たちの恋模様と接続される。2人の主人公が登場する曲だからこそ、この曲がデュエットとなったのは必然的（ねぐせ。がゲストボーカリストを迎えるのは同曲が初めて）。汐れいらとりょたちの掛け合いによって、イマジネーション溢れる楽曲世界が豊かに広がっていく展開が素晴らしい。

セカンドバッカー「犬とバカ猫」

　SNS総再生数、脅威の20億回超え。まさみ（Dr）の肘打ち動画がもたらしたインパクトも相当大きいはずだが、いずれにせよ、2025年のラブソングを語る上でこの曲を欠かすことはできないだろう。近年のシーンを見渡すと、好きな人に届くことのない想いや切ない恋模様をロックサウンドに昇華したラブソングが多く、「犬とバカ猫」も大きな枠組みで括ればその系譜に連なる曲であると言えるが、この曲は彼らのバンドサウンド、主にドラムがどこか軽妙な響きを放っている点が肝だと思う。重く深い想いをヘビーなサウンドを通して表現する曲とは対照的で、この曲は全体を通してカラッとしたテイストで、過去の自分や昔の恋模様を、すでに相対化しているような視点が宿っている。特筆すべきは、最後の〈貴方を逃したバカな私だけの話〉というライン。この〈私だけの話〉の中に、もう〈貴方〉はいない。それは切ない事実かもしれないけれど、この曲の軽やかな響きは、同じような経験をした（している）人にとっての救いになるはず。

マルシィ「隣で」

　令和時代と深くシンクロする珠玉のラブソングを次々と世に送り届けているマルシィ。恋の始まりの高揚、片想いの切なさ、両想いの尊さ、二人で過ごす日々の悲喜こもごも、そして恋の終わり。彼らは、これまで様々な恋模様に寄り添うラブソングをいくつも生み出してきたが、その中からあえて一つ代表曲を選ぶとしたら、2023年リリースの「ラブソング」を挙げたい。その直球のタイトルが象徴しているように、この曲は、大切な人へ向けて愛の言葉と未来への誓いを捧げる、まさに王道の“ラブソング”。リリースから約2年が経つが、この曲が誇る普遍的な輝きは今も不変。リリース以降の数々のライブにおいて感動的なハイライトを担い続けていて、メンバーにとってもファンにとっても大切な一曲となっている。

　先日リリースされた「隣で」は、「ラブソング」のアンサーソングとして書き下ろされた楽曲。丁寧に紡がれる温かなサウンドや、しっとりと胸に沁み入るたおやかな歌のメロディは、「ラブソング」と通じ合うもの。「隣で」では、バンドサウンドとストリングスのコンビネーションがグッと増していて、またBPMの速さと相まって、全編から熱いフィーリングが伝わってくる。その熱の正体は、この曲で歌われる〈愛というものの正体〉そのもの、つまり、隣に〈君〉がいることによって日々の生活にもたらされる歓びや幸せなのだと思う。世の中には、恋が成就することを一つのピークとして描くラブソングやラブストーリーが多いが、〈君〉と過ごすその後の毎日は、きっとさらに素晴らしい。「ラブソング」と「隣で」を続けて聴くと、そうした感動的なメッセージが伝わってくる。

　「隣で」は、11月12日リリースの3rdアルバム『Flavors』からの先行シングルで、今作には前回のアルバム以降に発表した全てのシングル曲を含む13曲が収録される。今回ピックアップした「隣で」が象徴的なように、近年の彼らの楽曲は、より深く、より長く私たちの人生に寄り添うような渾身のナンバーばかり。その意味で、『Flavors』は、極上のラブソング集でありながら、恋愛の季節を超えた先にも輝きを放ち続けるライフソング集でもある。長く続いていく私たちの人生において、これからもマルシィは特別な存在であり続けていく。そうした確信がさらに深まる一作になるはずだ。

　2025年4月に行った初の日本武道館公演、2026年1月に控える横浜アリーナ公演2DAYのチケットも即完したマルシィ。2026年3月からは「隣で」が収録された3rdアルバムとともに、バンド史上最大キャパの14箇所15公演の全国ホールツアーも発表されており、Z世代はもちろんのこと、更に多くの世代のリスナーからの支持を得ていくだろう。

■リリース情報
「隣で」 Streaming & DL
https://marcy.lnk.to/You

マルシィ 3rd ALBUM『Flavors』
2025.11.12（Wed）Release
通常盤（CD） UMCK-1803：¥3,630（税込）
https://marcy.lnk.to/3rdAL_ec

◆CD
01.恋人
02.アイラブ
03.隣で
04.holiday
05.フリージア
06.ピエロ
07.願いごと
08.君中心に揺れる世界は
09.涙
10.エール
11.青空
12.Romance
13.プレゼント

■ライブ情報
『マルシィ one man live 横浜アリーナ』

・公演日時
2026年1月09日（金）18:00開場 / 19:00開演. ※SOLD OUT
2026年1月10日（土）16:00開場 / 17:00開演. ※SOLD OUT
・チケット料金/券種
指定席：8900円（税込）

『マルシィone man live 2026 Hall Tour』（仮）
東京ガーデンシアター全席指定：8,900円（税込）
その他のホール席指定：7,900円（税込）
https://marcy-official.com/news/detail/53203

▼公演日程
2026.03.28（Sat）栃木 宇都宮市文化会館 大ホール
2026.04.02（Thu）石川 本多の森 北電ホール
2026.04.04（Sat）新潟 新潟県民会館 大ホール
2026.04.12（Sun）静岡. 静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
2026.04.26（Sun）香川. サンポートホール高松. 大ホール
2026.04.28（Tue）福岡. 福岡サンパレス
2026.05.06（Wed）兵庫. 神戸国際会館こくさいホール
2026.05.08（Fri）大阪 フェスティバルホール
2026.05.15（Fri）北海道 カナモトホール
2026.05.17（Sun）宮城 仙台サンプラザホール
2026.05.22（Fri）熊本. 熊本県立劇場 演劇ホール
2026.05.24（Sun）広島. 広島上野学園ホール
2026.05.31（Sun）愛知. Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2026.06.27（Sat）東京 東京ガーデンシアター
2026.06.28（Sun）東京 東京ガーデンシアター

▼チケット申し込みはコチラから
https://w.pia.jp/t/marcy2026/

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