King & Prince、KOTO、femme fatale……佐々木喫茶のルーツに迫る 「だいしきゅーだいしゅき」のバズと実感

佐々木喫茶のルーツに迫る 

King & Princeとの“ FUSHIGI”な邂逅

LIFE is FUSHIGI

ーー今年3月にリリースされたKing & Princeの「LIFE is FUSHIGI」も手がけられています。この楽曲を作るにあたって、お二人が感じた「不思議」を曲に落とし込んだということをSNSで書かれていましたよね。

佐々木喫茶:お二人と話していて「不思議なことがある」というワードが出てきて、「だったら日常の不思議を教えて」ということで作り始めた曲ですね。

ーー今回彼らに楽曲提供をしたきっかけは?

佐々木喫茶:King & Princeとはまったく繋がりがなかったんですよ。当たり前ですけど。例えば人気のVTuberさんから依頼が来た場合、自分に来る道筋もなんとなく分かるんですけど、King & Princeは「どこから来たの?」って感じで。でも、髙橋海人くんが「恋のロケットランチャー feat. 頓知気さきな」がめちゃめちゃ好きだという話で。雑誌でもしていたらしいですが、そこからなんですよね。で、「レトロな感じ」というオーダーがあったんですけど、自分の思うレトロと今の20代の子が思うレトロって、「どこをもって『レトロ』って言うんだろう」というのですごく悩みました。King & Princeの曲を全部聴いたんですけど、他の曲とも違いすぎるなと思ったりして。でも、僕に頼んでくれたってことは、そこを全力でやらないと失礼だなと思って振り切ってやりました。

ーー確かにめちゃめちゃ振り切られてますよね。King & Prince好きで女性アイドルが好きな方などからも反響があったようですが。

佐々木喫茶:そうなんです。「King & Princeのファンの方々って俺のことこんなに知ってるの?」とビックリしました。誰の曲を作るのもいつも同じ部屋で同じ環境で、あんまり外にも出ないでやってるので「そんなに知ってる人がいるんだ」と。『カリスマ』というコンテンツにも楽曲を書いたんですけど、「また佐々木喫茶なの?」という声があったのも意外でしたね。

ーー私もそうなんですけど、リスナーが聴いていて「この曲、誰が作ったんだろう?」と調べたくなるような楽曲が多いのではないかなと。

佐々木喫茶:それは嬉しいですけどね。そう思ってもらえるように作っていますし、自分の作家性がちゃんと広まっていってくれてるんだなって。フィーチャリング楽曲などで「佐々木喫茶」という名前を文字として出せたというのも大きかったのかもしれません。

作詞で意識する「口の気持ちよさ」

ーーちなみに作詞はいつから始めたんですか?

佐々木喫茶:作詞は大学の時のバンドからです。その時から自然と書いてましたね。自分が作った曲で誰かが作詞したことは、これまでほとんどないです。

ーー佐々木さんが手がけられる楽曲は、サウンド自体のキャッチーさにくわえて歌詞もキャッチーというか、どこかに書き残したくなるような歌詞だなと思っていて。

佐々木喫茶:歌詞は口が気持ちよくなるような、韻的に気持ちいい言葉を優先していて、さらに自分の中では完全に意味が通るようなものを作っています。でも提供曲だとやや遠慮してしまっている部分もあるかもしれないです。「どういう意味ですか?」と言われないようにすることも、初めての人の曲では意識しちゃってるかもしれないです。何曲も書いている人だったら遠慮せずに出しますけどね。

うれしいたのしいさみしいガール (feat. 戦慄かなの)

ーー「うれしいたのしいさみしいガール (feat. 戦慄かなの)」の歌詞も印象的です。

佐々木喫茶:その曲はデモの仮歌で英語っぽく歌ったところに日本語がハマってタイトルにまでなった感じなので、完全に語感ですよね。楽曲を制作する時って、いいテーマがあればほぼできちゃうんですよ。タイトルが決まったら90%曲ができたくらい、いいタイトルがあればそこから広げるのが得意なんです。逆に決まったテーマがないとなかなか進まない。アーティスト本人と話せる場合は、出してもらったテーマに沿って、自分がどんどんその世界を広げていくというか。だから「キャッチーで可愛いのお願いします」みたいなオーダーだと、ちょっと難しいんですよね。

ーー佐々木さんが、楽曲を作る上で大切にしていることはありますか。

佐々木喫茶:自分が一番のファンじゃないといけないなと思っていて。判断基準を他人の声に委ねてしまうと、わけがわからなくなってしまうじゃないですか。そうやってできた楽曲をみなさんにも気に入っていただけたら、なおいいですよね。あとは、10年以上やってきたスタイルを続けていくことは変わらないというか。TikTokより僕の方が先輩ですから。TikTokが生まれる前からずっとキャッチーな楽曲を作っているので。

ーーそう考えると、何年後かに今のアイドルシーンを振り返った時に「佐々木さんの楽曲は今も変わらずいいよね」という評価が生まれるように思います。

佐々木喫茶:まぁポップでキャッチーなものがずっと好きなので。これからも多分そうですし、自分がいいと思うポップスをやり続けるだけですね。

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