YONA YONA WEEKENDERS、新体制初ツアーで描いた最高の夜 形を変えても鳴り続けるグッドミュージック

9月に幕を開けたYONA YONA WEEKENDERSのによる『YONA YONA WEEKENDERS 6th EP "YOYOI NO YOI" Release Tour』が、11月7日の沖縄公演をもって無事に終幕を迎えた。最新EP『予酔いの宵』のリリースツアーにして、現在の3人体制での初めてのツアー。本稿では、9月26日に行われた東京キネマ倶楽部公演の模様をレポートしていく。

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「最後までいっぱい飲んで、踊って、ひとつになりましょう」
サポートメンバーとして、Masayuki Ichinohe(Gt)、高橋遼(Key)、西恵利香(Cho)を迎えた6人編成で行われたこの日のライブ。SEが優雅に鳴り響き、メンバーがひとりずつ2階から登場して階段を降り、そのままステージイン。温かな拍手と熱い歓声が響く中、SEが鳴り止み、同時に磯野くん(Vo/Gt)が、「予酔宵」という3文字の漢字を形取った黄色のネオンライトのスイッチをオンにする。そして、「キネマー! 楽しみましょう!」と呼びかけ、最新EPの表題曲「予酔いの宵」からライブはスタートした。

YONA YONA WEEKENDERSの新たなテーマ曲とも呼ぶべき同曲が、最高の”宵”の幕開けをシックに彩る。ステージには、2台の扇風機型モニターが設置されていて、回転する羽にメラメラとした炎の映像が映し出されている。歌い終わり、磯野が同曲の歌詞になぞらえて「ひとつになりましょう!」と高らかに叫び、2曲目の「SUNRISE」へ。続く、最新EP収録曲「未明のブルー」では、ソリッドで隙のないタイトなバンドアンサンブルによってグッと緊張感が高まり、後半にかけて情熱的に昂っていく展開を受けて、会場全体に熱いフィーリングがぞくぞくと広がってゆく。

ここで、YONA YONA WEEKENDERSのライブにおいて恒例となっている乾杯の時間へ。「最後までいっぱい飲んで、踊って、ひとつになりましょう」と呼びかけた磯野は、ドラムロールが轟く中、この日の1杯目を一気飲み。そして、「新体制初のツアー、最後まで駆け抜けますんで」という宣誓を挟み、「SUI SUI」へと繋ぐ。

小原”Beatsoldier”壮史(Dr)による4つ打ちのキックに合わせて観客がクラップを重ね、合いの手の〈All right!〉のコールもばっちりきまる。スズキシンゴ(Ba)は、会場全体の熱いバイブスを身体全体で感じ取るようにプレイしていく。その姿は、この会場の誰よりもライブを楽しまんとする気概を感じさせる。続けて、「キネマ、来れんの? 来れんの?」という磯野の煽りから「行けたら、行くわ」へ。磯野が人差し指を高く掲げて〈Power to the people〉と叫ぶとフロアから大歓声が沸き起こり、間奏では西の指揮に合わせて観客がクラップを重ねていく。次に、「Let's drive!」という呼びかけから「君とdrive」へ。そして、「Let's take off!」という呼びかけから「I.K.T.W」を経て、磯野のソウルフルな美声が一際光っていた「唄が歩く時」を挟み、「Let's dance!」という呼びかけから「寿司と酒」へ。曲が重なるたびに会場全体のバイブスが熱く濃厚になっていくのがありありと伝わってくる。


さらに、磯野、西、高橋による三声コーラスから幕を開けた「イケてるPOP」。続く「考え中」からシームレスに「Good bye」へ繋ぎ、高橋が奏でるメロウな調べに導かれるようにして「東京ミッドナイトクルージングクラブ」を披露した。

ここでMCへ。先ほど、扇風機型モニターのひとつが壊れてしまったことで二度目の乾杯のタイミングを逃したとのことで、ここで再び乾杯。「R.M.T.T」からライブが再開したのだが、冒頭の〈今夜ちょっとさ HARD 目にやってこう〉という歌詞の後半を「キネマ倶楽部でやってこう」と替えて歌う粋な計らいがあり、また「見せてくれ、東京!」という熾烈な呼びかけを受け、フロアの熱量がさらにグッと高まる。曲終わり、磯野は思わず「最高すぎる」と呟いていた。


「Open your eyes」では、観客の熱烈なコーラスを受けて磯野が一気飲みをかまし、曲終わり、「形が変わっても、こうやって一緒に乾杯できて嬉しい」と感慨深く告げた。そして、「初めてやるけど、」と前置きしつつ、観客とのコール&レスポンスを幾度となく重ね、その流れのまま「シラフ」へ。何度もばっちりきまっていく観客のコール。「マイメン、ありがとう」と告げる磯野。そして、「これからのYONA YONA WEEKENDERSの『あたらしい旅』もよろしくお願いします」という言葉を添えて、本編ラストの「あたらしい旅」へ。たおやかな響きを放つ歌とサウンド。しかしそこには、形を変えながらもバンドを続けていくという揺るがぬ意志が貫かれていて、聴いていて胸が高鳴る。



アンコールで再びステージインした磯野は、YONA YONA WEEKENDERSの存在理由について「いつも働いている、いつも頑張っている皆さんのそばにいたいバンド」と伝え、「皆さんに寄り添って音楽を鳴らしていきたいと思います」と観客と約束を結んだ。熱く温かな拍手が響く中、「Work Hard Play Hard」、そして「月曜のダンス」へ。キメの連続、際限なく昂るバイブス、金曜の夜というシチュエーションもあってか、とてつもない盛り上がりだ。
圧巻の大団円を経てメンバーが去った後、ステージに残った扇風機型モニターには、「YONA YONA WEEKENDERS」「GOOD MUSIC」の文字が映し出されていた。総じて、熱く親密なグッドミュージックによって彩られた最高の“予酔いの宵”だった。


























