YONA YONA WEEKENDERS、“ヨナの日”の祝祭 最高の乾杯と共に刻んだメジャーデビュー4周年ライブ

2025年4月、東京と大阪の2カ所で開催された『YONA YONA WEEKENDERS ONEMAN LIVE 2025』。今回は、彼らのメジャーデビュー4周年の記念日である4月7日(ヨナの日)に東京・Spotify O-EASTで開催された東京公演の模様をレポートしていく。
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磯野くん(Vo/Gt)、スズキシンゴ(Ba)、小原“Beatsoldier”壮史(Dr)、そして、サポートのギター、キーボード、コーラス、さらに2名のホーン隊を迎えた、計8名の特別編成で幕開け。1曲目は「SUNRISE」からスタートした。「渋谷ー! 踊っていけますかー!」という磯野くんの呼びかけを受け、フロアから、平日、しかも月曜の夜とは思えないほど大きな歓声が轟く。なんて熱いオープニングなのだろう。何より、6人のバンドアンサンブルに豊かな彩りを添えていくホーンのふくよかな調べが素晴らしく、過去の曲が新鮮な響きや輝きを放つこの日ならではの特別な展開に胸が高鳴る。

磯野くんの「2025年も、新しい旅に出ましょう!」という一言の後に披露されたのは、2月にリリースされた「あたらしい旅」だ。この曲で歌われるのは、日々の生活や人生における変化を受け入れながら、新しい一歩を踏み出す決意。磯野くんの歌はしなやかでたおやかな響きを放っているが、そこには未だ見ぬ未来へ向けて歩を重ね続けんとする“揺るがぬ意志”が滲んでいる。彼ら自身が様々な変化を重ねながらバンドを続けてきた歩みを思うとグッとくる。「東京ミッドナイトクルージングクラブ」における、メンバー&観客のコーラスとホーンの響きが重なり合いシンガロングする展開も素晴らしかった。

最初のMCパートでは、磯野くんから、ステージの中央に置かれているビール用の冷蔵庫について、1代目がボロボロになってしまったため、今回から追加で2代目が導入されたことが紹介された。その後、彼らのライブで恒例となっている乾杯パートへ。磯野くんは、「仕事や学校が終わって駆けつけてきた人、多いと思います」と前置きした上で、「いろいろあると思いますけど、思いっきり踊って、かっこよく飲んで帰っていきましょう!」「乾杯!」とドラムロールが鳴り渡る中、1杯目を一気に飲み干してみせた。彼らのライブではお馴染みの光景だが、今回はメモリアルな日ということもあり、ステージもフロアも一際バイブスが高めだったように思う。

ここでいったんホーン隊の2名が捌け、6人編成で「into the wind」をはじめとした歴代の楽曲が次々と披露されていく。曲が披露されるたびに会場全体の熱気はさらに高まっていき、「寿司と酒」のラストサビ前では、磯野くんが「腹の底から!」と豪快に呼びかけ、並々ならぬ大合唱が巻き起こる。続いて、再びホーン隊の2名が合流して「よしなに」へ。それぞれが呼応し合うように響き合う、磯野くんの流麗な歌とメロディアスなホーンの調べ。まるでマイクリレーのような綿密なコンビネーションに思わず息を呑む。「Long Ride」では、コール&レスポンスとホーンが深く絡み合う一幕も。

ここから6人編成で「リルバズ」「Good bye」「夜行性」が立て続けて披露される。言うなれば、磯野くんのソウルフルな歌をフィーチャーしたセクションで、彼のシンガーとしての才が一際光る展開に深く魅了された。「まだまだ遊んでいこうぜ、渋谷ー!」という磯野くんの呼びかけから突入した「Work Hard Play Hard」も素晴らしい名演で、”月曜の夜”だからこそいっそうの輝きを放っていた一曲だったように思う。

ホーン隊の2名を呼び込み、2度目のMCパートへ。磯野くんは、自分たちへの自虐を交えながらバンドの歩みを振り返りつつ、フロアを見渡しながら「こんなたくさんの人に愛してもらえるバンドになって、本当に嬉しいです」と丁寧に胸の内の想いを伝えた。そして、この日2度目の乾杯によって会場全体のバイブスがさらに高まったところで、磯野くんが「メジャー5年目も、すいすいやっていきましょうー!」と自分たち自身を鼓舞するように叫び、8人編成で「SUI SUI」を披露。同曲の終盤では、フロアの並々ならぬ熱狂を受け、磯野くんが高らかに「愛してるぜー!」と叫んだ。


次に披露されるナンバーとして曲目が伝えられた瞬間にフロアから大歓声が巻き起こった「R.M.T.T」では、磯野くんが歌い出しの〈今夜ちょっとさ〉の後ろを“ヨナの日”仕様に替えて歌い、その粋な計らいにさらに大きな歓声が上がる。トランペット、サックス、ギターの順で、サポートメンバーによるソロ回しが炸裂して会場の熱がさらに高まったところで、本編ラストの曲として、最新曲「イケてるPOP」が披露された。「YONA YONA WEEKENDERSが送る令和最強のポップス」として紹介されたこの曲は、これまでの曲よりも磯野くんの歌をさらに大々的にフィーチャーしたナンバーで、親密さと美しさ、そして一抹の切なさが滲むメロディが深く心に染みる。磯野くんのメロディメイカーとしての才にあらためて驚かされたし、スズキ&小原のリズム隊をはじめとした各メンバーによる、真っ直ぐに磯野くんの歌を支える丁寧なプレイも見事だった。