幾田りら、さらなる成熟を見せた2025年を総括 「Actor」に宿る優しさ、天性のポップネスと称すべきボーカルの魅力

シンガーソングライター・幾田りらが、今年も精力的な活動を続けている。
まず、2025年の活動を振り返ってみよう。
『薬屋のひとりごと』『今日好き』『SPY×FAMILY』タイアップ、幅広いフィールドで活躍
1月にはシングル『百花繚乱』をリリース。TVアニメ『薬屋のひとりごと』(日本テレビ系)第2期 第1クールのオープニングテーマとして制作されたこの曲は、力強くしなやかなトラックと〈ゆらゆらり/はらはらり〉というたおやかなフレーズから始まる。“後宮という場所に連れてこられ、さまざまな人々との出会いの中で成長していく猫猫”、そして、“YOASOBIのボーカリスト・ikuraとして、新たな扉を開きながら進化していく自分自身”を重ねたという歌詞が、『薬屋のひとりごと』の世界観と幾田の実体験がナチュラルに繋がった楽曲だと言えるだろう。華やかな解放感をたたえたサビのメロディも印象的だ。
続く4月には「恋風」(『今日、好きになりました。 ニュージーランド編』主題歌)を発表。幾田が『今日好き』の主題歌を担当するのは、『今日、好きになりました。向日葵編』主題歌「ロマンスの約束」(2019年)、『今日、好きになりました。蜜柑編』主題歌「スパークル」(2022年)に続き三度目。特に「スパークル」は自身初のストリーミング再生1億回を記録し、『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンス映像は1,500万回再生を突破するなど、彼女のソロとしてのキャリアを代表する1曲として知られている。「恋風」は、柔らかくて切ない旋律に、アコースティックギターの響きを軸にした有機的なサウンドがひとつになったミディアムチューン。新しい恋が始まる時の戸惑いとドキドキをナチュラルに映し出した歌詞には、「揺れ動く恋心に素直になれたら」(※1)という願いが込められているという。
さらに9月5日には、「百花繚乱」の英語版楽曲「In Bloom」を配信リリース。彼女にとって自身初の英語版楽曲となる「In Bloom」は、イギリス・ロンドンの名門スタジオ・Metropolis Studiosでレコーディング。訳詞はYOASOBIの楽曲の英訳を手掛けているKonnie Aokiが担当し、日本語の響きや意味を大切にしながらも、英語ならではのリズム感を活かした楽曲に仕上がっている。
そのほか、2023年7月に神奈川・愛知・大阪で開催した初のワンマンツアー『幾田りら 1stワンマンツアー「SKETCH」』のライブ映像を自身のYouTubeチャンネルで2週連続で公開。また、今夏リリースされたピーナッツくんのアルバム『Tele倶楽部II』に「TIME TO LUV feat. 幾田りら(Prod. nerdwitchkomugichan)」として参加している。さらに、音楽活動のみならず、秋にはコーチ(COACH)のグローバルアンバサダーに就任するなど、幅広いフィールドで存在感を発揮している。シンガーソングライターとしての魅力はもちろん、彼女自身がポップアイコンになりつつあると言っていいだろう。
そして、10月11日にリリースした新曲「Actor」からも、幾田の充実ぶりを実感してもらえるはずだ。TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3(テレ東系列)のエンディング主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、洗練、可愛さ、切なさがバランスよく溶け合うポップチューン。Official髭男dism「ミックスナッツ」、星野 源「喜劇」、BUMP OF CHICKEN「SOUVENIR」、Vaundy「トドメの一撃 feat. Cory Wong」などを送り出してきた『SPY×FAMILY』シリーズから届けられた、新たな名曲だ。





















