岸優太、未知数の可能性を秘めて迎えた30歳 大きな決断と才能開花の20代――音楽への挑戦を重ねた日々

本日9月29日、岸優太が30歳の誕生日を迎えた。
岸にとって、20代ラストイヤーとなった昨年。振り返ってみると、彼の才能が開花した一年だったように思う。
29歳の誕生日を控えた昨年9月23日、Number_iは1stフルアルバム『No.Ⅰ』をリリース。本作には、メンバーのソロ楽曲が初収録されていた。岸のソロ楽曲「Recipe」は、自身が初めて作曲、ギターも演奏したセルフプロデュース作品。のちに配信されたドキュメンタリー作品『THE_i -what is Number_i-』(Prime Video)では、間奏のギターソロを納得いくまで何度も録り直し、音やリズムの細かい部分まで微調整を重ねる岸の姿が映っていた。
初のソロ曲で作曲、楽器演奏だけでも驚かされたが、さらに舌を巻いたのは、アルバムリリース後に開催された全国ツアー『Number_i LIVE TOUR 2024 No.Ⅰ』でのこと。岸は同曲の披露時にギターの弾き語りに加え、多数の楽器をリアルタイムで録音して重ねることで、ひとりで複数のパートを成立させるルーパー奏法に挑んでいたのだ。鳴らされるすべての音をその場でイチから、それも自分だけで作り上げるわけで、おそらくダンスとボーカルを軸にした普段のステージとは違う種類の緊張感があったはず。大きな挑戦を成し遂げる岸からは、丹精を込めて作ったこの曲を自分の力で、より心に刻まれる形で届けようとする意志が伝わってきた。
そして、この一年でも特に重要なトピックは、岸がプロデュースした楽曲「GOD_i」が今年1月に配信リリースされたことだろう。「GOD_i」は5月に発売した2ndシングルの表題曲でもあり、岸にとっては初のリードトラックのプロデュースだった。
平野紫耀による「BON」、神宮寺勇太による「INZM」から着想を得て生まれたという「GOD_i」。メロディアスなフレーズに壮大なトラック、己と向き合うような深いテーマ。これまでとは少し違ったテイストでグループの進化を感じさせる作品だった。岸が『No.Ⅰ』で唯一ソロ楽曲をセルフプロデュースしていたように、思わぬ形で楽しませたいといった彼のこだわりも見えたように思う。そんな「GOD_i」は、Billboard JAPANの2025年上半期チャートにおいて急上昇ソングチャート「JAPAN Hot Shot Songs」首位を獲得(※1)。リリースから短期間で多くの人の心を射止めたことが、チャート結果から読み取れる。
Number_iとして音楽活動に励む一方で、個人でも飛躍を見せたのが29歳という一年だった。昨年10月には、「ヒビケアパッド」の新イメージキャラクターに就任。同商品がより多様なシーンに対応できることを伝えたい企業側の意図と、数々の新しい表情や姿を見せている岸が重なったことで、起用に至ったのだという。さらに、昨年末には「ワールド オブ ハイアット」ジャパンアンバサダー、年明けには「BANANA REPUBLIC」のブランドアンバサダーにも就任。この一年で、彼の世界は大きく広がっていった。
30歳の誕生日1週間前となる9月22日には、2ndフルアルバム『No.Ⅱ』が発売。今作でもメンバーごとのソロ楽曲が収録されたが、岸の「KC Vibes」は自身が作編曲を務めた、前回の穏やかな「Recipe」とは打って変わってスリリングな一曲だ。シリアスなムードの漂うトラックに、まくし立てるようなボーカルが重なる。天真爛漫なキャラクターからは想像できない、またしても岸の新しい一面が見えた気がした。
自身が表紙を飾った『Numéro TOKYO』2025年10月号特装版増刊(扶桑社)のインタビューで、岸は「20代をまだまだ味わい尽くせてないのに、気づけば終わりが見えてきている。でも、『じゃあ、やり残したことがあるか?』って言われたら、そうでもない」と語っていた。普段はあまり多くを語らない岸だが、自分の軸をしっかりと持っている人だと思う。この一年、29歳の岸に驚かされる場面が何度もあった。それは、自分が試してみたいこと、表現したいことを形にするために、彼が誰も見ていない場所で努力を積み重ねてきた結果だろう。そんな真面目でストイックな岸だからこそ、未知数の可能性を秘めているとしか思えないのだ。
〈ねぇ未来の俺にお願いごと〉――「GOD_i」ではそう歌われている。大きな決断も経た20代は本当に充実していたのだろうし、一方でまだ叶えられていないこともあるのだろう。全力で駆け抜けた20代があるからこそ、より楽しい30代の日々が待っているはず。彼の思い描いたものがひとつでも多く叶うように――。いつもまわりに笑顔を届けてくれる岸の未来も、ハピネスに包まれることを願うばかりだ。
※1:https://realsound.jp/2025/06/post-2046408.html

























