佐藤晴美、なぜ今オーディション番組をプロデュース? “LDHのガールズグループ”として叶えたい夢

佐藤晴美、なぜ『ガルバト』プロデュース?

『ガルバト』プロデューサーとして感じる“選ぶこと”の難しさ

——今回のオーディション参加者は、佐藤さん自らスカウトされたそうですが、なぜスカウトという方法を選んだのですか?

佐藤:公募という手段ももちろん検討しましたが、いろいろなスタジオを巡って、自分が魅力的だと感じた子にオーディションを受けてほしいと伝えたほうが、自分が心を動かされる人と巡り合える確率が高まるんじゃないかと思ったのがきっかけですね。

——スカウト活動はいつ頃からスタートされたのでしょうか。

佐藤:2024年9月頃です。

——日本全国を回ったのですか?

佐藤:そうですね。地域によってはリモートで繋いでのスカウトになりましたけど、『ガルバト』の参加者は北は北海道、南は沖縄まで、全国各地から集まっています。海外から参加してくれた子もいました。

——多くの実力者が候補生として参加しています。

佐藤:そうなんです。LDHのアーティストとして5〜6年ほどステージに立った経験のある子たちと、まだデビュー未経験の候補生たちが一緒にオーディションを進めていくのは、『ガルバト』ならではの見どころだと思っています。デビュー経験のある子たちは、デビュー未経験の候補生たちから学ぶこともきっとあるでしょうし、下から追い上げてくる候補生を見てハッとさせられることもあると思うんです。初心を思い出しながら、切磋琢磨できるというか。

 一方で、デビュー未経験の候補生たちはきっと、プロとしてステージに立ってきた子たちの気迫や見せ方、歌やダンスのスキルから、大きな刺激を受けると思います。審査で候補生のみんなを見ていて思うんですけど、やっぱりオーディション経験者と初めてオーディションを受ける子だと、自分の表現の仕方が違うなと。自分をうまく出してパフォーマンスすることに慣れてきた子と、人に評価されることがまだ怖い子の間には差があると感じます。なので、プロとしての活動経験やオーディションへの参加経験がある子たちには、現場でたくさん刺激を与えて候補生みんなの力を底上げしてくれることに期待したいですし、初めてオーディションを受ける子たちには、ナチュラルに出る空気感や素直なリアクションから、経験者の子たちの初心を思い出すきっかけを作ってくれることに期待しています。それぞれの立場でいろいろな相乗効果があると思うので、視聴者の皆さんにもすごく刺激的なシーンがたくさんあると思います。

——オーディション全体で、候補生のどのようなところを見たいと考えていますか?

佐藤:今回は「伸びしろ」をテーマの1つに置いているので、候補生のみんながどこまで伸びる可能性があるのかを見ています。オーディション中に常に完璧であるのは難しいし、スキルも今の時点で100%でなくてもいいと思っていて。上手いとか下手とか、そういうものを一度取り払って、パフォーマンスや練習中の姿をチェックしています。それから、パフォーマーとしてステージに立つのなら、最後はメンタルの部分が大切になってくると思うので、気合いの入れ方というか、気持ちの持ち方というか、そういったところも見ていますね。今はまだ小さなつぼみでも、オーディションの最終審査ですごく可能性に満ち溢れたものを出してくれるかもしれないので、今後の審査もすごく楽しみです。

——初のプロデュースということで、選考では難しさを感じる部分もあったのではないでしょうか。

佐藤:難しさは常に感じていますね。今回のオーディションで作りたいのはグループではあるものの、そこには個人が所属するわけで、一人ひとりの候補生の10年後、20年後までを想像してメンバーを選ばなければいけないと感じます。

 『ガルバト』で結成するグループの成功が第一のゴールだとしても、グループ活動の先には、一人ひとりの次の人生が広がっている。グループで成功を収めたことがその子の人生の終着点ではないだろうし、それぞれの考え方や価値観、人生設計があると思うので、目先のことだけではなく、候補生一人ひとりの将来も見据えて、手を取り合える仲間になれるのかどうか、私がその相手にふさわしいのかどうかを考えなければいけません。一人ひとりの候補生に対して、現段階で見えることをしっかり見て、未来の姿を想像して、グループのマネジメントと個人のマネジメントなども同時に考えていく。いろいろなところを見て、バランスを整えていかなければいけないので、難しさや責任の重さをすごく感じています。

——各候補生の未来も想像しながら、選考を行っているのですね。

佐藤:そうですね。個人の魅力がたっぷりと詰まったグループを作りたいと思っているのですが、個々に魅力があるということは、その分、彼女たちの人生の広がり方は無限大とも言えます。私にはない魅力、私にはない発想が、これから作るグループのメンバーにはきっとあって、一人ひとりが可能性に満ちていると思うので、それぞれの個性を伸ばしつつ、1つのチームとしてまとめていければと考えています。

『ガルバト』、で佐藤晴美が深掘りしたい部分は

佐藤晴美

——オーディションも佳境に入っているかと思いますが、現場はどのような雰囲気なのでしょう?

佐藤:良い意味ですごく自由な空気がありますね。みんなメリハリがあって、それこそ合宿審査の時は、食事の時間は「女の子の集団がずっと騒いでいる」という感じで(笑)。でも、リハになるとスイッチが入って、みんなピリッと頑張る。オンオフの切り替えがうまい子たちだと思います。女子校みたいな現場です(笑)。

——第3話では、24時間でパフォーマンスを仕上げるという3次審査の模様が放送されました。3次審査はいかがでしたか?

佐藤:3次審査では、24時間でグループのパフォーマンスを完成させるというミッションに取り組んでもらいました。リハーサルから発表まで、候補生のみんなとずっと一緒にいたので、個々人のコミュニケーション能力や集中力、チーム内での協調性、準備をしている最中の気持ちのつくり方、グループで表現する際のオーラの放ち方、存在感などをしっかりと見れた審査でした。「こういう一面もあるんだな」と候補生のみんなのことをより深く知ることができた審査で、私自身もすごく勉強になった時間でした。

——数日間を一緒に過ごすだけでも、見えてくるものがあるのですね。

佐藤:ありますね。会話の仕方もそうですし、スキルのある子は自分の持っているものをどれだけ周囲に分け与えてチームのスキル底上げに貢献できるか、逆に少し後れを取っている子はいかに食らいついていけるのかといったことが見えてきました。みんなの内面がちょっとずつ分かってきた審査だったなと思います。

——今後の審査では、候補生のどのような部分をさらに深掘りしたいですか?

佐藤:今回のオーディションでは、どんな色にも染まれるグループを作るために、本当にいろいろなジャンルの表現に挑戦してもらっているので、個性を持ちつつも、表現の豊かさや幅の広さ、柔軟さは重視したいなと思っています。あとはやっぱり、先ほども少しお話ししたんですけど、人間力と気持ち、想いの強さをしっかり見ていきたいです。

 本当にみんな、夢を追って、自分でいろいろなことを決めながら『ガルバト』に参加してくれていて。そういうしっかりした姿、自分で道を切り拓くために努力する姿を見ていると、涙が止まらなくなってしまうんですよ。でも、泣いているのは私だけじゃなくて、撮影現場のスタッフさんたちも泣きながら進行していることがよくあります。特に4次審査はすごかったです。みんなが夢に向かって、仲間になって支え合っている姿を見て、私も号泣でしたし、カメラマンさんも「もうヤバい……」って泣きながら撮影していたのを覚えています(笑)。大人になるとなかなか味わえない景色が映し出されていると思うので、視聴者の皆さんにも、今後の審査の過程をぜひ楽しみにしていただきたいです。

LDHのガールズグループとして今後叶えたい夢

佐藤晴美

——『ガルバト』を経て結成されたグループをどのように育てていきたいか、考えを聞かせてください。

佐藤:私はプロデューサーという立ち位置ではあるんですけど、グループ活動に対しては、各メンバーの等身大の意見やアイデア、想いを常にくみ取りながら、みんなでグループを作っていきたいなと思っています。言われたことを消化していくだけじゃ、彼女たちの気持ちに限界がきて活動が続かないと思いますし、自分が現役でアーティストとしてステージに立っていた時の感覚を思い出しながら、今の子たちの感覚にも寄り添いつつ、新しいスタイルでグループを育てていけたら。楽曲もビジュアルも、こちらがただ方向性を提示するだけでなく、細かいディスカッションを大切にしながら、みんなから「こういうのをやってみたい」「これがカッコいいと思った」という意見を集めて、自分がリーダーになったような感覚でみんなとパフォーマンスやグループの姿を作っていきたいです。だからこそ、気持ちが通じ合える仲間探しを、このオーディションでしっかりしたいなと思います。

——新たなガールズグループと叶えたい夢は、何かありますか?

佐藤:冒頭にもお伝えした通り、LDHのガールズグループ全体の底上げに貢献できたらというのはすごく思います。新しいグループと、すでにデビューしているグループと、すべてのガールズグループで大きなエンターテインメントをいつかやってみたいですね。それこそ、マネージャーさんと日頃からいろいろな構想を話しているんですよ。LDHのガールズエンターテインメントでしか成し遂げられない、すごく大きな規模の場所にきっと行きつけると信じて、これからも一人ひとりの候補生と向き合っていきたいです。

——LDHの運動会をガールズグループだけで開催するのもおもしろそうですね。

佐藤:たしかに! LDHならではの企画ですよね。玉転がしとかしてもいいのかも。このオーディションでたくさんの方に知っていただくきっかけを作って、そこからLDHのガールズグループを本当に一族のように見ていただけたら嬉しいですし、楽しいことをたくさんできたらいいなと思います。

——E-girls時代の経験も踏まえながら、佐藤さんから新グループのメンバーに伝えられることも多いのではないでしょうか。

佐藤:私が活動していた頃とは時代が違うので、自分の正解が彼女たちの正解ではないかもしれないなとも思います。ただ、スキルの部分で言えば、ステージングやダンスパフォーマンスに関しては伝えられることがあると思うので、新グループのメンバーはもちろん、オーディションの中でも気になったことは常に伝えつつ、個性をどう伸ばして、魅力をどう育てていくのかを考えていきたいですね。

■番組情報
『ガルバト -GIRLS BATTLE AUDITION-』
放送日:毎週土曜日 14:30〜15:00 日本テレビにて放送

初回:8 月 23 日14:30〜15:00
見逃し配信:TVer/Hulu/日テレ無料 にて番組放送後 毎週土曜 15:00〜配信開始
製作著作:ガルバト製作委員会
番組公式ホームページ: https://www.ntv.co.jp/GIRLS-BATTLE-AUDITION/
公式 X(旧 Twitter): https://x.com/ldh_girlsbattle?s=21
公式 instagram:https://www.instagram.com/ldh_girlsbattle?igsh=MTl0YnBwempueWVvbQ%3D%3D&utm_source=qr
公式 TikTok: https://www.tiktok.com/@ldh_girlsbattle?_t=ZS%208yJOXlPmDUV&_r=1

【配信概要】
本編では収まりきらなかった候補者たちの努力の軌跡や、プロデューサー佐藤晴美の 赤裸々な想いなど、Hulu 独占の未公開ドキュメントシーンを収録した Hulu 特別版を 地上波放送後、毎週土曜 15:00 から配信。 ガルバトをより深く、そして熱く応援していただけます!
※Hulu 特別版の一部映像を、LDH 公式 YouTube でもお楽しみいただけます。

『ガルバト -GIRLS BATTLE AUDITION-』Hulu 特別版
配信日時:8月23日地上波放送後から Hulu 独占配信開始 毎週土曜 15:00 最新エピソード更新
配信ページ:https://www.hulu.jp/girls-battle-audition

■『ガルバト -GIRLS BATTLE AUDITION-』YouTube 版
配信日時: 毎週日曜正午 最新エピソード更新
LDH公式Youtube:https://www.youtube.com/@LDHJAPAN

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