佐藤晴美、なぜ今オーディション番組をプロデュース? “LDHのガールズグループ”として叶えたい夢

佐藤晴美、なぜ『ガルバト』プロデュース?

 LDHの新たなガールズグループ誕生を目指すオーディション番組『ガルバト -GIRLS BATTLE AUDITION-』(日本テレビ)が8月23日よりスタートした。8月末にGirls²を卒業した原田都愛やiScreamのHINATAとYUNA、HANAを輩出した『No No Girls』の参加者、『iCON Z〜Dreams For Children〜』の参加者など、一芸に秀でた実力者が多数参加している同オーディション。オーディション未経験者の中にもきらりと光る原石を持ったメンバーがおり、誰が合格を手にしてもおかしくない、審査の行方から目が離せない番組となっている。

 そんなオーディションと新グループのプロデューサーを務めるのは、E-girlsでダンスパフォーマンスを牽引していた佐藤晴美だ。現在も芸能界の第一線で活躍する佐藤はなぜ、今このタイミングでガールズグループのプロデュースを決意し、どのようなグループを作りたいと考えているのだろうか。今まさに選考を進めている最中の佐藤にインタビューを実施し、彼女の中に熱く秘められていた想いや考え、今後の構想をたっぷりと語ってもらった。(市岡光子)

佐藤晴美はなぜいま、オーディションを開催するのか

【#01】新ガールズオーディション開幕…あの有名オーディション出身者も参戦!|GIRLS BATTLE AUDITION(ガルバト) #ガルバト #LDH

——8月23日より放送がスタートした、LDHの新ガールズグループオーディション『ガルバト -GIRLS BATTLE AUDITION-』。改めて、どのようなコンセプトで開催するオーディションなのでしょうか。

佐藤晴美(以下、佐藤):「このオーディションでは、LDHがこれまで大切にしてきた魂や哲学、スタイルを継承しながら、女性の華やかさを掛け合わせたガールズグループを作りたいと考えています。

 EXILEから 始まってどのグループも、自分たちが大切にしているものを下の世代に受け継ぎながら夢を繋いできました。そして、アーティストたちがファンの皆さんと共に、世代を超えた1つの集団として大きなステージを作り上げてきました。それがLDHならではのエンターテインメントのスタイルだと思うのですが、そうした文化を、今回のオーディションをきっかけにガールズでも繋いでいきたいんです。LDHのガールズグループが世代を超えて夢を繋いでいく。その輪をさらに大きくすることをテーマに、オーディションを開催しています。

——佐藤さんは現役のアーティストとしても、現在もいろいろなお仕事をされています。なぜ今このタイミングでオーディションの開催とガールズグループのプロデュースを決意したのか、理由や背景を伺いたいです。

佐藤:「今しかない」って思ったんですよね。もっと早くても違ったし、もっと遅かったら、きっとこういうことはできなかったです。E-girlsを卒業した直後、自分の気持ちをうまく整理できなかった期間があって。自分たちで決めたことなのに、心に穴が空いてしまった理由を俯瞰して考えることができていませんでした。でも、何年か経って振り返ったとき、自分たちがいた場所の魅力や素晴らしさに気づけたんですね。後悔も希望もどちらもある自分の活動経験を、今の若い女の子たちの感性や魅力とマッチさせることができたら、新しいガールズエンターテインメントが作れるんじゃないかと、卒業から時間が経ってようやく想像できたんです。いろいろな経験を積んで、物事をより広く見ることができるようになった時、「今ならガールズグループのプロデュースができるかもしれない」と思えたので、一歩を踏み出しました。

佐藤晴美

——『ガルバト』を通じて作りたいグループ像をお聞きしたいです。

佐藤:“Made in Japan”のガールズグループを目指したいなと思っていて、日本から発信するガールズパワーを大事にしたグループにしたいです。日本の女の子たちが夢を持てるようなプロジェクトにできたらと思います。

 『ガルバト』を経て結成する新しいグループには、やっぱりLDHが代々積み上げてきたスタイルや哲学をしっかり取り入れていきたい。だから、J-POPサウンドを軸に楽曲を作っていくつもりです。バラードで歌やダンスを通じて表現することも大切にしたいと思っていて、バラード曲を通じて、日本語の美しさや情緒ある切なさ、人間の感情などを細やかに描けるような表現力豊かなグループにできたらと思います。そういう構想があるので、『ガルバト』の課題曲はあえてJ-POPを主軸に選定したり、制作したりしています。

 あとは、LDHの柱でもある“ダンスパフォーマンスへの熱量”も、ダンスパフォーマンスがすごいガールズグループ”として、そのプライドや想いを今一度、今回輩出するグループで表現できたらと思っています。

——グループのメンバー数はどうなるのでしょうか?

佐藤:それはまだ未定です。このプロジェクトが走り出した最初の頃は、自分の中でメンバーの人数を決めていたんですけど、実際に候補生のみんなの姿を見ていくうちに、「あれ? 意外に人数が多いほうがグループとしておもしろいのかな?」とか「人数を絞ったほうがいいのかな」とか、いろいろ思うことがでてきたので、最終的に何名を合格者とするかは、オーディションの最終選考を終えてから決めたいなと今は思っています。候補生のみんなの頑張りにしっかりと向き合って、最後まで迷って、最終的な形を決められれば。

 オーディションって、ライブ感が本当にすごいものなんです。想像と全然違いました。候補生の子たちが、たった1日で大きく成長してくるんです。みんな1日1日で表情がコロコロ変わったり、持っているものがどんどん出てくるのです。

——第1話の冒頭でHIROさんと対談された際、佐藤さんの中に「E-girlsの活動に対して心残りがあった」と、オーディション開催のきっかけを話されていました。その心残りとは、どんなものだったのでしょう?

佐藤:E-girlsは2020年に全員卒業という形で幕を閉じたのですが、グループの活動を終える際、コロナ禍の影響もあって、下の世代に直接LDHとして叶えたい夢や憧れ、魂をしっかりとバトンタッチできなかったのが心残りでした。E-girlsはEXILEの皆さんやHIROさんから直接、言葉や背中で“LDHイズム”を教わってきたからこそ、もしもあの時、下の世代のガールズグループを巻き込んで同じステージに立つことができていたら、もっとLDHならではの魂や大切にしたいことを伝えられたんじゃないかと思って。

 この想いを2024年7月頃にHIROさんに直接お話ししたんですけど、今のLDHのガールズグループに対する想いや考えが一致していることが分かりました。なので、女の子たちのエンターテインメントを盛り上げるためにも、既存のグループが活動を頑張るのはもちろん、新しい仲間を迎え入れて、ガールズグループ全体で勢いをつけていこうと、『ガルバト』の開催が決定した形です。

——第1話でHIROさんもおっしゃられていた通り、『ガルバト』は今、LDHの中で一大プロジェクトになっている印象を受けます。そのことについて、佐藤さんはどう捉えていますか?

佐藤:やっぱり身が引き締まります。グループは私一人でできるものではなくて、メンバー一人ひとりの人生が掛け合わさったときに初めてエンターテインメントとして成立していくものなので、候補生の気持ちやビジョンとしっかり向き合っていかなければいけないなと思います。その中で、自分の気持ちをしっかりと伝えつつ、LDHイズムをみんなに伝えていきたいです。

 自分が経験してきたこと、感じてきたことをしっかりと活かして、次世代のグループをみんなで作っていけたらいいなと思っています。

——LDHとしてかなり力を入れているプロジェクトだからこそ、『ガルバト』には様々な意見が寄せられているかと思います。視聴者から寄せられる声については、どのように考えていますか?

佐藤:応援してくださるファンの方がいてこそのアーティストなので、いろいろな声が届いて当たり前だなと思います。私も皆さんの声を見ていますが、すごく勉強になる意見もたくさんあって。これまでは自分の仕事の範囲内でしか事務所のことを見らていなかったのですが、オーディションを通じて、会社のことやエンタメ業界のことをより深く知ることができました。ファンの皆さんが感じているであろう課題、私自身が捉えた課題、それらはしっかり今後に活かしていかなければいけないなと素直に思っています。いろいろな声をいただくたびに、LDHのガールズグループがさらに羽ばたいていけるように全力でバックアップしないといけないなと、覚悟や責任感が強まってきています。きっとみんなが応援してくれると信じて、まずは目の前の道を進んで、頑張らないといけないなと思っています。

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