リアルピース「僕らは“日本一”になりたい」 アーティストとしての覚醒と現在地、老若男女から愛される理由

リアルピース、5人それぞれが目指す“日本一”

――それぞれ成長してきた5年だった、と。そもそもなのですが、YouTubeとTikTokという場所を選んだのはなぜだったのでしょうか。
かずぅ:テレビなどのオールドメディアって、どうしてもコネクションが大きかったりするじゃないですか。それはもう日本の通例としてあって。でもYouTubeはアメリカ、TikTokは中国の企業なんですよね。もちろん日本支社はあるのですが、日本支社がアルゴリズムをいじれないんじゃないかって思ったんです。たとえば、「おすすめ」を日本が勝手にいじれたらまずいことになりますよね。現にいじれたら一般人がYouTubeとTikTokで有名になっていないと思うんです。それなら僕らでも実力さえあれば戦える媒体なのかなと思って、YouTubeとTikTokを選びました。
こーた:そこからグループの方向性を決めていって。
かずぅ:そう。僕らは“日本一”になりたいんです。でも、それぞれ「なぜ日本一になりたいか」が違っていて。僕だったら、自分の考え方を世の中に発信したいから。
こーた:僕はより多くの人を笑顔にしたいから。
かちょー:僕は和が好きなので、自分も歴史の教科書に載るような人間になりたいから。日本一になれば、可能性があるのかなって。
なお:僕は、自分の音楽で日本中の人の心を揺さぶって感動させたい。それと、僕の音楽の先生に恩返しをする意味もあります。
こぺ:こぺはかわいいお洋服を着て、大きなお城に住んで、大好きなお酒をいっぱい飲みたい!
かずぅ:というふうに、それぞれの考えがあるんです。それを実現するために日本一になれるような企画や動画をやっていこうという話になりました。

――そういった軸で数多くの動画を発信されている皆さんですが、企画や撮影、編集などすべてご自身たちで行われています。それらを行ううえでグループの良さを伝えるために気をつけていることはあるのでしょうか。
かちょー:僕はYouTubeの編集を担当しているのですが、それぞれのキャラクターを見せることは意識しています。たとえば、企画をやったとして、それを切り取るだけじゃなくて掛け合いや行動にもクローズアップしています。
こーた:俺は違う。
全員:違うの!?
かずぅ:こーたはいつもかちょーに噛みつくなあ(笑)。
こーた:そんなの大前提ですから。
かちょー:その大前提以上のものを聞かせてもらおうか!
こーた:僕らの動画は小さい子どもたちがよく観てくれているので、同時にそのお母さんも観てくれるんです。つまり、仕事をしていたり、子どもを寝かしつけていたり、音を出せない環境で観てくれている人も多いんですよね。なので、僕はテロップをめちゃくちゃ入れます。(ドヤ顔でかちょーを見ながら)どんな状況でも楽しんでもらいたいんですよね。
かちょー:それも大前提だよね! そのうえで気をつけることを言ったの!
こーた・かちょー:……編集担当からは以上です!
――息ぴったりですね(笑)。ありがとうございます。

かずぅ:僕はありのままで個性を見せること、かな。取り繕っても嘘になってしまうので、なるべくそのままの自分でいるようにして。メンバー同士もタメ口、呼び捨てにしていて、メンバー間でも言いたいことを言えるようにしていますね。
なお:僕が編集を担当するのは、MVや“歌ってみた”動画なのですが、MVは自分たちの曲を歌っているので、やりたいことができるんです。でも“歌ってみた”は本家のアーティストさんがいるわけじゃないですか。本家のサビは本家のダンスなどを取り入れさせていただくのですが、Aメロ、Bメロはリアルピースの個性を出したいなと思って作っています。たとえば、こぺだったらかわいい女の子に変身させたり、こーただったら面白いおじさんに変身させたり。本家を汚さず、僕らのよさも活かすことを意識しています。
こぺ:こぺはメンバーカラー。リアルピースはメンバーカラーにすごくこだわっているので、とにかくメンバーカラーを入れて、シンプルにして、子どもから大人まで、頭を使わなくても楽しめることを意識している気がします。
――色にこだわっているからこそ、ファンの方以外への広がりもスムーズですよね。
こぺ:本当にそうなんです。よく「リアルピースの緑」って言われます(笑)。名前がわからなくても緑というのが伝わっているから、検索してくれる方も多いですし、覚えてもらうことができていると思います。
――それぞれのこだわりが、リアルピースの広がりに繋がっているのですね。では、音楽活動についても質問させてください。2021年4月のデビューライブを今振り返るといかがでしたか?
かずぅ:めっちゃみんな緊張していて、震えていました(笑)。
なお:デビューライブに賭けていたところがあって、毎日練習していたからね。本番前にみんなとハグをして、みんなで泣いてしまって。デビューライブなのに解散ライブみたいになっていました(笑)。でも、それくらい気合いが入っていましたし、とにかく緊張しました。

こーた:でもデビューライブの3日前に、僕、飛んでいるんですけどね。
全員:そうだった(笑)!
かずぅ:当時はSNSがうまくいっていなかったので、毎日看板を持ってチラシを配っていたんです。こーたはチラシを受け取ってもらえないことにダメージを受けて、凹んでしまって。「そんなに嫌だったら配らなくていいよ。俺が配るから看板持って立っていて」と伝えたんです。で、こーたは顔を黄色に塗って、全身タイツで星の被り物をして看板を持っていて。でも、看板を持ちながら不貞腐れているんですよ。
かちょー:そう! 超陽気な格好をしたヤツがめちゃくちゃ不貞腐れてた(笑)。
かずぅ:ある意味こっちは優しさから看板持ちをお願いしていたのに、「はあ……だるっ」という感じでやっていたから、怒ったんです。「みんな一生懸命やっていて、しかもこーたはチラシを配れないっていうから看板持ちでいいよと言ったのに、なんでそんな状態になってるの!?」って。そうしたらこーたもキレて、めっちゃ喧嘩になって。星の格好のまま帰っていきました(笑)。
なお:見た目はめちゃめちゃおもしろいのに、ガチ喧嘩してるんです。
かずぅ:それから連絡がつかなくなって、本当に飛んだんです! こーたが来なかったらもう4人でやろうとメンバーに伝えて、当日の朝を迎えたら……。
こーた:しれっと登場しました! で、しれっとみんなとハグして、しれっとデビューライブをしました。“しれっとデビュー”です!
かずぅ:しれっと言うな(笑)!
こーた:あの頃はやったことないことばかりをしていたんですよね。真面目に何かをやったこともないし、何かに打ち込んだこともないし、時間をかけたこともないし。すべてにおいて初めてだったので、それが苦しくて。
かずぅ:苦しんでたよねえ。コロナ禍だったし、結成してからデビューライブまでも時間がかかってしまったので、みんなそれぞれ苦しかったと思います。



















