INIはなぜ“フェスに強い”グループになったのか? 曲の強さとMINIとの相互関係に注目

 INIが、9月21日に千葉市蘇我スポーツ公園で行われる『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025』に出演する。

 2025年、INIは『KCON 2025 JAPAN』、『音道楽EXPO』、『2025 Show! 音楽中心 in JAPAN』、『大阪・関西万博開催記念 Survive FES』、『Song for Children!24時間テレビチャリティーライブ』、『SUMMER SONIC 2025』といったイベント/フェスに出演。さらに今後は、グループとして『Lemino MUSIC FES』、『LIVE AZUMA 2025』、『テレビ朝日ドリームフェスティバル2025』への出演を控えている。

 11月3日でデビュー4周年を迎えるINI。6月25日にリリースされた3rdアルバム『THE ORIGIN』では、初週で40.1万枚を売り上げ自己最高を記録(※1)し、9月13日~15日にはバンテリンドーム ナゴヤでの単独公演『2025 INI LIVE [XQUARE - MASTERPIECE]』を開催した。デビュー以降、年々パワーアップを続ける彼らは、単独公演はもちろんのこと、フェスでのパフォーマンス力も高い。INIがフェス/イベントに求められるのは、なぜなのだろうか。

INI | 'HERO' @ WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2022

 INIには、エネルギーを爆発させるような楽曲が多くあり、初めてINIを観る、もしくは初めて楽曲を聴いたというような観客でも、自然と体でリズムを取りたくなるはずだ。代表的な楽曲として「HERO」を挙げたい。「HERO」は、WANIMAが提供したバンドサウンドの楽曲。「仲間と茨の道を歩みながら全てを賭けて自分の道を信じていく」というメッセージが込められており、メンバーの魂の叫びのような力強い歌声が心を震わせる。フェスではタオルを振り回し、メンバーと観客の一体感を生み出す楽曲として親しまれている。

INI|'Party Goes On' Practice Video

 そんな「HERO」に加え、2025年のフェスでは「Party Goes On」と「Pineapple Juice」をパフォーマンス。『王様のブランチ』(TBS系)のテーマソングである「Party Goes On」は、サビで繰り返される〈Paty〉というフレーズを思わず口ずさみたくなるキャッチーな楽曲。「Pineapple Juice」はグルーヴ感に溢れたサマーソングで、ライブのセットリストではアクセントとして働く。限られた時間のなかでさまざまな面が楽しめるのも、INIのフェスパフォーマンスの醍醐味だろう。

INI|'WMDA(Where My Drums At)' Performance Video

 また、INIのパフォーマンスは、“飽きさせない”のも特徴のひとつ。迫力のあるシンクロダンス、個性が光るラップパート、美しいハーモニーが奏でられるボーカルと、1曲の中でさまざまな場面に展開していく。例えば、昨年10月にリリースされた「WMDA(Where My Drums At)」は、仰向けになった田島将吾がメンバーの足に支えられて浮き上がるというインパクトの強い振り付けから楽曲がスタートする。序盤はラップパートが続き、中盤では透明感のある歌唱パートへ移行。勢いをそのままに、11人のダンスがシンクロするサビへと入っていく。まるで一本の映画を観ているかのようなストーリー性のあるそのパフォーマンスが、初めてINIを観た者の心をがっちり掴む。

INI|'FANFARE' from ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024

 そして、INIのフェスで忘れてはならないのが、MINI(INIファンの呼称)の声援だ。メンバーもたびたびステージで「イヤモニを飛び越えてMINIの声が聞こえる」と語るほど、その声援はとても大きい。YouTubeで公開されている『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』での「FANFARE」のパフォーマンスを観ると、いかに声援が大きいのかがわかる。フェスはファン以外も多く集まる場所。それでもINIのステージになると、単独ライブ会場と勘違いしてしまうほど、序盤からMINIのコールが響くのだ。曲が後半になるにつれてMINIの声援はどんどん大きくなり、INIのボルテージも上昇。最後には、会場全体をも巻き込むような盛り上がりを見せ、一緒に駆け抜けた達成感さえ生まれる。MINIの積極的なコールが会場を温め、ステージの盛り上がりに繋がっているのかもしれない。

 限られた時間のなかで圧巻のステージを作り上げるINIは、フェス/イベントの熱さにも負けないパワーがある。そこにMINIの声援が加わることで、さらに強い輝きを放っているように感じる。一方通行にならないパフォーマンスこそ、INIがフェス/イベントに強い理由なのだと思う。空の下で風を感じながら、どこまでもINIの歌声を響かせていってほしい。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2393315/full/

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