後藤真希、Negicco、東京女子流……『TOKYO IDOL FESTIVAL』時を超えてつながる、リスペクトの輪

 今年15周年を迎えた『TOKYO IDOL FESTIVAL』(以下、『TIF』)。アイドル界の殿堂と最新鋭が、真夏のお台場に集結。『TIF』の歴史はアイドルの歴史、そして私のアイドル愛好人生の一部でもあります。個人的思い出を重ねて振り返り、新しいときめきにも出会えた熱き3日間を描きました。

平井美葉(BEYOOOOONDS)

平井美葉(BEYOOOOONDS)

 初めて観たステージ上でのきらめきがすごすぎて完全に恋した、平井美葉さん。涼やかなビジュアルなのに、踊り出すとキレが良すぎてステージ上に火が起こりそう。MCではホンワカかわいい親戚の子供のようでも、曲(特にソロダンスパート)が始まった瞬間、凄腕スナイパーのような目つきで全員仕留めに来る。

 見た目は14歳の少年だけれど数百年の時を生きてきた『ポーの一族』のエドガー・ポーツネルのような、人間離れしたイノセンス。生で観て初めて気づけた、萩尾望都先生ワールドから抜け出してきたような耽美性。かわいさとカッコよさ・躍動と静謐・硬質と柔軟・冷静と情熱、相対する筈のものが矛盾なく同居している存在。角度によって輝き方を変える多面体には、どうしたって惹きつけられる。

 その後、オーディション映像やダンス動画やインスタなど彼女に関するこれまでの豊富な記録を遡って想いを募らせている、夏。

後藤真希:デビュー25周年♡レジェンドコラボステージ

後藤真希

 「ゴマキが、【愛のバカやろう】を、歌いました……2025年。」(この日私が同世代女友達に送ったLINE)

 後藤真希さんに憧れリスペクトする若い世代のアイドルたちと共演の「そうだ!We’re ALIVE」、「LOVEマシーン」(ともに原曲:モーニング娘。)。コラボ・ソロ・トークと出ずっぱりでも全く息の上がっていない余裕の貫禄を見せていた彼女。15名の共演アイドルたちの中で最もセクシーな衣装、揺れるポニーテール、肩から手先と腰のラインの流れは、ひらひら舞う蝶々をどうしても目が追ってしまうように本能的に惹きつけられる美。

 共演アイドルの1人、望月みゆさん(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI)は後藤真希FC会員でもあるガチヲタで、至近距離ご本尊に震えながら「私はこんな所に居てはいけない、お金を払わせてください……!」と懇願していた。

 25年前『ASAYAN』(テレビ東京)のモーニング娘。オーディションを固唾を呑んで見守り、雑誌や映像を通して魅せられてきた唯一無二の輝きが、いま同じ空間に実在してる……!

 後藤真希さんがデビューしてから四半世紀、メディアのかたちは目まぐるしく変わり続けたけれど、あの瞳は変わらず輝き続けて、私自身もずっとアイドルを見つめ続けてきた。彼女の25年と自分のアイドル愛好家人生を重ねて、噛み締めた。

め~ぴよ/femme fatale

め~ぴよ (左) 8/2、femme fatale (右)

■め~ぴよ(左)

 黒宮れいさん(左-左)と金子理江さん(左-右)のユニット・REIRIEの事務所の後輩新人……に扮した、れい&りえのサブユニット。REIRIEの強強ムードと真逆で、歌もダンスも衣装も“カワイイ”に全フリのキャラクター。オーディションブームとキラキラかわいいアイドル全盛の世間に中指立てた企画に思えて痛快だった。大げさなウィッグ、「ピヨ」しか喋れない設定、過剰なレースとフリルとリボン、どんなにつくりごと(フェイク)で塗り固められていても、2人の絆だけは、隠しきれない本物。

■femme fatale (右)

 戦慄かなのさん(右-上)&頓知気さきなさん(右-下)実姉妹による【運命の女】を冠したセルフプロデュースユニット。可愛さは宿命。登場と同時に女性ファンの黄色い歓声が沸き起こった。

 自分たちの“カワイイ”を徹底的に突き詰めて、ついに『TOKYO IDOL FESTIVAL 2025』のメインステージに出演。曇り空と小雨で日中の暑さが少し抑えられた奇跡的な時間、「私が楽しみにすると必ず雨降る超雨女だから、『TIF』へのモチベ下げて丁度いい天気にしといたよ!」と、かなのさん。さきなさんは清竜人25のメンバー 清さきなとしてもHOT STAGEへ出演。2日連続2ユニットでメインステージに出演するパワー、その野菊のように可憐な見た目に反して体力的にも精神的にもどっしり強い。

 TikTokバズ曲「だいしきゅーだいしゅき」で始まり、まさか聴けると思わなかった初期曲「バタフライ」でブチ上がり、そしてかなのさんが「私たちはコールとか入れるような曲はあんまりないけど、体感気温がマイナス5度くらいに感じる曲になっていますので……」と語り、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)作曲の「鼓動」をラストに披露。『EIGHT JAM』令和の最新アイドル特集・4月13日放送回で槙田紗子さんがピックアップした、ヴォーギング×阿修羅像のような唯一無二のダンスを生で観ることができて、心頭滅却マイナス5度体験。

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