BTS、TOMORROW X TOGETHERに続く新たなボーイグループ誕生! CORTIS、想像を遥かに超える可能性

CORTIS、想像を遥かに超える可能性

 BTSやTOMORROW X TOGETHERが所属するBIGHIT MUSICから6年ぶりにボーイグループがデビューした。

 その名は、CORTIS(コルティス)――。CORTISというグループ名は、“COLOR OUTSIDE THE LINES”=“線の外に色を塗る”という文字から不規則に6つのアルファベットを抽出して作られたもので、「世界が定めた基準やルールから外れ、自由に考える」という意味が込められている。まだ全員が10代ながら、楽曲制作、振付、映像制作まで自分たちで手がける――“ヤングクリエイタークルー”の誕生である。

 そのCORTISが、8月18日のデビューに際して韓国にてメディア向けデビューショーケースを開催した。

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 リーダーのMARTIN(マーティン)は、TOMORROW X TOGETHER「Deja Vu」「Beautiful Strangers」、ENHYPEN「Outside」、LE SSERAFIM「Pierrot」、ILLIT「Magnetic」などの楽曲のクレジットに名前を刻んでいるメンバーだ。「ようやくCORTISとしてここに立つことができて光栄です」と顔を綻ばせた。子役、モデル出身として知られていたJUHOON(ジュフン)は、時にチームの意見を調整するブレーンとして、音楽、映像、振付など幅広い範囲で大活躍のメンバー。「僕たちの音楽を(みなさんが)どう聴いてくださるのか期待でいっぱいです」と話す。

MARTIN (P)&(C) BIGHIT MUSIC

MARTIN (P)&(C) BIGHIT MUSIC
MARTIN

 KEONHO(ゴンホ)は、デビュー前からビジュアルが話題となっていた2009年生まれの末っ子。「ダンス、映像、音楽、僕たちの色を乗せてお見せしたいと思います」と、“ヤングクリエイタークルー”らしい意気込みを見せる。同じく末っ子のSEONGHYEON(ソンヒョン)は、プロデュース力、ビジュアル、パフォーマンスともに優秀なオールラウンダー。これまで100曲以上を手掛けたという実力者だが、「夢が叶ったという実感が湧いてきます」と話す姿はまだ初々しい。しかし、早くも新たなステージへの確かな感覚を掴んでいたようだった。

 最年長メンバーのJAMES(ジェームス)は、英語、中国語、タイ語、韓国語、日本語を話すマルチリンガル。「HYBEの先輩の曲と制作に参加しましたが、今日CORTISとして立つことができて嬉しいです」と話す通り、MARTIN同様、過去にTOMORROW X TOGETHERやILLITの楽曲制作に参加している。グループ内でも音楽、振り付け、映像作業を引っ張る“アイディアバンク”だ。

JAMES (P)&(C) BIGHIT MUSIC

JAMES (P)&(C) BIGHIT MUSIC
JAMES

 この日1曲目に披露されたのは、デビュー作となる1st EP『COLOR OUTSIDE THE LINES』のタイトル曲「What You Want」。「ほしいものを躊躇せずに手に入れる」という想いを込めた楽曲である。サウンド、リリック、そして感情を叫ぶようなパフォーマンスはすでにグローバル規格で、世界を見据えてデビューの準備をしてきたことが伝わってきた。MVでは、パステルカラーの色違いの衣装を着た5人がトレッドミル(最初は5台だったが段々スケールが大きくなり、最終的には35台に増えていく)を用い、砂漠のなかで踊る姿が印象的だ。これに関連し、普段から筋力トレーニングをしているJAMESは、今回MVでトレッドミルを用いることとなったため、トレーニングがMV撮影の練習にもなったという“一石二鳥”のエピソードを語った。

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 デビューアルバムの完成までには300曲を超える候補があったというが、SEONGHYEONは、「What You Want」の原型を初めて聴き、サイケデリックさを意識しながら作品として完成させた時に、「この曲こそ僕たちのものだ」と思ったと話す。KEONHOによれば、アメリカ・ロサンゼルスで作業を行った楽曲の制作作業は予想以上の時間がかかり、完成まで実に3カ月を要したという。しかし、デモ曲をMARTINとSEONGHYEONが歌った時には「完成版だね」とプロデューサーに言われるほど、最初から高いクオリティを担保していたそうだ。

JUHOON (P)&(C) BIGHIT MUSIC

JUHOON (P)&(C) BIGHIT MUSIC
JUHOON

 MARTINはMVについては、制作会議から参加し、メンバーのアイデアがたくさん込められていると言及。「今作はありのままの僕たちを見せるために一生懸命作った作品」「新人にもかかわらず、権限をいただけていることに感謝している」と話すJUHOONによれば、1時間以上を要する会議に毎回欠かさず参加していたというのだから驚きだ。

 映像面では、JAMESから新たなエピソードが。練習生の頃に企画して撮ったという映像をスタッフに見せたところ、「これを活かして、アメリカやニュージーランドの大きな規模でMVを撮ってみては?」と提案されたそうだ。それほどまでにメンバーが制作に参加しているのを聞くと、“プロデュースされる”という従来のK-POPアーティストとは一線を画したチームであることがわかる。

SEONGHYEON (P)&(C) BIGHIT MUSIC

SEONGHYEON (P)&(C) BIGHIT MUSIC
SEONGHYEON

 「目標や成し遂げたいこと」についてJUHOONは、「まずは僕たちを大衆に知っていただくのが最優先」としたうえで、「将来的には、先輩たちのようにしっかりとしたカラーや『CORTISといえばこれだ!』というイメージを持ちたい」と口にする。KEONHOは、「大衆の皆さんに近づいていきたい。そして、“音楽を愛する人たち”として記憶されたい」と想像を膨らませているようだった。

 「先輩への楽曲提供と自分たちの曲を作るのとでは、実際どのように異なるのか?」という質問には、TOMORROW X TOGETHERやILLITの楽曲制作に参加した経験を持つJAMESとMARTINが回答。JAMESは、「(先輩たちの楽曲では)少しでも役に立てるように努力をしてきた」と話し、「僕たちの曲を作業する際には『より神聖性のある言葉として表現したい』『率直な姿を見せたい』と悩んだ記憶があります」とコメント。MARTINは、「先輩たちの曲に参加できるというのは逃せないチャンスだと思い取り組んだ」「CORTISの曲においては、自分たちの率直さ、ラフでローな姿をそのまま込めた」として、より個性を強めたことを明かした。また、ヒットメーカーとしてすでに実力者とも言えるふたりが歌手デビューという決断をしたのには、幼い頃から夢が後押し。もはや、彼らにとって表舞台に立つことと裏方として制作に携わることに境目はないのだと感じられる。

KEONHO (P)&(C) BIGHIT MUSIC

KEONHO (P)&(C) BIGHIT MUSIC
KEONHO

 KEONHOはさまざまな材料や具をバランスよくひとつに合わせて、よい作品を作るCORTISを「ビビンバのようなグループ」と表す。MARTINは自らの役割を「チームリーダーとして作業面で率いていく」と定義したうえで、「とにかくたくさん作業しているので、今後もいい作品をお届けしたい」と意気込んだ。また、「個人的にチャート入りもすごく嬉しいが、この曲の『ほしいものを躊躇せずに手に入れる』というメッセージが聴く人に届けば」と願いを込めていた。

 SEONGHYEONはTOMORROW X TOGETHERから、舞台ごとに表現を差別化すること、表情を変えることなど、ディテールへのフィードバックをもらったそうだ。MARTINは、BTSのJ-HOPEから「いつも享受することに感謝しながら、それを当たり前と思わずに頑張ってほしい」という言葉をかけてもらったと教えてくれた。

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 最後に、世のなかをCORTISの色に染める船出のような楽曲であり、「1年以上練習しても飽きることがない」とメンバーが語る、デビューアルバムのイントロ曲「GO!」をパフォーマンスして、メンバーたちは舞台をあとにした。

 彼らは自分たちの姿や音楽性を表すワードとして、口々に「ありのまま」「率直さ」「自由」という言葉を選んでいた。ある種の“真実”が求められるこの時代に、飾らず等身大の姿で、自らの言葉を音楽に乗せて発信できる力を備えた新人グループがデビューすることは、“共感を呼ぶ”という面でも非常に大きな意味を持つのではないだろうか。

 ここからついに始まる“ヤングクリエイタークルー旋風”が世界をどう揺らしていくのか、我々の想像を遥かに超えてくるであろう彼らの可能性から目が離せない。

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

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