トゲナシトゲアリ、迫り来る運命の日! Fear, and Loathing in Las Vegasから学んだ、日本武道館ライブへの心得

長くバンドを続けていきたい……それが私の新しい目標(理名)

ーー前回、リアルサウンドで夕莉さんと朱李さんにインタビューした際(※1)には武道館までまだ時間の余裕がありましたが、気付けば(この取材時点で)本番まで2カ月を切りました。
朱李:そうやって数字で示されるとやっぱり焦りますね(苦笑)。武道館までのスケジュールを数えていくと、当たり前のように(本番までの)日数が減っていることに気付きますし、「ここから2カ月でどれぐらい仕上げられるのかな」とか、「どれだけお客さんを楽しませられるのかな」と、お風呂に入っているときもすごく考え込んでしまうんです。
夕莉:武道館はアニメの中のトゲトゲにとっても、そして現実の私たちにとっても夢の舞台なので、「ファンの方の期待に応えられるのか」ということに対しては不安を抱えています。ワンマンライブでは今まででいちばん大きな会場なので、初めてトゲトゲのライブを観る方も多いと思うんです。なので、”夢の舞台を叶えたあとの私たちの活動も応援したくなるようなライブにしなくてはいけない”という、そんなプレッシャーも少なからずあります。そういった焦りもあってか、最近は家でもトゲトゲの楽曲を練習してみたり、コーラスパートを練習してみたりと、今までとは違った意気込みも湧いてきています。
理名:私は2人と違って、先のことを考えずに目の前のことに集中するタイプなので、今の時点では武道館に対してプレッシャーや不安はあまりないんですけど、やっぱり武道館への準備が進んでいくにつれて日に日に実感が増してきていますし、ファンの皆さんの期待や楽しみな気持ちもどんどん高まっていると思うので、しっかりその期待に応えられるように、「頑張らないと!」って思いながら日々ゲームをしたりしています(笑)。

ーーゲームですか(笑)。それはもしかして、ある種の現実逃避では?
理名:……はい、おっしゃる通りです!(笑) 自分では気付いていないだけで、実は心のどこかでは少し重圧を感じているから、そうやってゲームをしているところもあるのかもしれません。
ーーどのアーティストにとっても初武道館公演はひとつの集大成であり、それと同時に、さらに大きな夢を実現させる過程における通過点でもあると思うんです。
理名:そうですね。夢を達成させることはすごく大きなことですけど、そこで燃え尽きてしまってはダメですし。『ガールズバンドクライ』としては、そのあとに映画の公開も控えているので、次のステップに繋げられるような一日にしたいです。
ーーここから少し話題を変えまして、前回のインタビューで夕莉さんと朱李さんに伺ったことを、今回は理名さんにも伺ってみたいと思います。トゲトゲとして初めてのステージを踏んでから約2年になりますが、この期間でのバンドやメンバーのステージ上での成長を、理名さんはどのように感じていますか?
理名:この2年間、ほぼ毎日一緒に過ごしてきたことで、メンバー同士の仲や絆も深まりましたし、なによりライブ慣れしてきた結果、純粋にライブを楽しめていることを2人の表情から感じる瞬間が多くて。最近はライブ中に目が合った瞬間、ニコッと笑ってくれる機会も増えました。最初の頃は緊張でそれどころじゃなくて、ライブ前に楽屋裏で走り回っていた朱李も最近は本当に落ち着いてきたしね。
朱李:えーっ、それいつの話? 最初の公開練習ライブのときだけじゃない(苦笑)?
理名:そうかなあ(笑)? まあ、それくらい成長したということです。もちろん技術面でもちゃんと成長してきていると思いますし、実際にファンの方からも「うまくなったね」と声をかけていただく機会も増えました。家族のように見守ってくださり、客観的に褒めてくださる方がいることで、バンドの成長をより確かなものとして受け取ることができるようにもなりました。自分たちがバンド練習やレコーディングなどで頑張ってきたことが、ちゃんと実力に繋がってきているのことも最近はひしひしと感じています。
ーー具体的に、どういった点が成長していると感じますか。
理名:例えば、新曲をいただいてから「ここ難しいね」と2人が話し合って、一所懸命練習をしている姿をたくさん目にしてきましたけど、最初の頃は苦しい顔をしながら難しいフレーズを弾いていたのに、最近は表情を変えることなく、カッコよくキメてプレイしていて。そういう姿を見ると、「私ももっと頑張らないといけないな」っていう気持ちになるんです。メンバーは家族みたいな存在だけど、それと同時にお互いを高め合える刺激にもなっていると、関係が深まるにつれてより強く感じるようになりました。

ーー前回のインタビューで、夕莉さんと朱李さんは理名さんに対して「頼もしくなった」「最年少とは思えないくらい、周りを引っ張ってくれるボーカリストになった」と仰っていましたが、私も最近の理名さんに対して、ステージで想いを伝える際の言葉に澱みがなく、自信を持って届けられるようになったと感じています。
理名:本当ですか? MCには苦手意識を持っていたんですけど、少しは成長できているんですかね。歌に対して褒めてもらえることはあっても、MCやステージでの発言に対して褒めてもらうことはなかったので、すごく嬉しいです。
ーーこの取材時点では9月放送のスペシャルライブの収録はまだですが(※8月5日に実施済み)、武道館公演の前哨戦になるであろうこのステージに対して、今はどんなことを楽しみにされていますか?
理名:このスペシャルライブでしかできないようなステージ構成になるのかな。通常のライブではなかなかできないような、公開練習ライブの頃に戻ったような近い距離でのライブを今から楽しみにしています。
朱李:久しぶりに小規模でのライブになるので、懐かしい気持ちで挑めるのかな。普段のライブだったらカチッとキメているけど、今回はプライベート感を強めた特別な内容になりそうですし、なにより久しぶりの日本でのライブなので、たくさんコミュニケーションを取りながら楽しみたいです。
夕莉:来てくれるお客さんの顔もしっかり見えるのかなと思うと、反応を見ながらライブをできることが楽しみで仕方ないです。それに、『トゲナシトゲアリ 武道館への道』という特別番組の最後の収録になるので、ここで得たものをしっかり武道館にも繋げられたらなと思っています。

ーー武道館の前にこうしてファンの皆さんの顔をしっかり見られることは、確実に本番へのパワーになりますね。先程、武道館後には『ガールズバンドクライ』劇場版総集編の公開が控えているというお話もありましたが、トゲトゲとしても12月にRAISE A SUILENとの対バンライブが予定されています。武道館公演を終えたあとの展望についても聞かせてください。
夕莉:TVアニメ放送が終わってからの一年間はバンド活動に集中していた感覚があったんですが、これからは映画公開もありますし、また『ガールズバンドクライ』の物語経由でトゲトゲに興味を持ってくださる方が増えるんじゃないかなと思っていて。そういった楽しみが増える一方で、”武道館”という大きな夢を達成させたあともモチベーションをさらに高めて、もっと大きなバンドになっていけたらいいなと思っています。
朱李:アニメのトゲトゲもリアルなトゲトゲも目標にしていた夢の舞台、武道館公演を誰ひとり後悔が残らないような大満足のライブにしたいですし、武道館の翌日には新しいCDシングル『薄采ディスプレイ』のリリースがあったり、その先もRAISE A SUILENさんとのライブが控えていたりと、バンドとしてまだまだ勢いが収まらないと思っていて。それに、トゲトゲとしてはまだ関東以外でワンマンライブや対バンライブをしたことがないので、北から南までいろいろな場所にも行ってみたいですし、ここからもたくさん新しいことに挑戦していきたいです。
理名:今までは「目標、日本武道館!」とアニメの中でも掲げていて、そこに向かって突き進んできたんですが、その目標を達成することによってそこからもっと視野が広がって、『トゲナシトゲアリ 武道館への道』でのロケのように、新たに挑戦できることがどんどん増えていくんじゃないかなという気がしていて。それによって、私たちの新しい一面もどんどんお見せできるんじゃないかなと思うので、ここからもいろいろな経験を積んで長くバンドを続けていきたい……それが私の新しい目標です。
※1:https://realsound.jp/2025/06/post-2054278.html

■放送情報【スカパー!】
トゲナシトゲアリ 武道館への道<#2>
放送日時:2025年8月20日(水)23:30~
放送チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合がありますhttps://www.skyperfectv.co.jp/program/st/promo/togetoge/


















