片寄涼太の核心に触れてほしいーーソロアルバム、ジュエリーブランドに込めた“自分らしい呼吸”

片寄涼太、表現に宿る自分らしい呼吸

 GENERATIONSのツインボーカルであり、最近では「アート愛好家」としての側面も兼ね備える片寄涼太が、8月6日にソロ初となるフルアルバム『Bouquet』をリリースした。さらに収録曲を天然石に落とし込んだジュエリーブランド『Ruban de bouquet』を同日ローンチ。音楽とアートが豊かにリンクする自由な表現世界についてインタビューを行った。作詞曲にまつわるエピソードや片寄涼太が“今”感じる作品づくりとは?(加賀谷賢)

ファンへの感謝、そして30年間の人生を乗せた『Bouquet』

――昨年8月にはソロ初CDシングル『tenkiame / 今夜はブギー・バック feat.eill / prod.Shin Sakiura』をリリース、今年は初のフルアルバム『Bouquet』へと作品を重ねる中で、ソロの音楽世界がどのように拡張している感覚がありますか?

片寄涼太(以下、片寄):昨年リリースさせていただいたソロパッケージは今回のアルバム制作の一環として出来上がった楽曲でした。一人のアーティストについて一曲だけで語ることはなかなか難しいことですが、アルバムという形ならソロの音楽世界として自分らしさをさまざまな面でアピールできて、なおかつ色濃く表現できるものだなと実感しています。

――全10曲を収録する『Bouquet』には初ソロ曲「Possible」も収録されていますね。

片寄:「Possible」は僕も出演させていただいた『貴族誕生-PRINCE OF LEGEND-』)と『貴族降臨-PRINCE OF LEGEND-』(共に日本テレビ系)の主題歌として書き下ろされました。トップラインをシンガーソングライターの向井太一さんに制作いただき、m-floの☆Taku Takahashiさんにサウンドプロデュースしていただきました。僕のソロのイメージを色付けてくれた大切なターニングポイントに当たる一曲だなと思い収録しました。

――初回盤にはブックレットも収録しています。昨年のソロ初シングルからアルバム制作を念頭に置かれていたということですが、ブックレット「まえがき」を書いた時点ではアルバム制作を開始していたということでしょうか?

片寄:そうですね、ちょうど同時期くらいです。

――文末に記された日付も気になりました。「橘月」と記されています。これは旧暦の5月、現在の6月くらいを指しますが、あえてこの表記にした理由を教えてください。

片寄:この文章を書いた時期が「いつなんだろう?」とファンの皆さんに想像していただける工夫が欲しくて、少し曖昧な表現として「橘月」という表記にしました。

――武勇伝ページには「慣れないMacBookに静かに文字を打ち込む」と書かれています。ご自宅の書斎で文章を打ち込むことでアルバムのコンセプトなど、アイデアを整理していたのでしょうか。

片寄:書斎をメイン拠点として自宅のリビングなどを動きながら、近くのカフェに行くこともありました。グループ活動ともソロの音楽制作とも違う、新鮮な時間感覚の中で執筆に打ち込めたことが貴重な体験でした。ソロアルバムを作る上での方向性を定めた、そのきっかけになったと思います。

 ブックレットにはそもそもどのようにして「Bouquet」というテーマ性に導かれるか綴っている文章がありますが、その文章をアルバム制作と前後して書いた時、自分の節目と照らして「あぁなんかそういうことなんだな」と自分でも納得しながら書いていました。出来上がったアルバムを聴いてみると、一曲一曲が粒立ち、色濃くて、「Bouquet」というタイトルが最適な表現だと再確認しました。

――「まえがき」を書いたちょうど前月の5月に、CL(LDHコンテンツのデジタルコミュニケーションサービス)では片寄さんが花屋で体験バイトをする華道動画が公開されています。今回のアルバムのアイデアを整理するその時期に片寄さんの中で急激に華道欲みたいなものが生まれ、それがちょうど“橘月”に重なったのかなと想像していましたが……。

片寄:改めて振り返ってみると確かにそういう時期ですね(笑)。華道はCL内でもまだ誰も触れていないジャンルでした。漠然と挑戦してみたいという気持ちが先行しつつ、興味のある方向に自然と進んでいるような感覚でした。そういう意味であの動画はピュアなコンテンツだと思います。

――さらに続編動画はまさに橘月に公開され、自作フラスタをEXILE TAKAHIROさんにプレゼントしました。あれもある意味で「大切な方に贈りたい」というアルバム全体のコンセプトに即したものになっていますよね。

片寄:たしかに(笑)。僕らのお仕事はCM撮影、ドラマ作品のクランクアップなど、ありがたいことにさまざまなシチュエーションで花束をもらう機会が多いものです。だから今回は逆に応援してくださるファンの皆さんへの感謝を込め、そこにさらに自分自身への30年間にも贈りたい気持ちをブーケというテーマに乗せています。

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