日向坂46 河田陽菜&富田鈴花が“内”と“外”の両面から築き上げたもの ふたりの役割を担うのは誰?

 このふたりの卒業は、グループにとって大きな意味を持つだろう。河田はグループ内の空気をやわらげ、冠番組を通じてその魅力をじわじわと広げてきた存在であり、富田は歌やラップ、舞台、MCなど多彩な活動でグループの名を外の世界へと届けてきた存在。方向性は異なるが、いずれも日向坂46の活動を支えてきた柱であり、その両方をほぼ同時に失うことは、残されたメンバーが彼女たちの役割を補わなければならないことになる。

 だが、日向坂46は今、四期生と五期生の成長が著しい時期でもある。四期生は加入から2年で日本武道館3DAYSを成功させ、今年はぴあアリーナMM3DAYSも完遂し、その堂々たるステージングと一体感で観客を魅了した。正源司陽子は加入当初からセンターの素質を備えており、藤嶌果歩は華やかな佇まいと伸びやかなダンスでライブの空気を一変させ、すでにフロントメンバーとしての存在感を確立している。2025年に加入した五期生もまた、その勢いを加速させている。フレッシュさと吸収力を武器に、先輩たちの背中を追いながらも、自分たちの色を出すことを恐れない。パフォーマンス面では基礎の確かさと表現への貪欲さが目立ち、バラエティ番組やイベント出演でも、積極的に前へ出て新しい風を吹き込んでいる。

日向坂46 13thシングル「卒業写真だけが知ってる」特典映像「四期生ライブ」ダイジェスト映像

 とはいえ、河田や富田のように、内と外の両面で長期的にグループを支える存在として育つには、恐らくもう一段階上の経験と時間が必要だ。冠番組での自然な掛け合いや、ライブでの軸となるパフォーマンス、さらには外部のフィールドで結果を残す経験の積み重ねが、グループの真の屋台骨となるためには欠かせない。

 河田と富田の卒業は、“ハッピーオーラ”というグループの象徴的価値観を、次の世代がどう受け継ぎ、どのように自分たちの時代に合った形へと進化させるのか――そんな課題を突きつけている。しかし、それは同時に大きな可能性の扉でもある。ふたりが残した笑顔の記憶、ステージでの輝き、そして挑戦を恐れない姿勢は、これからのメンバーにとって確かな指針となるだろう。

 日向坂46の物語は、まだ途上にある。主役はこれから何度も新たに生まれ変わり、そのたびに新しい風景が描かれていくはずだ。河田と富田が築いた揺るぎない土台の上で、次の世代がどんな色の“ハッピーオーラ”を広げていくのか。その未来は、きっとこれまでと同じように――いや、それ以上に輝いていくはずだ。

※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/61336
※2:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/59919

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