地雷系だった日々と音楽に救われた人生――Яu-a、偽りの自分との決別を刻む1stアルバム『HYPERTEEN.』

小学生の頃から文字を書くことが好きだった

――活動を始めた時は、どんな音楽性を目指していたんですか?
Яu-a:自分の見た目と合うような楽曲をやりたいと考えた時に、かわいいハイパーポップ系の音楽がいいのかなと思って。最初は結構ゆったりな、かわいい系をやってました。
――ビートはどのように手に入れたんですか?
Яu-a:フリートラックを使ったり、タイプビートを買ったりしてました。どうやって曲を作るかのかは、YouTubeとかでめちゃめちゃ調べて。試行錯誤しながらやってました。
――歌詞は最初からするっと書けたんですか?
Яu-a:小学生の頃から文字を書くことが好きだったんです。小説を書いたりとか、とにかく文字を書きたくって。授業中、ノートとかに書いてました。
――文字を書くことがストレス発散になったり、感情の整理になっていたんでしょうね。
Яu-a:その延長で歌詞もずっと書いていたんです。レコーディングはしないけど、中学校の頃からYouTubeとかに上がっているフリートラックに合わせて歌詞を書いて歌ったりしてました。
――自分の部屋に閉じこもってヘッドフォンして誰にも気づかれないように歌ってる、みたいな?
Яu-a:そうです。完全に自己満なんですけど。
――音楽制作を始めた頃はSoundCloudに自作曲をアップしていたそうですが、SoundCloudを選んだ理由は?
Яu-a:かわいい系の曲がTikTokでまわってきて、「これってどこに上がってるんだろう?」って調べたらSoundCloudだったんですよね。だから、「私も曲を作ったらSoundCloudに上げていこう」って。そうしたらそれが楽しくなってきて、日課になりました。
――どれくらいのペースで上げてたんですか?
Яu-a:上げるペースは1カ月に1、2曲ほどだったと思います。
――その時からЯu-aというアーティスト名だったんですか?
Яu-a:ずっとЯu-aです。
――Яu-aは本名から?
Яu-a:本名ではなくて理想の名前。個人的にラ行の名前がかわいいと思って、つけました。ラナちゃんとかリナちゃんとか、かわいいなと思っていて。
――本名にラ行は入ってないんですか?
Яu-a:何も入ってないです(笑)。
――ロシア語のキリル文字である“Я”を使った理由は?
Яu-a:普通の“R”だとつまらないなっていうのと、あまり目に留まらないだろうなと思って。読み方は「ルア」じゃなくて「ルウア」だから、真ん中にハイフンを入れたんです。お気に入りの名前です。
“連続バズ”を狙って作った「お前の彼氏寝取ってやったの。」
――2024年1月にリリースした1stシングル「ネオンサイン」がTikTokでバズりましたが、どう受け止めましたか?
Яu-a:「ネオンサイン」は、16歳の時にノートに書いていたことを18歳になって音楽活動を始めたタイミングで形にしたんです。バズってうれしかったというのもありますし、音楽を始めてよかったんだって安心しました。
――約1カ月後にリリースした「お前の彼氏寝取ってやったの。」も続けてバズりました。
Яu-a:「お前の彼氏〜」は、連続バズを狙いにいこうと思って作ったんです。TikTokにサビの切り抜きだけをアップした時に、「きっと批判的なコメントがいっぱいくるんだろうな」と思って出したら、案の定叩かれました(笑)。
――でも、共感もあったわけで。
Яu-a:そう。賛否両論になってバズったんですよね。そうなるだろうなと思っていたところもあるんです。
――じゃあ、意図して挑発的な歌詞にした?
Яu-a:そうすることでフルを聴いて欲しくて。「フルを聴いたら解釈が変わるんじゃないかな?」という思いがあったんです。
――女友達への復讐曲でありながら、元カレへの未練や一途な思いも透けて見える切ない曲ですからね。
Яu-a:そうそう。サビだけ見たらクズというか、最低な歌詞なんですけど。
――Яu-aさんは自分のことを「地雷系」と呼んでいますが、誰かに言われたことなんですか? それとも自分から名乗ったんですか?
Яu-a:活動を始めてTikTokを開設した時に、自分から言い出しました。「#地雷」というハッシュタグをつけて。意図的ではありました。
――実際、地雷系なんですか(笑)?
Яu-a:昔は完全なフリフリ地雷系でした(笑)。最近系統が変わりつつあるので、ギャルを足して「地雷系ギャル」にして、タグも「#地雷系女子」にしてるんですけど。
――これまではラブソングがほとんどですが、実体験が多いんですか?
Яu-a:実体験と想像は半々くらいです。
――恋愛中に感じたことをメモしていくんですか? 「今日はこう思った」「アイツがこんなことを言いやがった」みたいな。
Яu-a:そうです(笑)。そういうことを書くリリックノートがあって、ノートに書けない時はスマホにメモして。こういう曲を書きたいなと思った時に、それを見返して、記憶を巻き戻して、その時の感情を思い出して歌詞を書くんです。
――実体験じゃない時は、自分の理想の恋愛を書くんですか? それともこの地雷系女子はきっとこんな恋愛をしているはずだと当て書きのように書くんですか?
Яu-a:それもありますし、映画とかを観ていてインスピレーションをもらって、そこから世界を広げていくこともあります。
――初期の曲は、自己犠牲をいとわなかったり、独占欲が強かったり、相手に翻弄される歌詞が多いと思います。わりと恋愛依存症ですか?
Яu-a:依存症でした。
――過去形なんですね。
Яu-a:はい。当時は恋愛依存でした。


















