新着MVランキング:ORANGE RANGE「イケナイ太陽」首位 『THE FIRST TAKE』で証明した色褪せない普遍性

MV Chart Forcus

 毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、ミュージックビデオをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV  Chart  Focus」。7月18日〜7月24日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:ORANGE RANGE「イケナイ太陽」THE FIRST TAKE
2位:HANA「Blue Jeans」Performance Video
3位:TOMORROW X TOGETHER「Beautiful Strangers」MV
4位:Vaundy「再会」MV
5位:BE:FIRST「空」Recording Video
6位:ano「ハッピーラッキーチャッピー 」× アニメ『タコピーの原罪』Collaboration MV
7位:初星学園 「サンフェーデッド」MV
8位:IVE「Be Alright」MV
9位:悠馬「心結び」MV
10位:ROSÉ & PSY「APT.」Live from SUMMERSWAG 2025

 今回取り上げるのは、さまざまなアーティストが一発撮りのパフォーマンスを繰り広げる『THE FIRST TAKE』の第570回目で、ORANGE RANGEが披露した「イケナイ太陽」。2000年代に「花」「ロコローション」など数々のヒット曲を連発し、現在“平成”のリバイバルブームを追い風に若い世代にも人気が高まっているORANGE RANGEが初登場となった。2007年リリースの自身の代表曲であり、先日公開された同曲の令和バージョンのMVが1200万回再生を突破するなど大バズり中の楽曲で存在感を見せつけている。

ORANGE RANGE – イケナイ太陽 (令和ver. Music Video)

 冒頭、マイクの前に歩み出たRYO(Vo)、HIROKI(Vo)、YAMATO(Vo)のうち、口火を切ったのはセンターに陣取ったRYO。「『THE FIRST TAKE』のスタッフさんがORANGE RANGEを待っていたという話を聞きまして」と誇らしげに語ると、「お!」と小さく歓声をあげるHIROKIとYAMATO。「一発撮りはライブと同じ。楽しんでいきましょう」という挨拶のあと、「Let's go!」という掛け声とともにイントロが始まる。

 「ORANGE RANGE、やっちゃいますよ! お熱い音をお届けしましょう!」と聴衆を煽るRYO。「イケナイ太陽」のタイトルコールで、早速3ボーカルの強みを活かした圧巻のハーモニーを披露し、一気にボルテージを上げる。その後、YAMATOとRYOによるAメロを挟み、Bメロで再び3人のハモリが炸裂し、メインのサビへ。キャッチーな声質で安定感のある歌で引っ張るHIROKI、高音域でリードするムードメーカーのYAMATO、それを屋台骨となって支えるRYOは、歌詞に合わせた身振りを交えつつ、なんとも楽しそうな表情で歌う。そして歌唱に特化した『THE FIRST TAKE』だからこそ、3人の声の重なりのバランス、それぞれのパートの“旨み”を活かす構成の緻密さがひしひしと伝わる。ポップスとミクスチャーロックが融合したサウンドに注目がいきがちだが、歌唱のクオリティの高さはこの映像を見れば一目瞭然。仲間と盛り上がる時の“お祭りソング”として聴いてきた世代にとっても、新鮮だったのではないだろうか。

ORANGE RANGE - イケナイ太陽 / THE FIRST TAKE

 その後、2コーラス目を歌い終えた3人は、演奏隊のNAOTO(Gt)とYOH(Ba)のもとへ駆け寄り、手持ちマイクに持ち替えてライブスタイルへスイッチ。先ほどまでのスタンドマイクスタイルとは打って変わって自由に動けるのが功を奏したのか、大サビ前に渾身のシャウトを繰り出すHIROKI然り、のびのびと歌い上げる姿が視聴者のテンションも急上昇させていく。アウトロでは足元に設置されたカメラ前にしゃがんだRYOがリズムに合わせ頭を振ったり、HIROKIとYAMATOが肩を組んで笑顔を見せたりと、お茶目な一面も垣間見えた。音が消え、「OK?」とばかりにスタッフの様子を窺うYAMATO、小さくピースするHIROKI。結成25周年を目前に控え、初登場となった『THE FIRST TAKE』を、彼ららしい熱くエモーショナルな歌唱で終えた。

 公開前に発表されたコメントに、「今回こういう形で発信できて、すごく僕らにとっても有意義なというか、すごく意味あることなんじゃないかなと思います」(※1)と綴っていた彼ら。それは視聴者にとっても同様で、18年前の楽曲が決して色褪せない普遍性を備えていることをあらためて感じさせてくれた映像だったように思う。男女それぞれの目線で、あと一歩踏み込みたいけどできない、ままならない恋模様を描いた世界観といい、しっかりと盛り上がる場所を提示してくれる親切設計な楽曲構成といい、際どいけど思わず口ずさみたくなる歌詞といい、むしろ“エモい”が共通言語となった令和の今だからこそ響くポイントが散りばめられていたのも新たな発見だった。ORANGE RANGEにとって、来年に控えた結成25周年へ向ける大きな弾みとなったであろう今回の『THE FIRST TAKE』出演。「イケナイ太陽」のさらなるリバイバルヒットにも期待したい。

ORANGE RANGE『イケナイ太陽』MV

※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly
※2:https://www.thefirsttimes.jp/news/0000655622/

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