RIP SLYME「音を渡し合ったらすぐ元通り」 再集結で実感した5人ならではの空気感と唯一無二な関係性

RIP SLYME、5人での再始動振り返る

 RIP SLYMEが5人体制で再始動した。全員揃うのは2017年以来、実に8年ぶりだという。メジャーデビュー25周年イヤーとなる今年、7月16日に3枚組のベストアルバム『GREATEST FIVE』をリリースした。本作には「どON」「Wacha Wacha」「結果論」「Chill Town」といった新曲に加え、ILMARI、RYO-Z、FUMIYAの3人体制で制作した楽曲にSUとPESのラインを新録したRS5 Remixなども収録される。夏フェスに出演するほか、秋にはファンにはおなじみのワンマンツアー『DANCE FLOOR MASSIVE』を7都市12公演で実施することが決まっている。5人での活動は、今のところ2026年3月22日まで。再結集までの流れ、制作など現在の心境を忌憚なく話してもらった。

誰か1人でも「嫌だ」と言っていたら実現しなかった(ILMARI)

ーー5人で再始動に至るプロセスを教えてください。

ILMARI:この5人で最後にライブしたのは2017年。その後いろんなことがあって4人になって、数年空いて3人で活動していたけど、僕としてはちゃんと5人揃った状態で(RIP SLYMEに)“。”を付けたかったんです。「もう1回集まって1年活動します」って。あと僕は単純にもう一度5人で一緒に曲作ったり、ライブしたりってことをしたかったんです。それでそれぞれに声をかけさせてもらいました。5人のうち誰か1人でも「嫌だ」と言っていたら、今日こうしてここにみんなが座っていることはなかったと思う。

ーー5人での活動に不安や葛藤はありましたか?

FUMIYA:「何話そう」みたいな不安はありました。けど音を渡し合ったらすぐ元通りというか、昔の雰囲気に戻りましたね。

SU:僕は1人だけ音楽から離れちゃっていたから、衰えというか、足を引っ張らないか心配でした。たまにカラオケで「粉雪」を歌うくらいだったので……。

RYO-Z:「粉雪」は名曲だよね。

ILMARI:SUさん、昔からレミオロメン好きだよね。スタジオで時々口ずさんでいるもん。むしろここに来るまでが大変だった。自分たち5人だけじゃなくて、ワーナーとかいろんな方々に関わってもらっているので。ちゃんと5人でリスタートできてよかった。あとはさっきFUMIYAくんが言ってくれた通り、リハもレコーディングもすぐに元の雰囲気に戻りました。そこに関しては大丈夫かな。

RYO-Z:僕は自分の体力が心配です。

ILMARI:真夏のフェスを乗り切れるか(笑)。

違和感も含めて楽しかった。それが一番大事(RYO-Z)

ーー『JAPAN JAM 2025』などのフェスで5人のパフォーマンスを行って、どんなことを感じましたか?

ILMARI:僕は「ようやくここまで来たか」って感じでした。準備期間というか、ここに辿り着くまでの時間が長かったなと。「ああ、5人で。すげえ久しぶりだ」って。しかも『JAPAN JAM』で。うちらが初めて出たフェスは『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』だったから。それにみんなでオレンジのつなぎを着て。「やっとだ」って感じはあったっすね。

PES:FUMIYAくんとSUさんは違う角度でそれぞれ緊張していましたよね。

FUMIYA:うん。『JAPAN JAM』でソフトウェアとか機材周りを一新したこともあってめちゃくちゃ緊張していました。針を持つ手がガタガタ震えちゃうくらい。結構なお客さんが集まってくれていたので、やっぱ飛ばしちゃいけないみたいな気持ちが大きくなって。そんなに難しいルーティンはなかったんですけど。たぶんSUさんの緊張が伝染してきたんですよ。口の中がカラッカラの臭いがしてきたから(笑)。

SU:久しぶりのライブで、スタッフの方とかも勢揃いしていたから、なんか門出的な雰囲気があって。自分の中ではピアノの発表会みたいな。

PES:弾けねえだろ(笑)。

SU:なんか俯瞰で見ちゃったんです。スタッフの方も含め、自分以外はみんなずっとここに携わっていたんだって。そしたら「大丈夫かな?」「迷惑かけないかな?」みたいな思いが頭をよぎってその瞬間から口もカラカラで瞬きも多くなっちゃって。

FUMIYA:ヘルペスできちゃったし。

SU:そんな1日でした。

ーーPESさんはRIP SLYMEとして久しぶりのライブはいかがでしたか?

PES:僕はもう楽しむだけ。ソロも含めてですけど、ライブはそれだけです。準備はいっぱいしてきましたし。それよりも骨折しないようにとかだけは意識していました。お客さんがどれだけ来てくれるかわからなかったけど、僕はどんな時も僕個人が楽しむことを大事にしているので、「負けないぞ」みたいなスタンスでしたね。

RYO-Z:今思うと、『JAPAN JAM』はまだちょっと硬かったよね。今までは僕がこう動いたら、別の誰かはこう動くみたいなのが阿吽の呼吸でできていたけど、そういうのが違くて。まあSUくんのことなんだけど(笑)。

SU:ええ!?

RYO-Z:たぶんSUくんは無意識で遠慮しちゃっていたんだと思う。でもね、そういうのも含めてすごく楽しかった。そこが一番大事。

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