RIP SLYME、Ryosuke Yamada、Jackson Wang、幾田りら feat. 鈴木雅之、tuki.、TK from 凛として時雨.…注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はRIP SLYME「どON」、Ryosuke Yamada「RED」、Jackson Wang「GBAD (Number_i Remix)」、幾田りら feat. 鈴木雅之「夢見る16歳」、tuki.「騙シ愛-Damashiai」、TK from 凛として時雨「Synchrome (with suis from ヨルシカ)」の6作品をピックアップした。(編集部)
RIP SLYME「どON」
5人体制での再始動(2026年3月22日までの1年間限定)を発表した直後から「めっちゃうれしい!」「泣いちゃう!」と歓喜の声が起こりまくったRIP SLYMEより新曲「どON」が到着。心地よいホーンの音色、オフロードを疾走するようなトラックのなかでRYO-Z、ILMARI、SU、PESがマイクをつなぎ、「これぞRIP SLYME!!」と快哉を叫ばざるを得ないアッパーチューンへと結びつけている。なぜもう1回始めるのか、なんでこんなにHIPHOPにハマり続けるのか、これからどうしたくて、今の5人はどんな感じなのか。そんな疑問に一発回答すると同時に、リスナーを「まあいいか、楽しくやろう」という気分に誘い込む最高のカムバック曲。個人的なパンチラインは〈チーム友達 ずっと友達 ドープな奴は今だに友達〉。(森)
Ryosuke Yamada「RED」
Hey! Say! JUMPの山田涼介、初となるソロアルバムのリード曲。アルバムには甘く爽やかなラブソングもいくつかあるが、全体に大人っぽさ、エレガントさ、そして〈赤〉のイメージからくる情熱的なエロティシズムが強調されている。この曲は最たる例で、具体的なストーリーを追わないミステリアスな歌詞、現代的で抑制の効いたアレンジ、しっとり濡れたようなボーカルなど、今まで見られなかった表情がたくさん。特に〈ぶるっとして ぐらっときて/ハートをハードに〉のくだり、巻き舌やファルセットが入り乱れる歌唱はたまらない。なお、作詞には辻村有記、作曲と編曲には辻村と伊藤賢、さらにはHey! Say! JUMPからDaiki Arioka名義で有岡大貴の名前もクレジットされている。(石井)
Jackson Wang「GBAD (Number_i Remix)」
ラッパー、デザイナーなど多彩な才能を持つグローバルアーティスト・Jackson Wang。そして、88rising主催フェス『HEAD IN THE CLOUDS LOS ANGELES 2025』への出演が決定するなど、海外での活動も目立つNumber_i。2024年の『Coachella Valley Music and Arts Festival』で共演した両者が再びタッグを組み、Jackson Wangのアルバム先行リリースシングル「GBAD」の公式リミックス「GBAD (Number_i Remix)」をリリースした。ドープにしてシックな原曲のムードを残しつつ、〈妬めば妬むほど 俺に金棒〉といった新たなフレーズとシティポップの潮流を感じさせるアレンジが加わり、さらに幅広いリスナーに訴求できるトラックに仕上がっている。鋭利なラップとメロウな歌声のバランスも最高。アジアを代表するコラボレーション、ぜひ世界に届いてほしいと思う。(森)