RIP SLYME「音を渡し合ったらすぐ元通り」 再集結で実感した5人ならではの空気感と唯一無二な関係性

RIP SLYME、5人での再始動振り返る

マイクリレーはライブで、たまにマジでわけわかんなくなる(PES)

RIP SLYME - Wacha Wacha

ーー『GREATEST FIVE』は前期・中期・後期のような形で3CD構成。収録曲の順番やセレクトはどのように考えていきましたか?

ILMARI:まずは新曲を聴いてほしい、というのがありました。あとはスタッフの皆さんとミーティングしてざっくりとリリース順で前期、中期、後期で並べるのがいいだろう、と。細かい並びに関しては、FUMIYAくんにDJ視点から調整してもらいました。

FUMIYA:いや、これはほんと難しかったです。20年以上前の曲と新曲だと音圧や音像の広がりも全然違うので、リスマスターもして。BPMよりは曲の雰囲気や歌詞の内容を意識して並べていきました。

ーー「Hotter Than July」が入ってない、と1ファンとして思いました。

ILMARI:言われてみれば(笑)。

ーーものすごい曲数ですもんね。

PES:DISC1、DISC2、DISC3と1曲ずつ増えていくのなんで?

FUMIYA:ほんとだ。意識してなかった(笑)。

ILMARI:昔の曲は4分半〜5分くらいあったけど、後期の曲はもっと短いんだよね。あとCDの収録時間の関係もあって。

PES:あーなるほど。

FUMIYA:最近はどんどん1曲が短くなっているもんね。

ILMARI:とあるアーティストさんがベスト盤を出すにあたって、昔の曲を今の時代に合わせて短くリメイクしているって話を聞いたことがあって、「そうなんだ」と思ったけど、リップでそれは無理だなと思ったっすね。

ーーやっぱ4MCのマイクリレーはテンションあがります。「Rightnow! feat. SAMI-T from Mighty Crown (RS5 Remix)」とか。

PES:マイクリレーはライブでやっていて、たまにマジでわけわかんなくなります。

ILMARI
ILMARI

ILMARI

ーーそうなんですね! 「Wacha Wacha」の〈流石のバックトラック(oh~)/仕上がるコンディション(oh~)/4本のマイクロフォン(oh~)/on the 2 turntables break〉の分け方が複雑で面白かったです。

PES:そこは比較的隙間があるんだけど、ライブでは見合って(マイクリレー)できなかったりしますから。

RYO-Z:まさにさっき話していたSUさんが遠慮しちゃったシーンですよ(笑)。

ーーそういうことか。リスナーとしてマイクリレーを楽しんでいたけど、プレイヤーは常にリズムとタイミングを意識しなきゃいけないってことか。

RYO-Z:そうです。このラインは制作の段階からFUMIYAくんに「ここだけは重ならないように意識してください」って言われていて。

FUMIYA:ちょっと懐かしい感じにしたかったんです。

PESくんはサビを作るのはものすごく上手(ILMARI)

PES
PES

PES

ーー「Wacha Wacha」はマーチングバンドみたいに抜けるスネアの音がカッコよかったです。パーカッシブなところはアフリカ感もあり。

FUMIYA:なんとなくアフリカ方面の民族を意識しました。

ーーそのいろいろ混ざってどこでもないのが東京っぽいというか、RIP SLYMEっぽいですよね。そもそもなんですが、RIP SLYMEの制作はどのように進行するんですか?

FUMIYA:まず僕がトラック作ってみんなに投げる。その段階では終わり方が曖昧だったりもするけど、まあまあ雰囲気がわかるところまでは作って。あと、2曲作って「どっちやります?」みたいなところから始まります。今回だったら「どON」と「Wacha Wacha」が同時くらい。

RIP SLYME - どON

ーーComposedのクレジットにPESさんの名前が入っていますが、PESさんはどのように楽曲制作に携わっているんですか?

PES:全部かな。構成、リリック、アレンジ、メロディーもやるし。FUMIYAくんが骨子を作って、困ったとこは僕がフォローする。たとえば、アレンジし直す時にコードや和音が当たってないかとかね。細かい部分だと「Chill Town」のサビの手前にあるヴァースとの繋ぎの部分のアイデアを出したり。

ーー「結果論」のサビもギミックが効いていて面白かったです。

PES:トラックも転調しているので、歌っぽく作っても無理やり感が出てしまうから、RYO-Zくんにピッチのない感じでラップしてもらいました。基本的にどの曲も僕が何個かサビを作って持っていって、みんなが選んだものが採用されるんですね。「結果論」はFUMIYAくんがたまに出してくるニューウェーブっぽかったり、AORっぽかったりっていう80's感を現代に放り込むタイプのビートだと思う。

FUMIYA:リズムとベースはトラップで、上ものはメロっていう。「どON」は「雑念エンタテインメント」みたいな質感だし、「Wacha Wacha」も上がる感じだったから、この曲はメロウにしたかったんです。

PES:RIP SLYMEでメロディを当てるのは結構むずい。瞬間的に出すしかない。

ーーそこに工夫があるわけですね。

ILMARI:PESくんはサビを作るのが結構上手なので。

PES:……結構(笑)?

ILMARI:ものすごく上手なので(笑)。

RYO-Z
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