松本潤主演『19番目のカルテ』スタート あいみょん、小田和正、King Gnu……日劇主題歌はなぜ注目される?
フジテレビ系列の月9、テレビ朝日系列の木曜ドラマなど、地上波キー局にはそれぞれの局の看板となるドラマ枠がある。そのうちのひとつが、TBS系列の日曜劇場だ。2013年に放送された『半沢直樹』以降、より大人向けで重厚な作品も数を増やし、いわゆる社会派ドラマが数多く制作されるようになった一つのきっかけとも言えるだろう。近年では『VIVANT』や『グランメゾン東京』など、その後シリーズ化や映画版などが制作されるビッグバジェットな作品も数多く輩出しており、その注目度はますます高まっている。
ドラマにおいて音楽は欠かせない要素だが、もちろん日曜劇場においても数多くのアーティストが各ドラマの世界観を彩ってきた。
7月13日から放送がスタートする日曜劇場『19番目のカルテ』の主題歌は、あいみょんの「いちについて」。来春のラストコンサートに向けて嵐としての活動も控える松本潤がキャリア初の医師役を務めるこのドラマは、漫画家・富士屋カツヒトによる原作漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(ゼノンコミックス)を実写化。特定の臓器や疾患に限定されない総合的な診療を行う科として、近年専門医制度が整備され注目を集める“19番目の新領域”・総合診療科に所属する主人公・徳重晃が患者と向き合う物語だ。
小芝風花や新田真剣佑といった若手俳優や、田中泯や木村佳乃、生瀬勝久といったベテラン俳優たち、さらにはファーストサマーウイカや岡崎体育といったさまざまなジャンルで活躍する面々も出演者に名を連ねている。そんな『19番目のカルテ』の主題歌である「いちについて」は今日7月13日の初回放送で初解禁となり、その後7月23日より配信がスタートする。果たしてどんな楽曲になるのか、そしてどのように『19番目のカルテ』の世界観を映し出すのか。楽しみにしたい。
今年6月まで放送されていた『キャスター』の主題歌は、tuki.の「騙シ愛」。視聴率が低下の一途をたどる報道番組界の中で真実を追い求めるキャスター・進藤壮一と報道番組『ニュースゲート』の総合演出の崎久保華の奮闘を描いた本作。第1話では「報道に携わる者ならば、毎日がエイプリルフールだと思え」という印象的な台詞が登場する。真実を報道するキャスターという仕事は、真実を隠したい者にとっては大敵。そんな中でも真実を追い求めようとする進藤の姿に「騙シ愛」の歌詞はマッチする。
〈騙し愛の嘘の中で/信じられる物を探す/瞳が欲しい〉というフレーズは『キャスター』にマッチするだけでなく、フェイクが飛び交う現代社会における、我々の根底にある切実な願いでもある。だからこそ、せめて〈心、裏切らないで〉と、自分自身の心には正直であろうとtuki.は歌っているのかもしれない。SNSが当たり前に生活の中に存在する現代、tuki.と同じティーンエイジャーにこそ受け取ってほしいメッセージだ。
今年1月から3月まで放送されたのは『御上先生』。松坂桃李演じる東大卒のエリート文科省官僚・御上孝が、現場から日本の教育を変えようと教壇に立つ物語だ。学園ドラマでありながらも、大人の権力争いや国家の思惑など、日曜劇場らしいポリティカルな要素もしっかりと盛り込まれた作品となった。
そんな『御上先生』の主題歌はONE OK ROCKの「Puppets Can't Control You」。「操り人形は操れない」という趣旨のタイトルに〈If the TV stations sell their lies on cable/Then we're so blind that we'll be tuning in〉という、テレビが嘘を売り、間違った方向に操られてしまうかもしれないという歌詞は、情報が溢れた現代において「誰かの思惑に惑われるな」というONE OK ROCKからの強烈なメッセージだ。アルバム『DETOX』でも社会に向けたメッセージを盛り込むなど、近年の活動においてポリティカルな楽曲を数多くリリースしてきたONE OK ROCKと、現代社会の病巣に切り込んだ『御上先生』の組み合わせは、非常にマッチしていたと言えるだろう。






















