Mrs. GREEN APPLE、椎名林檎、SixTONES、Creepy Nuts、キタニタツヤ、Chevon……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はMrs. GREEN APPLE「慶びの種」、椎名林檎「実験中」、SixTONES「Stargaze」、Creepy Nuts「Mirage」、キタニタツヤ「まなざしは光」、Chevon「菫」の6作品をピックアップした。(編集部)
Mrs. GREEN APPLE「慶びの種」
デビュー10周年を記念したアニバーサリーベストアルバム『10』。全19曲の最後に収められた「慶びの種」は、ミセスがインディーズで活動するさらに前、2014年にライブハウス会場限定で販売されたミニアルバム『Introduction』のシークレットトラックだった楽曲。当時は大森元貴(Vo/Gt)が弾き語りで歌ったものを収録していたのだが、新たにレコーディングされたバージョンは、オーケストラサウンドを取り入れた壮大なバラードナンバーへと進化している。ドラマティックなメロディライン、転調を効果的に使ったコード進行、そして、〈信じて信じられたら/生きゆく歓びとなる〉という生きることの本質を射抜く歌詞。大森がこの曲を書いたのは17才のときだというが、その頃からこんなにも普遍的なことを歌っていたんだな……と、その天賦の才に改めて驚かされた。(森)
椎名林檎「実験中」
SHISEIDO「アルティミューン」×椎名林檎のコラボプロジェクト「ストレス解放区」のための書き下ろし。いわゆる大型タイアップ楽曲だが、そうとは思えないほどクレイジーなギターを炸裂させ、攻めの姿勢で3分間を駆け抜けるロックンロールナンバーでもある。メンバーはドラム・石若駿、ウッドベース・鳥越啓介、ギター/エレクトリックシタール・名越由貴夫。個々で看板を背負うプロミュージシャンそれぞれの、居合のごとき見せ場に痺れる。疾走する楽曲に乗って〈至上の快楽が欲しい〉と歌い上げる椎名もさすが女王の貫禄。音にも言葉にもアドレナリンが滾っている。美食をたっぷり食し、サンドバックをめいっぱい殴るMVにも注目を。まさにストレス解放区!(石井)
SixTONES「Stargaze」
SixTONESがパーソナリティを務める『第45回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2025』(日本テレビ系)応援ソングとなる新曲で、楽曲は野田洋次郎(RADWIMPS)による書き下ろし。バンド主体の楽曲ではなく、あまり音数を足さないDTMサウンドは昨今のエモラップに近い。ラップと歌唱の中間を行くボーカルは、譜割りが一筋縄ではいかないものが多く、しかもソロのマイクリレーではなく、二人、もしくはユニゾン歌唱が多いため、メンバーがどのように呼吸を揃えているかが聴きどころのひとつ。また、ラップ寄りだった歌は次第にどんどん色鮮やかになり、サビでは確実にポップスとしての輝きや説得力をまとっていく。この展開は野田ならではのマジックだろう。本人のセルフカバーもいつか聴いてみたい。(石井)






















