『FNS歌謡祭』で見せたNumber_iのさらなる強さ 平野紫耀&神宮寺勇太&岸優太による、神聖な世界観の更新

Number_i『FNS歌謡祭』で示した強さ

 Number_iの「GOD_i」のパフォーマンスには思わず見入ってしまう。

 そう感じたのは、7月2日に放送された『2025 FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系)でのこと。この日、Number_iは22時台に出演し、5月にリリースされた2ndシングルの表題曲「GOD_i」を披露した。

 1月に先行配信開始されてから、同曲は何度か音楽番組で歌われてきたが、同じパフォーマンスは一度もなかったように思う。それは、歌やダンスが回を追うごとに洗練されていくという意味もあれば、衣装や演出面で変化をつけ、同じ曲でも違ったステージを作り上げているという意味もある。だから、Number_iのTVパフォーマンスは毎回新鮮で、観ていて面白いのだ。

 では、『2025 FNS歌謡祭 夏』はどんなパフォーマンスだったのか、振り返ってみたい。

 今回の放送では、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太はMVで着用している黒い衣装で出演。ステージには大量にスモークが焚かれ、神秘的な雰囲気をまとっていた。歌い出しのパートは神宮寺が務めているが、〈忘れないでよ〉では囁くように、次の〈はじめからわかっていたんだよな〉では逆にぐっと感情を込めるようにして歌い込み、切ない想いを滲ませるようなボーカルに曲の冒頭から引きつけられる。そこから平野、岸と順にメインパートが歌い継がれるのにあわせてひとりずつクローズアップされていき、サビからはダンサーが加わってのパフォーマンス。ダンサーは白い衣装を着用しているためコントラストが美しく、3人の存在感が際立っていた。

 「GOD_i」のパフォーマンスにおいて、過去には10名以上のダンサーを従えて迫力あるステージを届けていたこともあったが、今回は6名と少なめだった。それは、照明や映像など、ほかの演出と楽曲のリンク性も楽しんでほしいという理由もあったのかもしれない。前半こそ暗めの照明だったが、後半からは光が差すように明るい照明へと変化。そこから3人が中央に寄り、岸が歌う〈ねぇ未来の俺にお願いごと〉、平野が歌う〈褪せた空にお願いごと〉のパートは、それぞれこの曲の聴かせどころでもある。照明やバックの映像も相まって、ふたりの繊細なボーカルはまさに祈りを捧げるようだった。

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