Number_i、異例のバイラルチャート365日連続ランクイン達成 「BON」の斬新さと引力――万人に愛される理由

Number_iの「BON」が、6月9日付のSpotify「Daily Viral Songs(Japan)」にチャートイン(※1)。この日をもって、365日連続のチャート入りを果たした。
Spotifyのバイラルチャートは、SNSへシェアされた回数や楽曲を新しく見つけたリスナー数などに基づいてSpotifyが独自に指標化したランキングだ。いわゆる“今話題になっている曲”が集まっているランキングで、「BON」が365日、つまり一年間にわたって広まり続け、大勢の人に愛されてきたことが読み取れる。
「BON」は、昨年5月27日にリリースされたミニアルバム『No.O -ring-』のリードトラックだ。楽曲は平野紫耀によるプロデュース。デビュー曲「GOAT」をはじめ、本作以降もNumber_iの多くの楽曲に携わることになるPecori(ODD Foot Works)が作詞、MONJOE(DATS)が作編曲を務めている。
楽曲は海外でも人気のある“盆栽”から着想を得て、盆栽が育っていく過程をグループの成長や応援してくれるファンとの関係性に重ねながら制作されたという。リリース当時、Number_iはデビューして半年ほど。すでに1stシングル『GOAT』のリリースや『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』への出演といったトピックはいくつかあったものの、グループとしては「まだまだここから」という気持ちもあっただろう。歌詞には〈王者が掻っ攫う〉〈もっとデケーことしたいから/みんなの笑顔が溢れる My Life〉〈残すこの先に咲くワード〉といったように、Number_iというグループがこれから大きくなっていくことを宣言するような強気な言葉が並んでいる。
平野の低音ラップで幕を開けたかと思えば、すかさず岸優太が“ぶちかまし”とも言うべき奇妙な声色で印象づけ、神宮寺勇太による〈あゝ夕焼け盆踊り/踊る1億人〉という民謡のようなフレーズへと続いていく。〈あゝ夕焼け盆踊り〉は実際にしなやかに舞うような振り付けになっており、歌もダンスも数秒ごとに場面が目まぐるしく切り替わっていくのがこの曲の面白いところだ。
加えて、徹底的に“日本”を意識したつくりになっているのも特徴。雅楽風のイントロに、途中に三味線のような音色もあれば、拍子木や祭囃子も鳴り響く。MVでも紙芝居や茶道など、日本の文化/カルチャーにちなんだ演出が複数盛り込まれていた。どこか懐かしさや親しみやすさを感じられる部分と、先進的な要素を融合させ、さらにはユーモアも取り入れていく。そうして生まれた唯一無二の作品が「BON」だったのだ。