DOBERMAN INFINITY、ファンと一体になって遊び尽くす 10周年イヤーを締めくくるツアーファイナル

DOBERMAN INFINITYの全国ホールツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2025 ThanX”D.X”』の最終公演が大阪・オリックス劇場にて開催された。
10周年イヤーのラストスパートとして、今年1月にリリースされたアルバム『D.X』を携え、5月16日の千葉公演を皮切りに全国6都市6公演を”D.Iバンド”と共に巡ってきたツアー。そのファイナルを飾る大阪公演の6月24日は、彼らの結成日でもある。D6(DOBERMAN INFINITYファンの呼称)と迎えた11周年の記念日に行われた熱狂と感動のライブをレポートする。

開演時間になると、客席の照明は暗くなり、集まった満員のオーディエンスが立ち上がり始めた。その大多数は白か黄色のペンライトを持っており、その灯りで客席は埋め尽くされる。そして紗幕を掛けられたステージにライトが当たると、D.Iバンドが演奏する影が映し出され、荘厳なサウンドと共に徐々に「We are D.I」の掛け声が大きくなっていく。そのリズムに合わせてペンライトを振る客席。そのBPMは速くなっていき、照明の演出もあって焦燥感を掻き立てる。当然合わせて上がっていくボルテージ。それが最高潮に達したところで幕にメンバー5人の影が映し出されると大歓声が上がった。そのまま1曲目は「Scream」。幕の内側からでも5人がすでにフルスイングで歌う姿が伝わり、中毒性のあるリリックも相まって会場の一体感が高まっていく。そしてドラムカウントを合図に紗幕が降ろされ、さらなる大歓声の中、SWAYが「大阪ファイナル! Are you ready⁉︎」と呼びかけ、5人がお立ち台に立ち「Take A Ticket」をスタート。歌い出すと5人はステージ上を自由に歩きながら曲を展開する。KUBO-C、GS、P-CHO、SWAYのそれぞれの個性の出た4MCのラップパートとKAZUKIのクールでカリスマ性のあるボーカルのバランスが、唯一無二の上質なグルーヴを生み出す。そしてP-CHOを中心とした煽りが、ライブならではのメリハリを生んで熱気が上がり、楽しくなる他ない。「Departure」での〈GOTCHA!!〉の掛け声は3階の客席からもしっかり聴こえたし、「No.1」の奥底から沸き立つようなサウンドとフロウに客席全体が波打つ様子は圧巻。P-CHOの「みんな全力を見に来た!」から始まった「100%」で客席から返ってくる〈それな〉の合唱にはGSも笑顔。一体どれほどのコミュニケーションをこの10年でD6と積み上げてきたのだろうかと、序盤も序盤で思わせるようなステージだった。

すでにハイになっている客席からは自然と笑みが溢れて、賑やかな空気感の中でP-CHOが「ここまでついてきてくれてありがとうございます! 最高です! 今日ここにいるみんなも辛いことも、嫌なことも、理不尽に思うことも日々過ごしていたら色々あると思います。そんな全てのことを忘れられる時間をみんなと一緒に過ごしたいと思います!」と話し、タオルを準備するよう伝えると「踊れピエロ」のサビで回し始める。ただ、この曲は楽しいだけでなく哀愁もあって、その奥深さが誰も置いていかない。それを醸し出しているのは、D.Iバンド生演奏によるベースの音色だったことは伝えておきたい。続く「Updating Life」もタオルを使った盛り上げに加え、サビで巻き起こったシンガロングが途轍もないエネルギーを生み出す。“これがライブのあるべき答えだよ”と教えられているようだった。

暗転し、会場の熱を冷ますようにもの寂しげなキーボードとサポートコーラスによる前奏が始まり、ここで今日初めてのバラードナンバー「ずっと」へ。彼らを代表するこのラブソングは恋人はもちろん、親や子供、D6、あらゆる関係性に向けられているようにも聴こえる。それは年齢やキャリアを重ねるほどに意味合いを増す色褪せない曲という証明ではないだろうか。続いて「みんなの声が必要です」とSWAYから伝えられ始まった「We are the one」では、5人は歌唱で客席に、客席はサビの大合唱で5人に、互いに勇気を与え合っている優しい空間になった。「どんな未来が待っていても、俺たちは絶対負けないように、越えていく!」。曲中のP-CHOの言葉もじんわり胸に響いた。

ここで一旦メンバーが舞台袖に捌ける。そしてその間にこのツアーを支えたD.Iバンドの紹介コーナーが始まり、各パートのプレイヤーが一流の演奏で魅せて盛り上げた。その中でステージ上にスタンドマイクが準備され、衣装を着替えた5人が登場。情感たっぷりに「The other story」を歌い上げた。






















