BALLISTIK BOYZ、初のアリーナ公演が生み出す熱狂 エネルギーに溢れた7人が始める“BBZ第二章”

BALLISTIK BOYZによる初のアリーナ公演『BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 “IMPACT”』。その初日公演が6月21日、兵庫・ワールド記念ホールにて開催された。
BALLISTIK BOYZは昨年11月にグループ史上初の日本武道館公演を大成功で終え、また今年3月にはデビューから約6年間の集大成となるベストアルバム『Chapter 1』を発売。文字通り、BALLISTIK BOYZとしての第一章に区切りをつけた。今回のアリーナ公演2日間は彼らの第二章の幕開けであり、これから始まるアジアツアー『BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2025 "IMPACT" ~ASIA~』の皮切りとなる。

当日じっとりと蒸し暑い空気に覆われた神戸だったが、熱い楽曲や夏ソングを多く持つ彼らにとってはこの厳しい暑さも味方となる。「僕たちの強みはライブ。歌はもちろん、ダンスのパートを多く追加したり、バンドさんと密にコミュニケーションを取りながらアレンジしたり、ライブに来ないと味わえないような演出がたくさん含まれています」と本番前の囲み取材にて深堀未来が語っていた通り、この日のライブは“IMPACT”の名に違わぬ多彩な演出によって会場を大いに巻き込み、アリーナに見事な熱狂を生み出してみせた。

会場が暗転し客席から歓声が沸き起こる中、ステージ上のスクリーンに映し出されたのは、BALLISTIK BOYZとして最初の1ページを開いた頃の初々しい7人の姿だった。武者修行を経てのメジャーデビュー、そこから程なくして突如見舞われたコロナ禍による苦難、PSYCHIC FEVERと共にタイに渡り、新たな土地・環境の中でゼロから学び直した武者修行。グループの軌跡を辿った映像は「BALLISTIK BOYZの第一章を終わらせに来ました」という宣言がなされた昨年の日本武道館公演にまで至る。そこからバンドによる力強い演奏が始まり、揺れる炎とともに堂々と登場したのは、新章に臨む彼らの意志を表したかのような赤い衣装に身を包んだ7人だった。そして耳慣れた“BBZ”のフレーズがこだますると、歓声がさらに大きくなる。スクリーンと照明で真っ赤に染められたステージ上で「Most Wanted」が奏でられる様子は、第一章の彼らのイメージへの回帰をも思わせる。が、これはさらなる色を塗り重ね、更新された赤だ。そのことを示すかのように、松井利樹が凛とした声でこう告げる。

「BALLISTIK BOYZの第二章を始めに来ました。全員ついて来い」
そうして始まったのは、今回が初パフォーマンスとなる「Get Wild」。出だしからアリーナの客席に向かって全力でぶつけられていく熱唱が、広く大きく響き渡る。続いて昨年のシングル曲「HIGHER EX」では火花が噴き上がり、ノンストップで『EXILE TRIBUTE』からの2曲「Heads or Tails」「Touch The Sky」が歌われる。熱いコール&レスポンスを挟んでからは、一昨年タイに渡った彼らが初のコラボレーション曲として発表した「Drop Dead feat. TRINTIY」へ。BALLISTIK BOYZの様々な挑戦と進化が、作品の中で克明に刻まれていることを明示するような楽曲群だ。メタリックなギターフレーズが響く「We never die」では、改めてバンドアレンジとの相性が良く、かつLDHらしく熱い楽曲が多いことも実感させられる。そんな序盤の締め括りとなったのは、初期の代表的な一曲「テンハネ -1000%-」。足音が響くストンプのパートには新たなアレンジが加えられていた。
バンドのInterludeを挟んでからは空気を変え、世界進出を志すグループとしての力量を示すR&Bとバラードのパートへ。まずは一様にシンプルな白いシャツを纏い、スタンドマイクを携えての「All Around The World」。クールなビートを完全に掌握したシックなパフォーマンスで会場を魅了した後、メロディアスなラブソング「ラストダンスに BYE BYE」から、彼らの代表曲と言える珠玉のR&Bナンバー「Animal」へ。リリース当時は少し背伸びしているようにも映っていた艶やかなリリックが、様々な経験で磨かれた今の彼らの表現力により一層深い世界観をもって表される。そして終盤にはセクシーなダンスパートとともに白いシャツが脱ぎ捨てられ、鍛えられた美しい上半身が披露された。砂田将宏が「兵庫、Make some noise!」と叫ぶのに前後して、煽られるまでもなく客席からは悲鳴に近い歓声があちこちで上がっており、演奏が終わってもしばし落ち着かない程だった。

「念願の夢のステージ、アリーナライブ。初日を迎えましたね。皆さん、この素敵な景色を見せてくださり本当にありがとうございます」。バンドのInterludeを挟み日髙、加納、深堀、砂田のボーカル陣がステージへ舞い戻った後、砂田から語られた感謝の言葉には温かい拍手が起こった。ファンに募ったアンケートから選ばれた楽曲を歌うコーナーに入り、バラードでは甘くメロウなR&B「In My Eyes」、MC陣によるラップ曲では初期楽曲「HIGHWAY」が歌われた。そこから改めて7人がステージに揃い、メンバー同士の無邪気なたわむれと笑顔が溢れたドライブソング「360°」で幸せな空気感を届けた後、全員によるMCの時間へ。「すごいな、奥の方まで。これが見たかったんだよね」と、初めてのアリーナ単独公演の景色を一同しみじみと噛み締めていた。