挑戦者・Aqoursが示し続けた“受け取った夢との向き合い方” ファンと紡ぐ終わらない青春と10年間の軌跡
“0”から始まったAqoursが力強く残してきた足跡
こうして、Aqoursはいつでも未来へ手を伸ばし続け、“挑戦者・Aqours”であり続けるための進化を怠らなかった。そんな彼女たちの原動力にあるものこそが、反骨精神だと言えるだろう。Aqoursは心に未熟さを抱えている。しかしそれは決してネガティブなものではなく、「まだ足りない」と思うからこそ、常に挑戦者であり続けるハングリー精神に繋がっていた。全身泥だらけになりながらも、目には煌めきを宿し、大きな夢へと手を伸ばし続ける。その姿勢は、間違いなくシリーズの後輩たちにも影響を与えているに違いない。
2023年12月に開催された『異次元フェス アイドルマスター★♥︎ラブライブ!歌合戦』ではアニメ劇中における『ラブライブ!』で優勝を決めた楽曲「WATER BLUE NEW WORLD」を凱旋披露(ドームで同曲のフォーメーションダンスを披露するのは初だった)。Aqoursの切り札とも言える曲を、最高の場所で最高の形で歌ってみせたのだが、その裏には「勝ちたい」「絶対に負けたくない」という気持ちがあったと同月の生放送『『幻日のヨハネ』ライブ直前!異次元からヌマヅへ!』で語られていた。二度も東京ドームでのワンマンライブを開催し、『ラブライブ!シリーズ』においてトップレベルの実績を持つAqoursが、いつになっても「負けたくない」と歯を食いしばりながら戦っている。その姿は後に続く後輩たちにとって、大きな指針となっているはずだ。
μ’sは多くの人に夢を与えた。そして、Aqoursは“受け取った夢との向き合い方”を、その身をもって後輩スクールアイドルとファンへ示し続けてきたのだ。彼女たちは伝説ではなく、等身大のスクールアイドルであり続けた。それこそがAqoursであり、『ラブライブ!サンシャイン!!』なのだと断言できる。
地盤が不安定な砂浜から始まり、幾度となく足を取られながら、力強く残してきた足跡。どこか不格好でも誇らしいその軌跡は、これからも続いていく。すでにフィナーレライブ後に開催される『Animelo Summer Live 2025 -Thanxx!-』にはAqours内における3人組ユニット・Guilty Kissと、Aqoursのライバルユニット・Saint Snowが、『EXPO 2025 大阪・関西万博』内で開催される『U-NEXT MUSIC FES』には斉藤朱夏(渡辺 曜役)、小林愛香(津島善子役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)の3人の出演が決定している。また、Aqoursの地元・沼津の魅力をPRする燦々ぬまづ大使には、今年で5期連続の就任となった。
小林が常々「Aqoursをこれからも守る」と口にしているように、彼女たち自身もAqoursを終わらせる気はまったくないのだろう。だから、これからもAqoursの軌跡はきっと途切れない。むしろ、彼女たちはいまだ見たことのない軌道の途中にある。ゆえに、その存在を思い出にするにはまだ早い――と断った上で、あえて最後に、“0”から始まったAqoursのこれまでの奇跡と軌跡に、ファンのひとりとして最大限の敬意と感謝を贈りたい。

























