挑戦者・Aqoursが示し続けた“受け取った夢との向き合い方” ファンと紡ぐ終わらない青春と10年間の軌跡
2025年6月21日、22日に、Aqours 9人で行う最後のワンマンライブ『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Finale LoveLive! ~永久stage~』が開催される。μ'sに続くスクールアイドルグループとして誕生し、『ラブライブ!』がシリーズとなるきっかけを作ったAqours。そんな彼女たちが、10年目にして自分たちの活動にひとつの区切りをつける決断をした(フィナーレライブをもって解散や活動休止するわけではない、ということは強く断っておきたい)。そんなライブを前に、「Aqoursとはどのような存在なのか」を振り返ってみたい。
☀#Aqours フィナーレライブ☀
ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Finale LoveLive! ~永久stage~日程:2025.6.21(土)・22(日)
会場:ベルーナドーム🔗https://t.co/UkumTtxvPJ#lovelive pic.twitter.com/7rKdSFr8jV
— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) April 29, 2025
だが、あらためて「Aqoursとは?」を完璧に言葉にするのは難しい。ここまでのAqoursの功績や偉大さを思えば、どれほど言葉を尽くしても足りないだろう。だが、強いて“Aqoursらしさ”として彼女たちを一言で表現するのであれば、悔しさをバネにする“等身大の反骨精神”を常に持ち続けた、と言えると思う。
Aqoursの歩んだ道のりは決して簡単ではなかった。彼女たちの先代、『ラブライブ!』を築き上げたμ'sの偉大さは、今さら語るまでもないだろう。そんなμ'sが築き上げたものを受け継いだAqoursの始まりは、側から見れば順風満帆に見えたかもしれない――。だが、どれほど大層な看板を掲げていても、当時のAqoursは自分たちで作り上げたものはまだ“0”の駆け出しグループ。μ'sが築き上げた『ラブライブ!』に泥を塗ってしまわないかという重圧を、まだ何も成していない少女たちだけで背負わなければならなかったのだ。
実際、μ'sの築き上げたものを大事に思うあまり、「『ラブライブ!』を継ぐに値するのか?」という厳しい目をAqoursへ向ける人も少なくなかったと記憶している。しかし、Aqoursはそんな状況に負けることなく、『ラブライブ!』を託された意味を行動で証明し続けた。危うさすら感じるほど、命を燃やして自分たちの使命と向き合う姿勢に、Aqoursがμ'sの次を託された理由を受け取った者も多いだろう。
逆境の中にあるからこそ、より強く輝こうとするその姿勢は、大きな目標を叶えた後も変わることはなかった。東京ドームでのライブをもって活動に区切りをつけたμ’sと道を分けるように、2018年の東京ドームでのワンマンライブ、『第69回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)出場、2019年の劇場版放映を経ても、Aqoursは走り続けることを選択する。
ただ、2020年から2021年にかけてはコロナ禍の影響もあり、5大ドームツアーや地元・静岡での初の野外ライブなどを断念せざるを得ない事態にも陥った。再び逆境に立たされ、一度は途切れかけたかのように見えたその道のりだが、2022年には二度目の東京ドームでのワンマンライブを開催し、成功させたのだ。さらに同年8月には、Aqours初のアーティストコラボとして初音ミクとのコラボシングル『BANZAI! digital trippers』をリリース。翌年には『ラブライブ!サンシャイン!!』の公式スピンオフ作品として『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』(TOKYO MXほか/2023年)のアニメ放送がスタートした。
「BANZAI! digital trippers」は、2023年のバレンタインデーとホワイトデーに行われた『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! 2023 ~It's a 無限大☆WORLD~』にて、初音ミクと合同で披露された。『ラブライブ!』の売りのひとつとして、2次元と3次元を繋ぐシンクロパフォーマンスがよく挙げられるが、彼女たちが見せてくれた“Aqoursと初音ミクが一緒にいる”と思わせるほどの完璧なステージは、シンクロパフォーマンスにおける完成形といっても過言ではない。