Aqoursリレーインタビュー Vol.9:伊波杏樹 千歌は“親友” 悔いを残さず、希望を胸に笑顔で届けるフィナーレライブに

Aqoursの活動を通して、いろいろな意見や思いを聞けるようになった
――Aqoursの楽曲の中で、自分自身のテーマソングにしたい楽曲と、その理由を教えてください。
伊波:「smile smile ship Start!」かなあ。シンプルにとっても名曲です!「これぞスクールアイドル!!ラブライブ!サンシャイン!!」みたいな! 私たちが走ってきた〝青春”の色を感じますね。私がここまでAqoursとして進み続けられた想いのひとつには、大好きなμ'sという存在と、「『ラブライブ!シリーズ』が好き」という変わらない心がずっとあったからなんですが、もしかしたら、何かの拍子にその逆の気持ちになっていたかもしれない。とも思うんです。いろいろな言葉を日々向けられて、表に立つ役者としてやりきれない瞬間がたくさんあったし、上手くいかないこともたくさんあったので。
だけど、「smile smile ship Start!」は「そんなこと考えずに前を向こう!」と暗い気持ちを吹き飛ばしてくれるぐらいの厚みと重みがあるんです。奏でられる音楽からは「この演奏で、音で君たちを支えているよ!」と奏者の方たちの表情をも見えるくらい! 曲ごとに色ってあると思うんですけど、この曲は、透き通る青の中の真っ白さを持っている。太陽が海を照らして、きらめきを私たちに与えてくれるような楽曲です。それに「Aqoursにしか歌えないよね」と言える自信があるし、9人でパフォーマンスすることでパワーを帯びる楽曲だと思います。
――Aqoursの曲は、普段も聴きますか?
伊波:もちろん聴きますよ! 最近は特に「永久hours」がいろいろなところで流れているので、いつも以上に耳にしている感じがします! スーパーで買い物している時にタイミングよく「永久hours」が流れたりしますからね。「入店、歓迎された!?」ってなりますもん。(笑)
――(笑)。また、Aqoursとして活動する中で、成長したと感じた瞬間を教えてください。
伊波:すごく大きな括りになってしまいますけど、人としてとても成長させてもらったと感じています。9人いるので、日々いろんなアイデアや意見が出るんです。そのたびに「こういうことがあるから、こう思っているんだ」「この子にはこういうボキャブラリーがあるから、このアイデアの引き出しがあるんだ」とか。たくさん自分の心に収めてきたんです。ライブやアニメを作り上げるには、何十人、何百人というスタッフの方々の考えや思いもあるし、沼津市の方々のご協力もいただいていますし。
――改めて、すごい規模で動いていますよね、『ラブライブ!サンシャイン!!』って。
伊波:そうなんです。そんな中で「自分たちが活動していくうえで何が大切か」と考えた時に、たくさん“聞くこと”を覚えたんです。自分の意見や考え、思いは一度、置いて。まずは周りの考えを知り、寄り添い、なんとか上手くまとめるために、自分はどう動くべきかということをすごく考えてきた10年だったなと。その積み重ねで今の自分がいるのかなと思います。

――では、そんなAqoursは伊波さんにとってどんな存在になっていますか?
伊波:とても大きい存在になっています。19歳の時に動き出して、今29歳になるので、大きくないわけないですね(笑)。この間は、いつ何時もAqoursの存在が自分の中で大きかったからこそ、発言も行動も見られている意識がすごく強かったです。もちろん、今も。
昔は、千歌ちゃんの後ろには常に伊波杏樹がいると思って見ている人がいて、伊波杏樹が何かを言えば、何でも千歌ちゃんの発言だと受け取られてしまうことがあったんですよ。なので、発言に対する意識はとにかく強くなって、気をつけるようになって。いろいろな言葉を覚えて蓄えて次に活かしていくうちに、だんだんと成果が出るようになったんです。そうやって振り返ると……あの日々は無駄じゃなかったんだなと思いますし、あの日々に感謝したい。様々な経験をできたという意味でも、そんな“人生”を歩めたという意味でも、Aqoursは“大きな存在”になっていますね。
――では、千歌はどんな存在になっていますか?
伊波:友達、ですね! 彼女は私のことを全部知っていると思うので、もはや親友と言える気がします。でも、私自身は「彼女のことを全部知っています」とは言えないんです。『ラブライブ!サンシャイン!!』に関わる方々、一人ひとりに千歌ちゃん像があって、みんなで一緒に千歌ちゃんを作り上げている感覚なので。
だけど、私が千歌ちゃんの一番の理解者でありたいとは思っているんですよ。いろんな言動や行動をする千歌ちゃん全部を知ることはできないけれど、絶対的に理解していたい。もちろん、私が演じる意味も考えて向き合っていますが、「何よりも千歌ちゃんに寄り添ってあげたい」と思って、役者人生をずっと歩んできたので。親友ですね。

















