THE SUPER FRUIT『ROCK! ROCK! FRUIT!』ツアーファイナル インディーズ最後にぶつけた“ロック”なエネルギー

スパフル、インディーズラストツアー完走

 THE SUPER FRUITが『ROCK! ROCK! FRUIT! -インディーズラストライブハウスTOUR -』を開催。ツアー名の通り、今年夏にメジャーデビューを控えている彼らにとっては、インディーズ最後のツアーだ。またひとつ階段を登る彼らの期待感が伝わってくるような、希望に満ちたライブだったと思う。本稿では、6月1日にヒューリックホール東京にて行われたツアーファイナルの模様を振り返る。

 本ツアーのテーマは“ロック”。メンバーカラーを用いたポップな装いではなく、上下ブラックの衣装でステージに登場した阿部隼大、小田惟真、鈴木志音、田倉暉久、星野晴海、堀内結流、松本勇輝からも、いつもとはひと味違う雰囲気が伝わってくる。ライブは、「馬鹿ばっか」の熱いパフォーマンスでスタート。いかにも“ロック”らしい、ほとばしるエネルギーを全力でぶつけてくるような7人の勢いに圧倒された。

 フルファミ(ファンの呼称)も掛け声やクラップで応戦した「学園天国」では、メンバーが次々とトランポリンの上を跳びはね、そのままダンスセクションへと繋がっていった。7人は代わる代わるステージでダンスを繰り広げ、最後に、ステージ後方に並ぶトルソーにかけられたジャケットを羽織っていく。全員の着替えが済んだところで「DanDanDaDance」へとなだれこんでいった。

 ツアータイトルにかけて一人ずつロックに自己紹介をした後は、少し落ち着いたモードのセクションに突入。今度はステージに机や椅子が並べられていた。それぞれ椅子に腰かけ、グラスを片手に乾杯し合ったところで、阿部の甘い歌声が響きわたる。「叫べない僕らの」だ。切ない恋愛物語を演出した後は、「愛の仕組み」を経て、スタンドマイクを巧みに操りながら「青い果実」を歌唱。曲にあわせた演出でも楽しませてくれたパートだった。

 「皆さん弾けていけますか?」という田倉の煽りを合図に披露されたのは「ポップコーンフィーバー」。ここからは再び、フルファミと一緒に盛り上がるパートだ。光るスティックを使ったパフォーマンスで魅せた「ぼくたちバットウィール」を終えると、7人は一度退場。しかし、どこからかクラップを煽るメンバーの声が聞こえてくる。「ステージに彼らはいないのに」と誰もが不思議に思い始めた直後、明るくなった客席に7人の姿が。会場内を歩き回りながら、一人ひとりに届けるように「パノラマ」を歌い上げた。

THE SUPER FRUITライブ写真(撮影=mican)

 「やばい!」「めっちゃ楽しい!」と声を弾ませながら、客席を後にする7人。そしてステージには、星野、松本、鈴木の3人が現れた。おもむろに着席を促すと、星野がピアノ、鈴木がカホンを演奏し、そこに松本が歌声を重ねる。3人の生演奏による可憐な「Juicy Smile」が届けられていった。

 入れ替わるように登場したのは田倉と小田。今度は田倉がベースを奏で、小田がドラムでリズムを刻む。2人の息の合った「Someday」の演奏に、フルファミは心地よく体を揺らしていた。

 続いて、ステージに1人現れた阿部が履いているのはタップシューズだ。カツカツと靴を鳴らしながらしなやかに舞う阿部に、フルファミも手拍子を重ねていく。しばらくして堀内もステージに登場し、阿部の刻むリズムに乗せて力強くダンスを披露。最終的に2人がダンスで掛け合いを見せ、フィニッシュポーズを決めると会場は歓声に包まれた。

 3グループに分かれたパフォーマンスを終え、再びステージに集結した7人は口々に「今日がいちばん緊張した」と話す。これまでの3公演はライブハウスだったため、フルファミも立って彼らのパフォーマンスを見届けていたが、今日は着席スタイルだったために今までと違う雰囲気を感じ、より緊張感が増したのだという。それでも、メンバーそれぞれが違った形の表現にチャレンジしたことは、彼らの新しい表情や姿を届けることに繋がったはずだ。

 「もう1回、ロックな時間に戻りましょう!」と告げ、客席を上手側(コーヒーチーム)と下手側(ココアチーム)に分けたコール合戦で再び一体感を高めていく。最終的には〈ドーパミンミン ミンミンミンミン〉のコールが飛び交い、そのまま「どーぱみんみん あどれなりんりん」に突入。アイドルへの恋心を歌った「君はリアコ製造機」、フルファミと一緒にタオルを軽快に回した「サクラフレフレ」でラストスパートをかけた後、「御伽話」の全力のパフォーマンスで本編を締めくくった。

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