YOASOBI、Number_i、中島健人、iri、Da-iCE、ゆず……注目新譜6作をレビュー

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はYOASOBI「Watch me!」、Number_i「Frisco」、Da-iCE「サンクチュアリ」、中島健人「碧暦」、iri「rever」、ゆず「GET BACK」の6作品をピックアップした。(編集部)

YOASOBI「Watch me!」

YOASOBI「Watch me!」Official Music Video

 6月8日にイギリスにて初のヨーロッパでのワンマン公演を控えるYOASOBIの新曲「Watch me!」は、このユニットのプロダクションの精度がさらに上がっていることを示す楽曲だ。TVアニメ『ウィッチウォッチ』(MBS/TBS系)オープニングテーマとして話題を集めているこの曲の原作は、作品の原作者の篠原健太が書き下ろし短編小説『心コロロン』。『ウィッチウォッチ』の主人公・若月ニコが魔女の修行に出る前の前日譚をもとに、ニコと幼なじみの乙木守仁のピュアで愛らしい関係を描き出している。軽やかに飛び跳ねるビート、可愛らしさに振り切ったメロディライン、「私を見て!」という純粋な気持ちを反映したリリックが一つになったこの曲は、年齢やジェンダー、国境を超えて、すべてのリスナーの胸を躍らせるポップチューンと言っていいだろう。(森)

Number_i「Frisco」

 ずっしりとした重さをたたえたビート、ダークかつシリアスな雰囲気を擁する音像、そして、低音中心のエッジーなラップ。2ndシングル『GOD_i』に収録された「Frisco」は、ヒップホップグループとしてのNumber_iの魅力をダイレクトに伝える楽曲だ。プロデュースは神宮寺勇太。ドープにしてグルーヴィなトラックもいいが、この曲の軸を担っているのはやはり3人のラップだ。〈俺らのラップマジ天地揺るがす/けど、まだまだ勘違いしてねぇアンチテーゼ〉というボースティング強めの歌詞を響かせ、リスナーの身体を揺らしまくる彼らのスキルは、ここにきてさらに向上している。フックとギミックを取り入れたシングル表題曲よりも、むしろ「Frisco」のほうに彼らの本質が刻まれているのではないかとさえ思うほど。(森)

Da-iCE「サンクチュアリ」

サンクチュアリ

 5月18日に東京ビッグサイトで行われた『TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜』のイメージソングとしての書き下ろしで、当日のライブで初披露された新曲。続いていく未来に向けて希望とメッセージを託すバラードで、メンバーの工藤大輝、花村想太、ゆずの北川悠仁とのコライト楽曲となる。高音域まで気持ちよく伸びるツインボーカルはいつも通りのクオリティ。言葉をしっかり届ける曲であるため、〈枯らさないよ(何度でも)/他愛無い日々で(輝け)〉というように、大野雄大と花村がそれぞれ違う言葉を掛け合いながら最終的に重なり合っていくところが聴きどころだ。合唱歌として残る曲になるかもしれない。(石井)

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる