timelesz、「ワンアンドオンリー」を仕上げる寺西拓人の歌 芯があり伸びやかな声が曲を上品に包む
今作の解禁で特に着目したいのは寺西拓人の存在だ。彼は今回、Aメロをオリジナルメンバー3人が、Bメロを寺西以外の新メンバー4人が歌い繋いだ後のサビ前の盛り上がるパートで満を持して登場し、高音をファルセットで響かせたりと歌唱面で重要な役割を多く担っている。思い返せば、新体制第1弾楽曲となった「Rock this Party」でも、落ち着いたサウンドになるBメロや、盛り上がりの高まるブリッジセクションを担当したり、4月28日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)で初披露された8人での「Anthem -episode 1-」でも細かい譜割りのパートやラストのサビに入る直前の高音パートを担当したりと、特にスキルが必要となる歌唱パートを任されることが多かった。
寺西はオーディション中から歌にダンスにと、マルチなスキルを発揮していたが、4次審査に合流した際に名刺代わりに披露した「Anthem」や、ダンスブレイクでセンターに立った「RIGHT NEXT YOU」など、ダンスの実力で圧倒する場面が多かったように思う。オーディション参加前からInstagramでもダンスレッスンの様子をリールで投稿していたり、個人でレッスンに通っている様子も見られ、timelesz加入後もダンスレッスンの様子の投稿は続いている。
このように、オーディション中はどちらかと言うとダンスのスキルが目立つメンバーだったが、実際にtimeleszに加入しパフォーマンスしているところを目にすると、“歌いながら踊る”というスキルが高いように感じる。どれだけ激しく動いていてもブレない声が、ヒートアップした楽曲を落ち着かせ、曲全体を上品にまとめているように聴こえる。芯が通っていながらもしなやかで色気もあり、丁寧に歌われる寺西の声は、Bメロでガラッと雰囲気を変えるのにも、曲の高揚をピークに持っていくのにもぴったりだ。今のところ「ワンアンドオンリー」のパフォーマンス披露はまだだが、きっと今回も安定した歌声で楽曲を仕上げてくれるはずだ。
寺西がこれらの重要なパートが任されていることは、加入後も幅広く踊りこなすダンススキルでグループを牽引していくのはもちろんのこと、歌唱面でも頼れる存在としてさらに進歩していくことが期待されているからではないだろうか。グループとしての活動は初めてでであるものの、彼のアイドルとしての天井を見せぬ可能性を楽しみにしたい。

























