=LOVE、≠ME、≒JOY……指原莉乃が描くそれぞれの“シンデレラ” グループのイメージを活かす作詞力
≠MEの新曲「モブノデレラ」が、大きな反響を呼んでいる。
10thシングル表題曲のひとつである「モブノデレラ」のタイトルは、「決して主人公にはなれないその他大勢の役名の無い“モブ”として生きている私、そして誰もが持つ孤独感や絶望」を表す、プロデューサーであり作詞を手がける指原莉乃による造語。YouTubeの急上昇ランキング3位、MVの再生回数は公開から約1カ月で600万回再生を突破した。ファンはもちろんのこと、ほかのアイドルグループのメンバーが自身のSNSやメッセージアプリなどで「モブノデレラ」の感想を投稿しており、同じアイドルという立場のメンバーにも深く響いているのは、メッセージ性こそ違えど、=LOVE「絶対アイドル辞めないで」の広がり方を彷彿とさせるものを感じさせる。
「モブノデレラ」を聴いていて感じるのは、「ラストチャンス、ラストダンス」とは対照的な位置にある失恋ソングだということ。≠MEの楽曲は、「秘密インシデント」のような“青春”をテーマにしたものと、「チョコレートメランコリー」のようなビターで狂気的ないわゆる“ダーク”な世界観を表現したものの、大きく2種類に分けられる(もちろん、それらが全てではない)。同じ失恋ソングではありながら、「ラストチャンス、ラストダンス」が前者であれば、「モブノデレラ」はどちらかといえば後者に当てはまる。
「モブノデレラ」のMV公開当時、指原は自身のSNSにて「イコラブっぽいテーマなんですがイコラブに書くとしたらぐいぐい介入してガラスの靴奪って勝手に泣いてると思う!」「ノイミーの『何者にもなれない』失恋もできない感じがかなりハマったなと思ってます!Dメロ以降の展開がノイミーメンバーの強み出まくりです!」「※どちらのイメージもメンバーに対するイメージではないです」と解説していた。「ノイミーメンバーの強み」というのは、ファンのあいだで話題になっている、櫻井ももによる“スーパーももきゅんタイム”や嫉妬心を剥き出しにした感情表現のことを指していると思われるが、「『何者にもなれない』失恋もできない感じ」はラストの〈あなたの中では ヒロインじゃない〉が示しているように思う。「天使は何処へ」で強い女性として生きていく決意表明を高らかに歌っていた≠MEが、とたんに恋愛のことになると“弱い女性“になるのは人の多面的な表情であるかもしれないが、〈どうか未来でも幸せに〉と“次”へと歩みを進めていくのは、「ラストチャンス、ラストダンス」と共通した主人公の姿であり、“強さ“とも取れる。7年目を迎えたグループが辿り着いたミディアムバラードであり、≠MEにとっての新境地の楽曲と言えよう。






















