=LOVE、≠ME、≒JOY、“イコノイジョイ”が不動の女性人気を確立した理由 指原莉乃プロデュースで注力されたポイントとは?

 =LOVEの女性人気が凄まじい。ファンクラブの約6割(※1)、ライブの観客の約7割(※2)が女性ファンというデータがあり、それはTWICEを筆頭とした韓国のガールズグループでは珍しくはないことだが、ハロー!プロジェクトや坂道シリーズといった女性にも広く受け入れられているグループを含めても、日本のアイドルのなかでは特異な比率となっている。

 大きなコンサート会場では、開演直前に女性トイレは長蛇の列で、男性トイレはガラガラということもしばしば。客席からは黄色い歓声が飛び交い、“カメコ席”に目をやるとまるでバズーカのような望遠レンズを装備したカメラを構える女性ファンを見かけることもあり、カメコ(カメラ小僧)という用語自体、今の時代には合わなくなってきているということを現場に行くたびに感じている。

 それではなぜ、=LOVEはここまで絶大な女性からの支持を獲得したのだろうか。プロデューサーである指原莉乃がインタビュー(※1)のなかでそのきっかけのひとつに挙げているのが、4thシングル表題曲「Want you!Want you!」。K-POPの要素を取り入れ、映像や衣装をよりかわいくしたことによって、一気に女性ファンが増えていったという。ただ、そのままK-POPに傾倒するのではなく、あくまでJ-POPの範疇でアイドルソングとしてアップデートし続けている印象だ。

=LOVE(イコールラブ)/ 4th Single『Want you!Want you!』【MV full】

 また、指原自身が手がける作詞の仕方も、メンバーの年齢的な成長に合わせて、男子目線の歌詞から女性目線の恋の歌に切り替えたことで、女性からの共感を呼んだ。女性目線のバラードの代名詞と言えるのが、=LOVEで初のMV1000万回再生を突破した11thシングル表題曲「あの子コンプレックス」だ。サビの〈知らないバニラが香った時/魔法が解けていく〉〈どうか 誰かに負けたわけじゃないって事/目を逸らさずに言ってよ〉は作詞家としての指原の腕前が光るキラーフレーズである。

=LOVE(イコールラブ)/ 11th Single『あの子コンプレックス』【MV full】

 ほかに、ドキュメンタリー映像や楽曲の歌詞にも表れているメンバーのメンタルをいちばんに考えた指原の姿勢は女性からも評価されているポイントかもしれないが、単純なメンバーのかわいさ、パフォーマンス力の高さはその子を応援したいと思わせるアイドルの原点だ。「ヒロインズ」は、今のメンバー10人全員が主役でヒロインだということを強く打ち出した自己紹介ソングだが、そこで〈メイクにファッション 華がある〉〈女子の憧れ Sweetie Girl〉と歌われているのが大谷映美里。ファッション誌でモデルとして活躍するだけでなく、アパレルブランド『Rosé Muse』、カラコン『melady』のプロデュース、さらに先日開催された『イコノイジョイ大感謝祭』の公演のひとつとして、初めての女性限定トークショーを行ったメンバーである。YouTubeのコンテンツとして、コスメ紹介や“毎日メイク”の動画が多く並ぶのが特徴であるが、大谷はその先駆けと言えるメンバーだ。

=LOVE(イコールラブ)/ 14th Single c/w『ヒロインズ』【MV full】
【毎日メイク】最近のみりにゃはこれでできています【現役アイドル】

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