≠ME、メンバー12人と“君”の青春を重ねた先にある今 夢の場所に立った一日を振り返る

≠MEが結成6周年を記念したコンサート『≠ME 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』を2月1日にさいたまスーパーアリーナで開催した。
2023年の4周年は東京国際フォーラム ホールA、2024年の5周年は武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで周年コンサートを行い、着実にキャパシティを広げてきたノイミー。さいたまスーパーアリーナは、グループ史上最大キャパシティの会場であり、昼夜の2公演で計2万4000人を動員。彼女たちの楽曲「「君と僕の歌」」で歌われている〈夢だったこの場所に立ってる〉の歌詞を体現し、夢をまたひとつ更新してみせた。本記事では、昼の部をレポートしていく。
メンバー12人がキャスト、ファンがクルーとなって、テーマパーク「≠ME WONDER LAND」を舞台に、冒険の旅に出かけるというのがコンセプトとなっている今回のコンサート。オープニングでメンバーそれぞれがアリーナのあらゆるところから登場して観客を笑顔にしながら、最終的にステージの中央に鎮座した巨大な船首のセットへと集結。テンガロンハットを被った探検家衣装の冨田菜々風が「7周年に向かって出発!」と叫び、1曲目の「最強のラブソング」がスタートする。

セットリストはテーマ別に並んでおり、特に冒頭ブロックはテーマパークを強く印象付ける。〈旅の準備は出来たよ〉〈まだ知らない 海の果てまで/君と行きたいんだ〉と歌われる「ミラクル!」ではメンバーがトロッコに乗って手を振り、「ヒロインとオオカミ」では“しおみる”こと永田詩央里と本田珠由記のダブルセンターを先頭にしてオオカミ耳がついたキュートな衣装で歌い踊る。また、会場後方に作られたサブステージはタッチセンサーを採用したフロアビジョン、花道の中央には会場の下手/上手に移動できるムービングステージが設置され、「す、好きじゃない!」と「偶然シンフォニー」でそれぞれ使用された。「最強のラブソング」と「偶然シンフォニー」は5周年以降に仲間入りした楽曲だ。
ユニット曲コーナーの一部は昼夜で異なっており、昼公演では「#おふしょるにっと」「2時半ろけんろー」「月下美人」の3曲が披露された。ブロックの頭にパフォーマンスしたのは河口夏音“隊長”率いる「こちらハッピー探検隊」。言うまでもなく今回のコンサートにマッチした選曲であり、ステージのLEDビジョンによってホラーテイストの世界観にアレンジされていた。今回のLEDビジョンは、横幅100m、縦13mの特大サイズで、アイドルグループのライブでは初めての使用になったという。アリーナを駆け巡るメンバーの姿や3つのステージと特大LEDビジョンの使用は、現地でしか味わうことのできないライブ体験を強く実感させる。ユニットコーナーを締めくくったのは冨田のソロ曲「空白の花」。「みなさんの心に届く歌が歌えますように」という思いを伝え、イントロが流れると歓喜の声が会場に響き渡る。

今回のコンサートで、ハイライトと言える盛り上がりとなったのは、メイド服風の衣装で披露された「チョコレートメランコリー」「アンチコンフィチュール」「天使は何処へ」のダンスナンバー3曲。特にダンスインターを経ての、「チョコレートメランコリー」は気迫と狂気が迸る、ノイミーのライブ史に刻み込まれるであろう名ステージとなった。それはMVの世界観とリンクした長テーブルと椅子を使用しての12人の息の揃ったパフォーマンスに、滴る赤い液体を連想させる床面LEDビジョン、菅波美玲と谷崎早耶のお馴染みのセリフ、蟹沢萌子の不敵な笑みが妖しさを増幅させる。そして、センターを務める冨田。一曲前の「空白の花」とのギャップもこの曲を際立たせているポイントだが、楽曲の表現力、入り込み方が一段階上がっていることを感じさせる。グループのYouTubeチャンネルには6周年コンサート開催前に、5周年時のコンサート映像が一部アップされており、そのなかに含まれている「チョコレートメランコリー」を観てもそれは明らかだ。12人が隊列を成しながら花道からメインステージに戻っていく様子もMVを意識したものだが、ラスサビのフレーズ〈話したことない君のため〉で、先頭の冨田が振り返る演出がゴシックホラーの世界観をさらに引き立たせていた。
