宇多田ヒカル、Mrs. GREEN APPLE、iri、STUTS、GENERATIONS、超特急……注目新譜6作をレビュー
STUTS「99 Steps (feat. Kohjiya, Hana Hope)」
STUTSの新曲「99 Steps (feat. Kohjiya, Hana Hope)」は、初めて男子高校生が主演を務めたポカリスエット新CMのために制作された楽曲。爽やかさと切なさ、未来への希望と少しの不安が混ざり合うようなトラックとともに、〈遠くはない未来で/踊ってる汗に俺の陰〉(Kohjiya)、〈感じているよ 歌いながら 歩きだすのさ/光とともに〉(Hana Hope)といったラインが響き合い、思春期特有の繊細なエモーションを描き出している。洗練と抑制を的確に効かせたトラックメイクやライミング、新しい世代の才能をフィーチャーしていることもそうだが、現行の日本のHIPHOPシーンの充実ぶり、そして、今後の新たな可能性をしっかりと感じ取ることができる楽曲だと思う。(森)
GENERATIONS「MY GENERATION」
メンバー6人が楽曲プロデュースを担当する「SIX COLORS」シリーズ第4弾、小森隼が主導する最新曲。今回は四つ打ちが印象的なポップスで、爽やかさや明るさ、時代に左右されない普遍性を重視した仕上がりだ。作詞作曲とサウンドプロデュースで名前を連ねているのはASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文。小森がアジカンのファンを公言してきたことから話が決まったらしいが、〈焦がす/胸の奥の高鳴りが/僕らの闇を照らす場所〉なんていう歌詞とメロディはじっくり聴けば確かにゴッチ節である。格好良さやスピード感よりも、はっきり伝わるメッセージを重視。これはグループにとってもありそうでなかった新境地となるのでは。(石井)
超特急「キャラメルハート」
EP『Why don't you 超特急?』からのリード曲。作詞作曲の玉谷友輝とWON AGAINはそれぞれなにわ男子、TWICEなどに楽曲提供してきた音楽クリエイターだが、キラキラ輝くアイドル向け楽曲を極めてほしい、というリクエストがあったのかもしれない――そんな想像をしてしまうくらい突き抜けたラブソングで、ホーンが華を添えるファンクナンバーの歌詞が、メロディが、とにかくメロメロに甘いのだ。大事なのはリアリティの投影ではなく、照れずにこの世界に飛び込めるかどうか、なのだろう。EPではこの曲に続く「メタルなかよし」は本気のヘヴィメタルだったりするので、ギャップのある世界観を毎度全力で楽しませる超特急流のエンタメとして受け止めたい。(石井)


























