つばきファクトリー、結成10周年で咲かせる花 ファンが八木栞に送る、フルネームのコールという餞

 4月30日、日本武道館にて『つばきファクトリー 10th Anniversary Concert at BUDOKAN ~OUR DAYS~』が開催された。4月29日に結成10周年を迎えたつばきファクトリーの記念公演だ。結成10周年という、年月を積み上げてきたつばきファクトリーにふさわしい、全44曲を披露するスペシャルな公演となっていた。

 そしてもう一つ、この公演には特別な意味がある。それは八木栞の卒業だ。八木は2021年7月にオーディションを経てつばきファクトリーに加入した。同期となる河西結心、福田真琳、豫風瑠乃と共に“リトルキャメリアン”(通称、リトキャメ)としても知られ、4月8日にはFC限定イベント「つばきファクトリー 河西結心・八木栞・福田真琳・豫風瑠乃FCイベント2025 『~リトキャメ・ファイッ!vol.2~』」も開催。つばきファクトリーのメジャーデビュー以降初めての新メンバーとして、多くの期待を背負って加入してきた同期というより同志というのに相応しい関係性は、他のグループではなかなか見られないものだった。

 今回卒業を控える八木は4年程度の活動期間となった。最近のハロー!プロジェクトにおいては比較的短めの活動期間となったが、八木がファンに残した爪痕は大きい。ブログに載せている手料理の「八木メシ」、フルネームでの曲中のコールなど、いつも八木は私たちが全く想像できない形でファンに愛されてきた。

 4月最終日の武道館にはそんな八木の晴れ舞台、そしてつばきファクトリー10周年という節目を祝うために多くのファンが駆けつけた。開演前のコールは当然「ヤギシオリ」だ。

 一人ひとりゆっくりステージに登場し、神妙な面持ちからはつばきファクトリー10周年という節目を迎えること、そしてここからの圧倒的なセットリストを歌い出す覚悟のようなものを感じる。1曲目に選ばれたのは「今夜だけ浮かれたかった」。切なげながら強い意志を感じる同曲からは、ステージにいる全員からみなぎる自信を感じる。

 白い衣装を舞うように脱ぎ捨て黒い衣装で登場すると初披露となる新曲「悲しみがとまらない」を初披露。インディーズ時代の楽曲「独り占め」も混ぜつつ、もう一つの新曲「月夜のパ・ド・ドゥ」の初披露もあり、グループのこれまでとこれからを感じられるブロックとなっていた。

 「青春エクサバイト」からメドレーがスタート。和太鼓が鳴り響く「アイドル天職音頭」から、しっとりしたバラードの「春恋歌」まで多彩な楽曲を休まず披露。「約束・連絡・記念日」は土居楓奏がラスサビを1人で歌い上げ、「抱きしめられてみたい」では秋山眞緒がステージ上の段差に座り圧巻の表情で歌い、最後のフレーズへと繋げる。メドレーを通じて全曲に一人ひとりに見せ場があり、つばきファクトリーの層の厚さを感じるとともに、全員に共通する“つばきイズム”を感じられるメドレーとなっていた。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる