『Angel Beats!』から15年 『けいおん!!』『WORKING!!』『迷い猫オーバーラン!』…2010年春アニメは名曲揃い?

『荒川UB』『四畳半神話大系』……やくしまるえつこ、アジカンらの楽曲も

 ここまでキャラソンを軸に紹介してきたが、アーティストが歌うアニメ主題歌はこの時代でも名曲が多い。やくしまるえつこの歌うアニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ』のOPテーマ「ヴィーナスとジーザス」は、ヒロイン・ニノの不思議な雰囲気と作品のラブの部分にフォーカスしたポップソングで、やくしまるのキュートなウィスパーボイスが印象的。スネオヘアーの歌うEDテーマ「逆様ブリッジ」も、爽やかさと切なさが同居する心地よいミディアムナンバーであり、荒川に浮かぶ夕焼けの景色が目に浮かぶ作品に合った楽曲だ。

【OP】荒川アンダー ザ ブリッジ「ヴィーナスとジーザス」
【ED】荒川アンダー ザ ブリッジ「逆様ブリッジ」

 個人的に推しておきたいのは、フジテレビのノイタミナ枠の名作とも名高い『四畳半神話大系』。物語の語り手である“私”のひねくれた雰囲気と青春のカタルシスが見事に表現されたASIAN KUNG-FU GENERATIONが歌うOPテーマ「迷子犬と雨のビート」は、言わずもがなの名曲だ。2010年代のアーティストタイアップ主題歌は、上記のような作品に寄り添ったものがどんどん増えていった時期でもある。それは邦楽の最前線で活躍するアーティストがアニメ主題歌を手掛ける、現在のアニソンシーンにも繋がっているといっても過言ではないだろう。

 本稿を機に、2010年春アニメ主題歌の豪華さを改めて認識できたのではないだろうか。最新アニソンだけでなく、たまには過去の楽曲もディグってみるのも一興かもしれない。

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