NOA、新曲「Seasons」で届ける春――「“四季”を共有していきたい」 アーティスト、そして俳優としての今

NOA、アーティスト、そして俳優としての今

今後のワンマンやツアーの基盤になる“闇”の部分

――4月から始まるファンミーティングツアーでは、“Post Office”をテーマにされていますが、どんなところから発想を得て企画したのですか?

NOA:去年のファンミーティングは“遠足”がテーマでしたが、今回は5周年という節目ということもあり、何か新しい形を模索していました。ファンミーティングはワンマンとは違って、僕のオフの部分が垣間見えるようなものだと思っていますし、5周年を迎えるにあたり、深く振り返る場にもなる。それに、普段からSNSなどでファンのみなさんが曲に対する思いを届けてくださっていて、それをより直接的に受け取る場所が"Post Office"なのではないかと思ったんです。たとえば、「この曲を聴いて頑張れた」といったみなさんの思いを届けていただき、それに対して僕が思いを返すような、お互いの気持ちのキャッチボールができる場にしたいと考えています。

 今回のタイトルは『Dear NOANA』となっています。手紙を書く時って、“Dear”から始めるじゃないですか。僕がお返事をさせていただくなかでは、これまでのすべての曲が対象になるので、デビュー曲に関する思い出を誰かが共有してくれたら、そこでまたみんなで振り返ることもできるかなと思っていて。あと、ミュージカルタッチにしたいという構想もあります。

――ミュージカルタッチという発想は、どういったところから生まれたのですか?

NOA:ファンのみなさんからエピソードをいただくことになった時に、それを単に読むだけでなく、もっと魅力的な形で表現できないかと考えていて。たとえば、恋愛をテーマにした曲で実際に存在するストーリーがあれば、それを僕が演じる時に「このタイミングで頭のなかにはこの曲が流れていたんだろうな」というポイントで曲を流すといった演出ができれば、観ている側もより感情移入しやすくなると思ったんです。そういったパフォーマンスを通して、より共感が深まるような体験を作りたいと考えています。

――約1年3カ月ぶりのファンミーティングとなりますが、ファンのみなさんとの再会に向けての思いを教えてください。

NOA:常にNOANAのみなさんには感謝の気持ちでいっぱいですが、ファンミーティングはより細かくみなさんに思いを伝えられる貴重な時間だと感じています。去年のファンミーティングを通じてそれを強く実感したので、今年もまたみなさんに感謝の気持ちを届けられることをとても楽しみにしています。

 今年は最初のライブとして『GMO SONIC 2025』に出演させていただきましたが、そこで見出した光の部分だけでなく闇の部分も表現していくというテーマが、今後のワンマンやツアーの基盤になると思います。そう考えると、今回のファンミーティングは唯一”オフの僕”が見られる機会になるのかなと思います。きてくださるみなさんに特別感を感じていただけるよう、ほかのライブとはいい意味でも差別化していきたいですね。

映画出演から楽曲提供まで、求められる“NOAの色”

――以前、「お芝居にも挑戦したい」と語っていましたが、映画『山田くんとLv999の恋をする』にも出演しています。俳優としての活動にはどのような魅力を感じていますか?

NOA:お芝居も音楽と同じく表現方法のひとつではありますが、届け方や表現の仕方が全く異なる。でも、毎回新しい挑戦に苦戦しながらも楽しく取り組んでいます。『君の花になる』から約3年経って演技の感覚を少し忘れかけていましたが(笑)、当時は撮影とレコーディング期間が重なっていて、歌い方や表現方法に変化があったことを覚えています。お芝居と歌には通じるものがあると感じた、といいますか。お芝居単体でも魅力を感じていますが、特にお芝居と歌を同時に取り組むことで生まれる相乗効果に興味があるんです。去年はアーティスト活動が中心でしたが、これからはまたお芝居にも積極的にチャレンジしていきたいです。

――アーティスト活動と俳優活動を両立することの難しさはありますか?

NOA:『君の花になる』のドラマ撮影中は、曲作りそのものが難しかったですね。映画の場合は撮影スケジュールにもよると思うんですけど、『君の花になる』は3カ月間ほぼ毎日びっしり撮影で、一日中役を演じていると、頭のなかがその役柄のキャラクターになってしまうんです。そうなると、曲作りの際に本来の自分のキャラクターや表現したい世界観に戻ることがなかなかできず、曲の主人公になりきれなくなってしまって。だから、言葉や感情が全然出てこなくて本当に苦労しましたね。経験を積めば改善するのかもしれないんですけど、当時はまだ経験が少なかったこともあり、まったく手につかない状態でした。

――今回演じる佐々木瑛太という役とご自身が共通するところや共感できるところはありますか?

NOA:監督から「喋り方や声のトーンが瑛太くんに似ている」とオーディションの時点で言っていただきました。そこを意識するようにアドバイスをいただいたので、演じながら自分の普段の話し方を見つめ直す機会にもなりました。また、瑛太くんはギルドマスターでギルド仲間をまとめる立場にあり、僕もTEAM NOAをまとめているので、そこに共通点を感じました。普段の自分が仲間にどう接しているか、どんな気持ちで関わっているかを振り返りながら、役作りに活かしました。

――逆に、普段の自分からかけ離れすぎていて演じるのは難しいなと思った部分はありましたか?

NOA:瑛太くんは妹をとても溺愛していて、甘える時もあれば厳しく叱る時もあるんです。でも、僕は年下の人や弟/妹的な存在の人を叱ることがないので、その感情の変化を表現するのが難しかったですね。なので、「溺愛している」という気持ちをより強く意識するようにしました。本当に大切だからこそ怒りという感情も出てくるのだろうと考えながら、愛情をできるだけ強く意識して演じるようにしました。

 瑛太くんは普段ふわふわしているキャラなので、その時は感情のギアを上げる必要もありましたね。毎回シーンが終わるたびに監督に「足りてないですよね?」と確認しながら進めて、通常の自分よりもテンションを上げる感覚で演じたんですけど、撮影が終了するまで常に苦戦していましたね。

――以前「ソングライターやプロデューサーとして、ほかのアーティストに楽曲を提供することにも挑戦してみたい」と語られていましたが、最近J.R.B.Y.に楽曲提供したということで。実際にやってみてどんな手応えがありましたか?

NOA:自分ひとりで曲を書くと、どうしても自分を軸にして書くので、よくも悪くも自分のカラーが強く出てしまいます。でも、J.R.B.Y.のことを考えて書くとなると、彼らのカラーを取り入れることになり、そこで今回は化学反応が生まれたというか。普段ならここまでパワフルな表現にはならないところが、ビートも歌詞もより力強いものになりましたね。彼らと一緒に作る過程で自分の新たな一面を発見できたことが、とても楽しかったです。楽曲提供することで、彼らが「ダンサーとして何を好んでいるのか?」という視点も少し掴めたように思います。直接意見を聞きながら作ることで、リアルな反応を得られたのも、今までの制作とはまったく違う貴重な経験でした。

 今回はダンサーチームへの提供でしたが、この経験からいろいろな人と創作していきたいという思いが強くなりましたし、表現する人たちはみんなアーティストなんだということも実感しました。そういった意味では、多くのことを学べた制作でしたね。

――次に楽曲提供やプロデュースすることになった場合、どんなアーティストと一緒に仕事をしてみたいですか?

NOA:特定のジャンルやアーティストにこだわりはなく、いろんな方々とご一緒したいと思っています。たとえば、アイドルの方に提供するのであれば、アイドル色を活かしつつも、そこにもしNOAの色というものも求められているのであれば、そこはうまく融合させることができると思います。むしろ、どんなジャンルのアーティストにも挑戦してみたいという気持ちが強いですね。

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