WEST.『A.H.O. -Audio Hang Out-』で挑んだ7人が制作に携わるアルバム初の試み 熱さと愛が宿る“ライブ力”の真髄も

神山智洋、藤井流星、濵田崇裕、小瀧望が制作に参加した多彩な楽曲群も
WEST.の音楽的挑戦を牽引し続けている神山智洋は、今回制作に携わった「WESTraight」によって、WEST.×ヒップホップという新境地を果敢に切り開いた。この曲のプロデュースを務めたのが、Creepy NutsのR-指定を含む13人によって構成されるヒップホップクルー・梅田サイファー。KOPERU、peko、コーラ、KBD、teppei、HATCH、KZ、KennyDoesが作詞を、Cosaquが作曲と編曲を担当しており、一つひとつのバースのフロウに明確なこだわりを感じさせる仕上がりになっている。
Audio Hang Out=音で遊ぶ、という観点から、Rapなら音としては勿論、言葉としても遊べて、WEST.の新たな可能性を引き出せるではと思いました!同郷の梅田サイファーの皆様にご協力頂き、最高にクールなナンバーに仕上がりました!Check this out!!!!!!!… pic.twitter.com/MbsygukBIZ
— WEST. (@WEareWEST7) February 24, 2025
藤井流星が制作に参加したのが、アダルトな色気に満ちたダンスナンバー「TICKTOK」。それぞれのメンバーの挑発的な響きを放つ歌声に真っ先に耳を奪われるが、特筆すべきは、本人がこだわったというベースのサウンド。足し算ではなく引き算のアレンジが冴え渡ったこの曲においては、パワフルに蠢くベースのサウンドこそが、全編に醸し出される妖しげなグルーヴの要を担っている。低音の鳴りが強いスピーカーで聴くことで、その真価をよりはっきりと体感できるはずだ。
僕が担当したのはTICKTOKという楽曲で、ダンスナンバーになってます。
サビ前に嘲笑うような笑い声のパートやサビの低音パートが特徴的な楽曲になっています。オケの低音にも拘ったので注目して欲しいです。#AHOのWESTꓸ#Audio_Hang_Out pic.twitter.com/DjqiIZQqQr— WEST. (@WEareWEST7) February 20, 2025
濵田崇裕は、2023年に中間、濵田、小瀧によるユニット曲「エゴと一途」を手掛けたPenthouseの大原拓真と浪岡真太郎に制作を依頼、そして生まれたのが「Rainy Rhapsody」だ。サビにおける歌謡性を帯びたメロディは、そこはかとない切なさや憂いを感じさせるもので、こうした曲調は、まさにWEST.が所属する事務所の先輩グループたちが代々歌い継いできた伝統的な系譜の1つであると言える。この曲は、令和時代に生まれた新たなWEST.流歌謡曲として、どれだけ年を経ても決して色褪せることのない普遍的な輝きを放ち続けていくはずだ。
この曲は、切ない瞬間の思い出を
宝物のように聞かせてくれる曲です。
歌詞も楽曲もPenthouse さんにお願いして
提供していただきました。みんなの声の表情が良くてお気に入りです。
メンバーみんなも気に入ってくれているようで
とても嬉しいです。… pic.twitter.com/bg5TzvCQt0— WEST. (@WEareWEST7) February 22, 2025
小瀧望は、ループして聴ける曲をイメージした上で選曲に臨み、その結果として生まれたのが「Sweety」である。この曲は、「Aメロ→Bメロ→サビ」というJ-POPでよく用いられる構造ではなく、基本的にワンループで展開していく。欧米で主流の構成ではあるが、この曲においては歌のメロディが強い存在感を放っていて、ワンループでありつつ、J-POP的なドラマチックさも内包している1曲だ。また、サビにあたるパートではファルセットが多用されており、それぞれのメンバーの歌声の新たな一面を引き出すことに成功している。
#AHOライナーノーツ🪇#小瀧望… pic.twitter.com/vVQuScEfWF
— WEST. (@WEareWEST7) February 21, 2025
このように、今回のアルバムは極めて多彩な楽曲によって構成されたアルバムであり、それぞれの楽曲が、ライブのステージ上でどのような新しい響きや輝きを放つかを楽しみにしている人も多いと思う。WEST.は、ライブにも非常に力を入れているグループで、たとえばアニバーサリーイヤーだった2024年は日本のライブ動員数ランキングで1位に輝いた(※2)。また、昨年末には、WOWOWとタッグを組んで挑んだオリジナルライブ『WEST.10th Anniversary Live "W"』が映画化されたことも記憶に新しい。そして彼らは、まだ自分たちの音楽を届けることができていない人たちと新しく出会うための挑戦も懸命に重ねており、その最も象徴的なアクションの1つがフェスへの出演である。






















