『ユイカ』、素顔を明かした今思うこと 20歳を迎えて芽生えた覚悟と新曲「おくすり」を語る

『ユイカ』はなぜ素顔を明かした?

トオミヨウによるアレンジ――『ユイカ』のチャレンジはサウンドにも

――サウンド面に関してはいかがでしょう? 今までのバンドサウンドではなく、エレクトロ風なサウンドになっていますね。

『ユイカ』:初ライブの映像を観返していた時に、サウンドの雰囲気が似ている楽曲があるなと感じて。でも、たとえばライブの途中で電子音が使われた機械っぽいサウンドの曲があれば、ライブそのものの流れも変えられるんじゃないかなと思って、こういったアプローチにしてみました。いろんなジャンルに挑戦したいという気持ちはずっとありましたし、20歳の節目のこのタイミングで「サウンド面も成長したな!」と思ってもらいたくて、チャレンジしてみました。

――トオミヨウさんがアレンジしていますが、打ち合わせなどされたんですか?

『ユイカ』:私、いつも曲を作っているタイミングで、すでにアレンジの方向性が頭のなかで鳴っているんですよ。今回は、それをトオミさんに伝えるためにリファレンスも含めてお伝えしました。お送りしたリファレンスのなかには、水の音が入っているような曲やエレクトロな雰囲気の曲とか、いろいろあって。それをうまく汲み取ってくださって、想像以上にいい曲になりました!

――たしかに、“ピチョン”という水の音がかわいいなと思いました。

『ユイカ』:そうなんです! 生活系の音って、どうしてもエモい雰囲気に寄っちゃうことが多いんですけど、でも今回はかわいい方向性に仕上がっていて。音色にすごくこだわってくださったんだと思います。

 かわいい曲ではあるけれど、私的にはこの曲のイメージカラーは、ピンクではなくて白なんです。ふわふわの雲や羽、シャボン玉……みたいな。それを最初にお伝えしました。たとえば、アイドルさんのかわいい曲ってイメージとして浮かんでくるのがピンク色だと思うんです。だからキャピッとした音になる気がするんですけど、“白のかわいい”だとふわふわした儚さも生まれるというか。それを前提にアレンジしていただきました。

――なるほど。たしかに、電子音を使っていて、かつかわいい曲なのに、アイドルソングっぽくないのはなんでなんだろうと思っていたんですよね。

『ユイカ』:今までは、“ピンクのかわいい”に寄せて書いた曲もあるのですが、バンドサウンドだったのでそこまでアイドルソングになっていなかったけれど、今回はエレクトロ風のサウンドなので、“ピンクのかわいい”に寄せるとアイドルっぽくなりすぎちゃうなと思って。でも、トオミさんが中域を支えてくれている音をたくさん入れてくださったので、狙い通りのサウンドになりました。

――歌でも新しい取り組みをしていたり?

『ユイカ』:今まではバンドサウンドだったので感情を前面に出して歌うようにしていたんですけど、今回は機械っぽいサウンドなので、歌の強弱が伝わりにくいなと思って。なので、あえて自分も機械になった気分で歌っているというか。歌詞も説明調だったりするので、できるだけ機械っぽく歌って。でも、〈ご飯は毎回奢らなくていいからね。〉などは人間らしさがあるので、そこはニヤケながら歌ったり(笑)。ところどころで人間味を見せるようにしています。

――『ユイカ』さんの歌声は曲ごとに表情が違って聴こえるのもポイントですよね。

『ユイカ』:曲ごとにキャラクターを変えて歌うことを意識しています。ラブソングが多いからこそ、登場人物を一緒にしたくなくて。というのも、ライブになると十数曲を一気に聴いてもらうわけじゃないですか。そうなった時に、ずっと『ユイカ』が歌い続けていたらカラオケを聴いている感覚になりそうだな、って。だから、毎曲違う女の子が歌うようにしていて。「この曲の主人公は高校2年生の女の子で、相手の男の子はこういう感じで……」と設定を細かく決めています。

――へえ!

『ユイカ』:そうなんです。楽曲ビジュアルにイラストが描かれているので、『ユイカ』から切り離して歌いやすいんです。もしジャケ写に自分の顔が写っていたらできないことかもしれません(笑)。

「好きだから。」のバイラルヒットを経て、海外でのライブへ

『ユイカ』(撮影=はぎひさこ)

――ジャケ写とリンクしている、という。ちなみに、『ユイカ』さんの気持ちが落ちてしまった時、お薬代わりにどんなことを取り入れていますか?

『ユイカ』:犬です! 去年実家で飼っていた犬が亡くなってしまって、今アニマルが足りていないんです。だからワンちゃんを飼いたいんですけど、大学に行きながら音楽の仕事もさせていただいているので、家にいる時間があまりなくて。だから今すぐは難しいと思うんですけど、大学を卒業したら飼いたいです。なので、現状のアニマル不足は犬カフェに行ったりして応急処置をしています(笑)。それすらできない時は、動画や画像を見てアニマルを摂取していますね。

――大学を無事に卒業して、ワンちゃんが飼えることを祈っています(笑)。そして、3月には韓国と台湾で初の海外ライブ、さらには4月には自身初のアジアツアー開催も控えています。

『ユイカ』:ワクワクもありますが、不安もあります。「MCが面白いね」と褒めていただくことが多いんですけど、海外だと日本語が通じないじゃないですか。

――ナオト・インティライミさん以来のMCおもしろアーティスト!

『ユイカ』:そうなりたいです(笑)。言語の壁もあるし、大きめの武器をひとつ取り上げられたというか。だからこそ、“歌”というアーティストにとっていちばん大切なことを見直せるタイミングだとも思うんです。自分の成長のためにも頑張りたいですね。

――「好きだから。」はSpotifyバイラルチャートインをしていて、アジア各国から注目されましたし。

『ユイカ』:こうして海外でライブをさせていただく機会をいただいたことをきっかけに、国内はもちろん、少しずつ海外にも視野を広げてやっていきたい気持ちも芽生えました。それにしても、本当に不思議ですよね。私、英語も喋れないし、歌詞もめちゃくちゃ日本語だし、ノれる系の楽曲でもないですし、なのに海外で聴いてくださる人がいるっていう。ありがたいです。言語を越えて伝えられる何かをしっかり伝えていきたいと思っています。

■リリース情報
『おくすり』
配信中

配信URL:https://yuika.lnk.to/okusuriTP

■公演情報
『『ユイカ』presents「時計草」 #1』
2025年6月27日(金)豊洲PIT
OPEN 18:00/START 19:00
GUEST:とた
問い合わせ:Intergroove Productions Inc.(https://forms.gle/hbr2RyQW76UK9SWYA

<チケット>
指定席(一般):¥6,500(税込+1D)
指定席(学割):¥5,500(税込+1D)
※学割チケット購入者は、入場の際に本人確認証の提示が必要。

■ツアー情報
『Yuika 1st Asia Tour』
2025年4月17日(木)中国 上海 PHASE LIVEHOUSE
チケット発売中:https://m.damai.cn/shows/item.html?itemId=889237208737&sqm=&utm=

2025年4月18日(金)中国 広州Tai Space LIVEHOUSE
チケット発売中:https://m.damai.cn/shows/item.html?itemId=888700118743&sqm=&utm=

2025年4月20日(日)マレーシア Zepp Kuala Lumpur
チケット発売中:https://my.bookmyshow.com/en/e/yuika1st

『『ユイカ』TOUR「Tsukimisou」』
2025年9月7日(日)Zepp Sapporo
OPEN 17:00/START 18:00

︎2025年9月12日(金)Zepp Fukuoka
OPEN 18:00/START 19:00

︎2025年9月19日(金)Zepp Nagoya
OPEN 18:00/START 19:00

︎2025年9月20日(土)Zepp Osaka Bayside
OPEN 17:00/START 18:00

︎2025年9月26日(金)Zepp Haneda(TOKYO)
OPEN 18:00/START 19:00

<チケット料金>
指定席(一般):6,500円(税込+1D)
指定席(学割):5,500円(税込+1D)
※学割チケット購入の場合、入場の際に学生証の提示が必要。

『ユイカ』オフィシャルサイト:https://www.universal-music.co.jp/yuika/
X(旧Twitter):https://x.com/yuika_singuitar
Instagram:https://www.instagram.com/yuika_singuitar/
TikTok:https://www.tiktok.com/@yuika_singuitar
YouTube:https://www.youtube.com/@yuika_singuitar

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