SixTONES 松村北斗の“完璧ではない”愛らしさ 松たか子らとのトークから見えたキャラクター

 また、2月3日放送『しゃべくり007』(日本テレビ系)には、映画『ファーストキス 1ST KISS』で共演する松たか子と松村が揃って出演。ここでも松とは高校の先輩後輩の間柄であることが紹介された。スタッフが掲げるカンペに「芸歴32年!映画・ドラマ・舞台130本以上出演の“アカデミー賞女優”と“朝ドラ俳優”の先輩・後輩コンビです」という紹介とともに登場した2人。冒頭ではお互いの呼び方について語り、“北斗”から“ほっくん”と呼ばれることが多いと話す松村に対して、松はスタートからゴールまで“松村くん”呼びを貫く。

 一方、松は舞台共演者からは“たかちゃん”と呼ばれるというが、それを聞いた松村は腕を組み、渋い顔を浮かべて「下の名前に手を出すって結構図々しい」と持論を展開。しかし方々から「自分、“ほっくん”って言わせてる!」とツッコまれていた。

 また、松村が静岡に住んでいた中学生まで通っていた空手道場の女性の先輩が観覧席から登場。上田晋也(くりぃむしちゅー)が「中学時代、どんな少年だった?」と聞くと、先輩は「地味で暗くて鈍くさくて」と当時の様子を明かした。これに松村は「今もどっちかっていうと地味な性格であるのはわかるんですけど、“鈍くさい”は初めて」と苦笑い。上田に現在は空手を教える立場にあるというその先輩に「空手を教われば?」と促され、松村が「形、組手どっちも(教えている)?」と聞くも、先輩からは「女性限定で!」と断られてしまう。二の句が継げない様子の松村の姿もまた笑いを誘う一幕だった。

 一見するとクールなタイプの松村だが、独自の視点とそれを伝える言葉選びにオリジナリティがあり、そしていわゆる“陰キャ”寄りで、どこか完璧ではないところに愛らしさがある。アイドル、俳優として両軸のカッコよさがありつつも、親近感が湧くキャラクターだ。

 そんな松村の魅力が炸裂したのが、2月6日放送のラジオ番組『松たか子と松村北斗のオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)だ。夫婦役を演じた“松松”コンビならではの軽快なトークを繰り広げ、X(旧Twitter)ではハッシュタグ“松松ANNP”がトレンド入りをするほどの盛り上がりを見せた。

 以前、『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送/2024年8月17日放送回)で松村が松の蕎麦の食べ方について語っていたのだが、その後日談も語られた。

 かねてから「松の蕎麦の食べ方が美しい」という噂を芸能関係者から聞いていた松村。撮影の合間に松と一緒に蕎麦店で食事をしたときに、その所作の美しさに驚いたと語った。そして放送後に、その話をラジオで話したことを松に伝え、それを受けて松がSixTONESのラジオを聞いたという。グループでのラジオでも発揮されているような長尺のフリートークとなったが、単なる“共演者”という枠組みを越えた、長年の友のような、はたまた姉弟のような、また特別な関係性が伝わってきた。

 番組の後半では塚原あゆ子監督をゲストに迎えて、映画の撮影秘話について語った。その中で、松と塚原は、松村の後ろ姿が印象的だったようで、自信なさげに歩いていたという目撃情報が語られた。それについては松村が当時の心境をたっぷりと語っているので、Radikoのタイムフリー期限内にぜひ本人の語りで聴いてほしい。

 そして印象的だったことの一つが、塚原からの演技指導について「言葉を尽くして説明してくださって」、「伝えることがメインじゃないんだけど、絶対にその僕という人間を捨てなかったのがすごく嬉しかったですね」と諦めずに指導してくれたことへの感謝を伝えた。さらに松村は「絶対にどんなに忙しくても(現場に)おしゃれしてきてくれるんですよ。僕、それがすごい嬉しくて」と声を弾ませた。

 一方の塚原は、「責任者って警察に引っ張られるときにボロボロは嫌だな」「代表者として行く時に襟がない服とか失礼かな」などと笑いを交えながら理由を語っていたのだが、松村が彼女の姿を見て、そうした心意気や周囲への気遣いを感じ取れる感性がなければ、この言葉は出てこなかっただろう。単に松村にたくさんのファンがいるからというわけではなく、彼の芝居から感じる人柄や姿勢に魅了されてキャスティングしたのだろうと、様々な作品にひっぱりだこ状態の理由が窺える一幕だった。

 先日、キネマ旬報社が発表した『2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テン』で、松村は主演男優賞を受賞した。雑誌『キネマ旬報』2025年2月号増刊(キネマ旬報社)では同じく主演女優賞を受賞した河合優実とともに表紙を飾った。その姿は俳優としての注目度の高さを物語っているのと同時に、過去の受賞者のラインナップからは今後の更なる飛躍を予感させる。

 誌面のインタビューではバラエティ番組やラジオでの姿とは打って変わり、俳優について真剣に思いを語っている。ここに限らず彼が語る言葉は、いつも謙虚で学びの姿勢が滲む。歌にダンス、バラエティと様々なことに挑戦するのがアイドルの仕事だが、だからこそいろいろな経験と芝居が結びつく場面もきっとあるのではないだろうか。

 ドラマに映画と様々な物語の世界へ誘ってくれる松村が、これからどんな監督や作品と出会うのか。アイドルであり俳優でもある松村にしかできない演技が楽しみでならない。

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