「きょういくばんぐみのテーマ」バイラルヒット 無邪気さと鋭さを持つ楽曲は「はいよろこんで」に続く?

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの1月29日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:やみの おねえさん「きょういくばんぐみのテーマ」
2位:BOYNEXTDOOR「IF I SAY, I LOVE YOU」
3位:NOV「One Take」
4位:Ave Mujica「KiLLKiSS」
5位:ちゃんみな「SAD SONG」
6位:HY「恋をして」
7位:THE JET BOY BANGERZ「LOVE / HATE」
8位:Serani Poji「さよならいちごちゃん」
9位:中島健人「CANDY 〜Can U be my BABY〜 (New Vocal Mix 2024)」
10位:Kaneee「Life is Romance」

 今週のSpotifyバイラルチャートは、新たな顔ぶれとともに大きな変動を見せた。先週の1位だったBOYNEXTDOOR「IF I SAY, I LOVE YOU」は2位へと後退し、代わってやみの おねえさんの「きょういくばんぐみのテーマ」が首位を獲得した。ランキング全体を見ても、大きな変化があった。中島健人「CANDY Can U be my BABY (New Vocal Mix 2024)」は先週の2位から9位へとランクダウンし、代わってNOVの「One Take」が3位に食い込んできた。また、ちゃんみなの「SAD SONG」は8位から5位へと順位を上げており、勢いを感じさせる。新たにトップ10入りしたのはSerani Pojiの「さよならいちごちゃん」だ。8bitのレトロゲームテイストなサウンドが特徴のこの曲は、初登場8位と好スタートを切った。

 そして、今回特に注目したいのは、1位に輝いた「きょういくばんぐみのテーマ」である。すでにTikTokでは、この楽曲に合わせたダンスがブームとなっており、その注目度の高さがSpotifyのバイラルチャートにも派生したのだ。この楽曲は、一見すると教育番組のテーマソングのような穏やかなメロディを持ちながら、その歌詞には現代社会の生きづらさや閉塞感が描かれている。この楽曲を引用したTikTokの動画を見渡しても、歌詞のネガティブさとは裏腹に、あえて明るい表情でテキパキ元気にダンスしている投稿が多く、その明暗のギャップを楽しんでいるようにも見える。このように、どこか不気味でありながらもキャッチーな楽曲が人々の記憶に残りやすいのだろう。

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