MYERA「Lie ライ Lie ライ」バイラルチャートイン 『日プ女子』出演者と表現する“本当の自分”

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの1月22日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:BOYNEXTDOOR「IF I SAY, I LOVE YOU」
2位:中島健人「CANDY 〜Can U be my BABY〜 (New Vocal Mix 2024)」
3位:Adult family「あなたのチンコは何センチ?」
4位:MYERA「Lie ライ Lie ライ」
5位:Bad Bunny「DtMF」
6位:V「Winter Ahead (with PARK HYO SHIN)」
7位:HY「恋をして」
8位:Kaneee「Life is Romance」
9位:エルスウェア紀行「素直」
10位:ANAIS & KO「Super Girl」

 今週のSpotifyバイラルチャートは、新しい波を感じさせる結果となった。先週1位を守っていた中島健人の「CANDY 〜Can U be my BABY〜 (New Vocal Mix 2024)」が今週は2位に後退し、代わりにBOYNEXTDOORの「IF I SAY, I LOVE YOU」が堂々の1位を獲得。韓国を拠点とするボーイグループであるBOYNEXTDOORが日本のランキングでトップに立つというのは、彼らのフレッシュなサウンドが日本国内でも幅広いリスナーに支持された結果だと言えるだろう。

MYERA “Lie ライ Lie ライ” Official MusicVideo

 さらに注目すべきは、MYERAの「Lie ライ Lie ライ」が今週チャート初登場にもかかわらず、一気に4位にランクインした点だ。この楽曲は、1月1日のリリース以来、SNSや動画プラットフォームを通じて多くの注目を集めており、音楽だけでなく視覚的なコンテンツの成功も大きな要因となっている。一方で、活動再開を発表し先週のランキングで2位だったthe cabsの「二月の兵隊」が今週は圏外へ。同じく先週ランキングに入っていたyung kaiやローラ・ヤングといったアーティストの楽曲もトップ10から姿を消し、代わりにBOYNEXTDOORやMYERAといった新たなアーティストが躍進している様子から、チャートの動きがいかに激しいかを実感する。

 今週のチャートで顕著だったのは、このようにボーイグループとガールグループの上位ランクインが目立った点だ。BOYNEXTDOOR、そしてMYERAなど、次世代のグループの活躍がめざましい昨今、中毒性のあるメロディやリリックに加え、楽曲のメッセージ性が強いものがリスナーに支持されていると言えるだろう。なかでもMYERAの「Lie ライ Lie ライ」は、このトレンドを象徴する1曲として際立っていた。

 MYERAは、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』出身のKotoとYui、そしてAguri、Riria、Himenaの5人で構成されるガールグループである。彼女たちのデビューシングル「Lie ライ Lie ライ」は、“リアル”すなわち“本当の自分”というテーマを掲げた楽曲で、鋭いメッセージ性が特徴。飾り気のない自分自身を武器に生きることの美しさと強さを強烈なビートと遊び心に満ちたリリックに乗せ、力強く歌い上げている。また「Lie ライ Lie ライ」のMVでは、チャイナ服をモチーフにした衣装をまとったメンバーがチャイニーズ・サイバーパンク風な空間を舞台にパフォーマンスを繰り広げ、観る者を一瞬で引き込む画力の強さを感じる。この近未来的な世界線と並行して映し出されるのは、制服姿でパフォーマンスする彼女たちのスクールライフである。楽曲のテーマでもある“リアル”とその裏返しでもある虚構の世界が“夢”を媒介して繋がる演出となっているのだ。

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