PompadollS「悪食」、バイラルチャートイン TikTokのライブ&リリック動画に反響、シェアしたくなる一曲

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの1月2日付のTOP10は以下の通り。(※1)

1位:比叡山延暦寺梵鐘「除夜の鐘」
2位:宮城喜代子、青木鈴慕「春の海」
3位:中島健人「jealous」
4位:ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ「みむかゥわナイストライ」
5位:PompadollS「悪食」
6位:yung kai「blue」
7位:&TEAM「雪明かり (Yukiakari)」
8位:marina & VISUAL ARTS / Key「Crow Song」
9位:平賀晴、竹下天馬、尾上右近、松田元太、「I Always Wanted A Brother」
10位:ANAIS & KO「Super Girl」

 誰も知らない新人アーティストに出会えるのは、バイラルチャートの醍醐味だ。ここ2~3年は、曲のバズだけで終わらず、しっかりライブ展開ができる新人バンドが定期的にランクインしてくるのがひとつの潮流になっているように感じる。シャイトープ、Conton Candy、チョーキューメイ、Fish and Lips、テレビ大陸音頭などが、その例に挙げられるのではなかろうか。これは、バンド活動の中にSNSを活用することが自然に組み込まれている証拠だ。

 今回ピックアップするPompadollS「悪食」も前例と同様である。同曲は2024年12月19日のデイリーバイラルチャートで初登場2位にランクイン。数日間にわたり2位をキープした後、12月23日に同チャートで1位になると、3日連続で首位を獲得。2024年にバイラルチャートを席巻し、12月25日に初のソロアルバムを発表した中島健人の先行配信楽曲「jealous」と、約1週間に渡り首位を争うデットヒートを繰り広げていることも、PompadollSの「悪食」が、いかに勢いがあるかを証明づけるチャートアクションと言える。26日以降は、数日5位圏内をキープ。年末年始も、「除夜の鐘」や「春の海」といった毎年上位にランクインしてくる“正月の定番曲”が増える中で、10位以内に居続け、1月4日付の同チャートで再び3位に浮上している。

 PompadollSは、2024年に始動した5人組バンドで都内を中心に活動を展開している。ボーカル&ギター、ギター、ベース、ドラム、キーボードという編成だ。同年1月27日に初音源となる「日の東、月の西」を発表して以降、7月までにデジタルシングルを3タイトルリリース。11月2日には6曲入りのEP『P.S.』を発表している。バンドの詞曲を手掛けているのは、五十嵐五十(Vo/Gt)だが、1人で曲を書いているとは思えないほどのバリエーションがあり、コンポーザーとしての才能が光っている。他メンバーの演奏スキルも申し分なく、五十嵐の多彩な楽曲をしっかりとサウンドで表現できている。新人バンドと称するには抵抗があるほどの楽曲のクオリティ、ライブ映像やMVで確認できる自らのバンドサウンドを楽しんでいる様子、そして五十嵐の存在感あるボーカルが、PompadollSの大きな武器だ。

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