Snow Man、初のソロ曲に表れた多彩すぎる個性 ベストアルバムに収められた9人それぞれの魅力
1月22日に、Snow Manがデビュー5周年を迎えた。記念すべきこの日、彼らのこれまでの奇跡が詰まった初のベストアルバム『THE BEST 2020 - 2025』をリリース。発売日初日に110.5万枚を売り上げ、『オリコンデイリーアルバムランキング』で1位を獲得した(※1)。ちなみに、同ランキングにおいて発売日初日にミリオンを達成するのは史上初。またもや新たな記録を樹立した。
そんな同アルバムは3形態販売されており、デビュー以降のシングル全てとアルバムのリード曲、メンバーとファンがセレクトした楽曲、3曲の新曲だけでなく、メンバー全員分のソロ曲も収録されている。過去のアルバムを振り返るとユニット曲はあれど、ソロ曲は今回が初。そしてそのソロ曲は、メンバーそれぞれの個性が見える9曲となっている。
岩本照の「7%」は、大人の色気が感じられるようなR&B。岩本はグループでのパフォーマンスではラップを担当することも多かったため、筆者個人としては彼のソロ曲はラップソングかと思っていたため意外性を感じたが、岩本らしいオシャレで大人っぽいダンサブルなナンバーに仕上がっている。公式YouTubeチャンネルにアップされている「Snow Man 'THE BEST 2020 - 2025'ソロMV鑑賞会 Vol.1」の中で、「俺の体脂肪率が7%だったのもあるし、作家さんに聞いたら淡い期待っていう意味も込めて7%。7%を低いって思うのか結構あるって思うのか、人それぞれ」とタイトルの意味が語られていたが、作家の意図に自身の体脂肪率を掛けられたのは岩本ならではだろう。
深澤辰哉「iro iro」は、自身が一番好きなアーティストだというsumikaの片岡健太(Vo/Gt)による提供曲。明るい気持ちになれる爽やかなポップスで、軽快なサウンドに深澤の優しく包み込むような歌声が映えている。また、タイトルを表しているかのようなカラフルなMVもかわいらしい。さらに、MVで使っているのはSnow Manのメンバーカラーの9色だけというのも深澤らしく、Snow Man愛が感じられて優しい気持ちになれる。
ラウールの「Induction」は、洋楽のテイストがふんだんに取り入れられたサウンドが特徴の1曲だ。自ら作詞したという全編英語詞を囁くような歌声と響く低音ボイスで紡いでおり、“アーティスト ラウール”にしかできない表現が詰まっている。思わず引き込まれてしまうポエティックな世界観は、これまで様々な表現をしてきたラウールだからこそ体現できるものだろう。
渡辺翔太は歌唱力を活かしたバラードで来るだろうと予想をしていた人も多いのではないだろうか。そんな彼のソロ曲「オトノナルホウヘ」は、勢いのあるポップス。軽やかなサウンドとメロディに渡辺の美声が乗ることで、さらにリスナーの心を弾ませる。新しい渡辺の一面が見えるような同曲を、本人は「Snow Man 'THE BEST 2020 - 2025'ソロMV鑑賞会 Vol.2」の中で「曲自体に深い意味はなくて、通勤とか通学中にラフな感じで聴いてもらいたいなって」と語っていたが、まさに狙い通り。憂鬱に感じる通勤/通学も同曲を聴くことでワクワクできそうだ。
タイでMV撮影をしたという向井康二のソロ曲「ファインダー」は、ミディアムバラード。ゆったりとしたテンポ感だからこそ、向井の優しく素朴な美声がじっくり味わえる。MVの中には向井の好きなものが出てくるのだが、タイ語の歌詞が仕掛けられている楽曲を聴くだけでも向井らしさが伝わってくる。切ない歌詞ではありつつもどこか温かさを感じるのは、向井が歌っているからこそだろう。
「ストレートな恋愛ソングを歌いたくて」という思いで制作したという阿部亮平の「いっそ、嫌いになれたら。」は、向井の「ファインダー」とはまた違ったテイストのミディアムバラード。どことなく心が弾むかわいらしい感じがして、タイトルとのギャップも楽しい。また、恋が成就するかしないかという恋愛の一番楽しい時期を表現するために8分の12拍子にしたというポイントも、「いっそ、嫌いになれたら。」という思いとは区切りをつけたいからタイトルに句点を付けたという点も、阿部らしさを感じる。