SUZUKA(新しい学校のリーダーズ)×yonkey(Klang Ruler)対談 「かっこよくふざける」ーー世界へ届ける“ユーモア”と“本気”

SUZUKA×yonkey 盟友対談

 『マクロス』シリーズ、『アクエリオン』シリーズなど、数々のヒット作品で知られるアニメ監督・河森正治の初オリジナル劇場長編アニメーション『迷宮のしおり』が、元日に劇場公開された。スマートフォンの世界に迷い込んだ主人公「前澤栞」を演じているのは、新しい学校のリーダーズのSUZUKA。本格的な声優に初挑戦した彼女は、現実世界に現れたもうひとりの存在「SHIORI」も演じている。

映画『迷宮のしおり』本予告〈2026年1月1日(元日)全国ロードショー〉

 そして、本作の主題歌「Sailor, Sail On」も要注目。ストーリーとリンクしていると同時に、広い世界へと飛び出す意志に溢れた新しい学校のリーダーズの姿も伝えてくれる曲だ。手掛けたのは、「オトナブルー」「Tokyo Calling」などでお馴染みのyonkey。劇伴も手掛けた彼は、自身のバンド Klang Rulerの曲「RUN!」でも劇中の印象的なシーンを作り上げている。新しい学校のリーダーズと楽曲制作チームにとって、『迷宮のしおり』との出会いはどのような体験となったのだろうか? SUZUKAとyonkeyに語り合ってもらった。(田中大)

リーダーズとyonkey、それぞれの転機になった運命的な出会い

ーーyonkeyさんにとって新しい学校のリーダーズは、事務所の先輩ですよね?

yonkey:そういうことになりますね(笑)。最初に会ったのは下北沢のライブハウスです。ライブ前に駄菓子屋で売ってる長いガムみたいなのを下北のゲームセンターの景品で獲って、それを差し入れで持って行きました。

SUZUKA:対バンイベント?

yonkey:そう。アイドルグループとの対バンだった。リーダーズのお客さんは前の2列くらいだったけど、その頃からパフォーマンスがすごくて、「なんでこの人たちがこの規模の会場にいるんだろう?」と思ったのが第一印象でした。同じ事務所に入って最初に楽曲提供させていただくことになったのがきっかけで、「ライブ観に行きなよ」ということになって。

SUZUKA:レコード会社との契約が終わって、「じゃあ、わしらのレーベルを作るぞ!」ってなった時にyonkeyさんのことを知って。「昭和歌謡とディスコを混ぜたやつをやろうかな」という話になった後、「アソビシステムに入ってきた男の子が作ってくれたんやけど」と曲を初めて聴かせてもらったんです。それで「えっ! めっちゃいいやん!」って、それが初めての出会いやった気がする。その後、いっぱいいろんなデモを作ってくれたよね。

yonkey:めっちゃ作ったね。あのタイミングで最終的に選ばれたのが「オトナブルー」と「ケセラセラ」。「どういう曲を作ろう?」と悩んだ末に、もともとリーダーズが持っている歌謡曲的なバックグラウンドにいろんな要素をミックスして新しいものを目指すことにしたんだよね。

SUZUKA:デビューする前は打ち込み系だったけど、デビューしてから2枚のアルバムはH ZETT Mさんにバンドサウンド中心のプロデュースをしていただきました。自主レーベルを立ち上げたタイミングで「歌謡曲や懐かしさはわしらにすごく合ってるから、さらに新しいのに挑戦してみたい」と思ってたときに出会ったのがyonkeyさん。

yonkey:リーダーズの写真を部屋の壁に貼って、「この人たちのプロデュースをするんだ!」と、5人目のメンバーになったつもりになってた(笑)。日中ずっとリーダーズのことを考えてたから。

SUZUKA:そうだったんだ。

yonkey:コマーシャルの音楽とかに携わらせてもらったことはあったけど、ちゃんとアーティストの楽曲を一から作らせてもらうのはリーダーズが初めてだったから、命を懸けるくらいの気持ちというか、「この人たちの将来を僕が担ってるんだ」という責任を感じていました。

SUZUKA
yonkey

ーーリーダーズのどういう魅力を引き出したいと思いました?

yonkey:当時からパフォーマンスが完成されていたので、「完成されている部分は活かすべきだ」と考えて楽曲制作をすることにしました。「オトナブルー」もそうですけど、メンバー一人ひとりが活きることを心がけたり、パフォーマンスを活かすことを大事にしながら楽曲を制作していきました。

ーーリーダーズが注目を集めるきっかけとなったのが「オトナブルー」でしたけど、リリースされたのは2020年の5月。ブレイクに至るまでには、かなり時間がかかりましたよね?

SUZUKA:そうでした。リリースしてから2、3年後くらいですね。

yonkey:自分たちで動画作ってたよね?

SUZUKA:予算がないから自分たちで。「カラオケ代くらいは事務所に出してもらっていいかな?」と、それだけ出してもらって。あとはメンバーの家の近くの公園で撮影したりとか。自分たちで伝えようとしないといけない状況だったし、そのやり方が私たちに合っていたんだと思います。

ーー「個性と自由ではみ出していく」という姿勢を投稿する動画からも感じていましたよ。

SUZUKA:「はみ出していくってわしら言うてるけど、本当にはみ出してんのか? 何がはみ出してくの定義?」って何回も自分たちの間で話したのかわからないくらいなんです。「全然はみ出してないやん!」って悔しくなって、突拍子もない行動もたくさん起こしてました。

ーー「オトナブルー」のタイミングでは、「ケセラセラ」以外にもいろいろ作ったんですか?

yonkey:はい。歌謡曲的ではない、もう少しポップス寄りのものも作っていたんですけど、「これじゃインパクトが足りないな。もっと刺激的なものはないか?」と思って作ったのが「オトナブルー」と「ケセラセラ」でした。

SUZUKA:デモを聴かせていただいた時、「早くこれを歌いたい!」と思いました。「オトナブルー」を聴いた時の印象は、“開けている”という感じだったというか。「届けられる人がいっぱいおるやろうな。私のばあばも好きやろうな。音楽やってるお姉ちゃんもかっこいいと言うやろうし、お母さんも、ロック好きのお父さんも好きやろうし」とか、いろんな人に届くのがイメージできたし、ライブでもいっぱいやって、たくさんの人に観てもらいたいと思いました。

ーーライブでも心強い曲でした?

SUZUKA:はい。ライブの掴みとして序盤で激しめの曲をやって、途中で「オトナブルー」をやると、馴染んだんです。2、3曲やった後にMCを挟んで「オトナブルー」をやるセトリでずっとやってたら、「あのMC明けの曲、すごくいい」って、いろんな人から言われました。「これなのかも」って思いましたね。ただ、再生回数はなかなか伸びなくて、「いつ来んねん?」って。

yonkey:僕的にも「面白い作品ができた」という自負はあって。でも、必ずしもそれが世間の評価と合致するとは限らないというのもわかっていたので。そしたら急に再生回数が伸び始めたんだよね。

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