Base Ball Bear、トーク&ライブで新年の幕開け 特別編成、図書館戦争セット……バラエティに富んだ『ちゃん祭り』レポ

Base Ball Bear『ちゃん祭り2025』レポ

 9曲+トークを経て、本編ラストのライブのゾーンに入る前に、遠山が「お知らせがあるんでしょう?」。それを受けて小出は、3月9日にKT Zepp Yokohamaにて、橋本絵莉子とのツーマンライブ『SMA 50th Anniversary presents「なかなか(いい感じの)男女」supported by KT Zepp Yokohama 5th Anniversary』を開催することを発表する。

 SMAが創業50周年を記念して、2024年4月から1年かけて、多数のアニバーサリーイベントを行っている中の、最終公演がこれだそうだ。タイトルに『男女』が付いているのは、かつてSMA所属の3バンド=Base Ball Bear、チャットモンチー、シュノーケルの3バンドで行っていたシリーズイベント『若若男女』を踏襲したのだと思われる。

 2024年9月20日、LINE CUBE SHIBUYAで行い、U-NEXTで生配信もされたワンマン『SHIBUYA NONFICTION』の時のこと。後半で「Endless Etude」を演奏したが、本当は別の曲を経てからの「Endless Etude」だった。小出&関根はそのつもりで構えていたが、堀之内が「Endless Etude」の冒頭のドラムを叩き始め、「えっ!」となった。曲に入る前にギターを持ち替えるはずだったので、スタッフも大慌て。でも堀之内はご機嫌で演奏を続行、やむなくそれに合わせる小出&関根&スタッフ。本編終了して引っ込んだ時、堀之内に「あの曲飛ばしたよね?」と問うたところ、「いや、やったっしょ」と言われた──という「曲を飛ばしたのはバンド結成以来初めて。Base Ball Bearの2024年の最大の事件」があったので、このブロックで飛ばした曲をやる。いっぱい練習した自分たちの苦労をここでお焚き上げしたい。という小出の説明に、オーディエンスは爆笑と拍手で応える。

 というわけで、まずその曲=「カシカ」で始まり、続いて通常バージョンの「tobu_tori_」へ。なお、1曲目にプレイした「Endless Etude」の方は、最初のドラムを和太鼓に変えたらお正月気分が出るんじゃないか、と思いついてそうしたことと、映画のエンディングでかかった時の尺に合わせたバージョンにしたことが、最初のトークコーナーで明かされた。

Base Ball Bear(撮影=AZUSA TAKADA)

 そして、本編ラストの曲の前に、昨年と同じく、小出が遠山を呼び込む。「緊張するねえ……俺、2週間前からことあるごとに、この瞬間のことを思って」と言う遠山が選んだ曲だそうだ。「じゃあ俺が好きな曲を歌わせてくれ! もし歌えなかったら助けてくれ!」と、遠山がオーディエンスに呼びかけて始まったのは、「そんなに好きじゃなかった」。節回しのディティールの正確さといい、演奏とのリズム感の合いっぷりといい、この曲を相当聴き込んでいることと、相当練習して来たことが窺える歌いっぷりだった。

Base Ball Bear(撮影=AZUSA TAKADA)

 2026年もやりたいと思っているので、日にちはいつかわからないけど、お正月全体的に空けといてください、という小出の挨拶で、ライブは終了。客電が点き、終演BGMが流れたが、止まないオーディエンスのハンドクラップに応えて、3人が再度登場する。小出「終わりだよ?」オーディエンス「えー?」小出「やるやるやる」。

 「わざわざ地元の小屋を押さえて、ここでやりたくてしょうがなかったんだろおまえは!」「やれんのかおい!」「じゃあ見せてやれ!」などと、小出、堀之内をアオリまくる。堀之内、それに応えて「そうだよ!」「やるしかねえだろ!」「俺の魂の叫びだあ!」などとマイクなしの地声で叫びまくる。という掛け合いからのアンコール曲は「夕方ジェネレーション」だった。堀之内のスネアに合わせたオーディエンスのハンドクラップがきゅりあんいっぱいに広がり、14曲/2時間強に及んだこのイベントは、終了した。

Base Ball Bear(撮影=AZUSA TAKADA)

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