斉藤和義×岡田将生、ポルノ×神尾楓珠、サザン×小池栄子……音楽×俳優のコラボが生み出すMVの化学反応
斉藤和義の新曲「泣くなグローリームーン」のMVに岡田将生が出演している。
「泣くなグローリームーン」は、岡田将生と中井貴一が出演する医療ヒューマンドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)の主題歌として現在OA中。『ザ・トラベルナース』は、本日12月19日21時より最終回が放送される。斎藤の無骨でフォーキーなギターサウンドとあたたかく優しいメロディが印象的な「泣くなグローリームーン」は、ドラマの世界観を穏やかに包み込む。そんな本楽曲のMVには、斎藤がタクシーの運転手、岡田が乗客として登場。きらびやかな夜の都市を走るタクシーとその街並みを見つめる岡田の姿は、疲れ切った現代人が忘れてしまった心の解放を思い出させてくれる。
実際に岡田は今回のMVで、仕事が終わってから帰路につくまでの間の自分を投影しながらの演技を心掛けていたとのことで(※1)、緊張感を感じさせないリラックスしたムードのあるMVに仕上がっている。2人は岡田が10代の頃から面識があるとのこと。関係性の深い両者の共演は斉藤と岡田にとっても特別なものとなったはずだ。
「泣くなグローリームーン」のようなミュージシャンと俳優のコラボレーションによるMVといえば、今年9月にポルノグラフィティの25周年を記念して公開された『「あなたにとってポルノグラフィティとは?」25th Anniversary MUSIC VIDEO』もそのひとつだ。主演を務めるのは俳優の神尾楓珠。1999年生まれの神尾と、1999年にメジャーデビューしたポルノグラフィティは、いわば同い年。そんな神尾が演じるのは、人生の傍らに常にポルノグラフィティがいたという青年の半生だ。
アニメ『鋼の錬金術師』と「メリッサ」、友人との夏の思い出と「ハネウマライダー」、カラオケで歌った「サウダージ」、失恋と「サボテン」、結婚と「愛が呼ぶほうへ」――人生における様々な場面にポルノグラフィティが存在し、そしてその音楽が鳴るストーリーは、ファンのみならず、そしてすべての音楽リスナーの胸を打つ。そんなMVの主演を、ポルノグラフィティと同じ時代を過ごし成長してきた神尾が務めるからこそ、一層見る者の心を掴むのだ。
ドラマ主題歌のMVにおける出演俳優とのコラボレーションといえば、今夏放送された『新宿野戦病院』(フジテレビ系)の主題歌となったサザンオールスターズ「恋のブギウギナイト」のMVにドラマで主演を務めた小池栄子、そして仲野太賀が登場したことも話題を呼んだ。特筆したいのは小池で、実は彼女とサザンオールスターズのコラボレーションは実は2度目。2003年リリースの「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~のMVにも小池が出演しており、今回のコラボレーションでMVとしては21年ぶりの再会となった。
サザンオールスターズと小池、仲野のコラボレーションはMVの枠を越え、9月11日放送のドラマ最終回のエンドロールは、サザンオールスターズのメンバーが登場するというスペシャル仕様に。「ヨウコ先生最高!」と、小池が演じたヨウコ・ニシ・フリーマンの名前を呼ぶ桑田佳祐や、「恋のブギウギナイト」のディスコサウンドに身を委ね踊る小池や仲野をはじめとした出演陣の姿が印象深い。これまでも桑田佳祐ソロとして『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)や『最高の離婚』(フジテレビ系)といったドラマでもエンドロールで出演俳優との共演を重ねてきたが、音楽とドラマという垣根を超えたコラボレーションは、いつだって見る者に驚きと喜びを与えてくれる。